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Oさん(University of Cambridge, Natural Science / Fettes college出身)

永遠とも思われたケンブリッジ大学の長い冬休みも、気づけば過ぎ去っており、二週間後のテストに焦っている自分がいます。今回のレポートでは、大学に入って感じたことを振り返ろうと思います。

ケンブリッジ大学に入学してから最初の2ヶ月間は、飛ぶように過ぎていきました。自分が在籍する自然科学コースでは、毎週自分で選んだ4つの科目それぞれにSupervision(先生1人に対し学生2〜3人で行われるセッション)があります。そのための提出課題が次から次へとやってくるため、学業以外の自分のやりたいことには、あまり主体的に取り組めなかったように思います。それでも、課題に追われるという経験はパブリックスクールではあまりなかったため新鮮でしたし、課題で良い評価をもらえた時の達成感は何物にも代えがたいものがあります。

学業以外ではテニスに注力しており、息抜きをしながら他のカレッジの多様な分野の人と交流できる点がとても気に入っています。また、出費を抑えるために始めた自炊も、今では趣味となり、友人との交流を深めるきっかけにもなっています。

ここからは、イギリスの大学生として生活してみて感じたことを、これまでの生活と比較しながら綴りたいと思います。

まず、これは大学生になった誰もが共通して感じることだと思いますが、大学生という時期は他の何に比べても圧倒的に「自由」です。ここでの自由とは、単に時間があるということではなく、取りうる選択肢の多さを指します。学内には無数のソサエティやクラブが存在し、勉強時間の融通もかなり利くため、自分の時間をどのように使っていくかを常に考え続けなければなりません。これは大学に入るまでは、全くと言っていいほど経験することのなかった新しい感覚です。

それまでは、学校にいなければならない拘束時間や経済的な制約によって、できることに自ずと制限がかかっていました。これはある意味では楽なことでもあります。選択肢が少なければ、「自分が本当にやりたいことは何か」を深く考えずに済むからです。しかし、選択肢が増えた途端、何かを選ぶことは、他の何かを捨てることと同義になります。その結果、自分が本当に大切にしているものは何かということについて考え直す機会が多くあります。

もう一つ、大学生活における重要な点として、自分と同じ価値観を共有している人が少ないということが挙げられます。当然のことのようにも思えますが、大学に入る以前は、自分と同質の人たちと関わることがほとんどでした。これは先ほど述べ た「選択肢の少なさ」の結果であり、似たような経験を積み重ねてきた人たちは、自ずと同じような価値観を持つ傾向にあるからです。

しかし大学に入った途端、自分とは異なる価値観を持つ人たちに囲まれることになります。これは、それまでのバックグラウンドの相違に加え、大学における自由度の高さに起因しています。

人は皆、価値観を共有できる人と仲良くなりやすいものです。そのため、大学ではいわゆる「心の友」と呼べるような人にすぐに出会える確率は、以前より低いかもしれません。しかし、自分と異なる価値観の人と出会えるからこそ、大学生活は自分の世界を広げる大きなチャンスとなります。自分とは違う経験をし、違う意見を持っている人と対話することは、自分の考え方を見直し、世界を広げる絶好のきっかけとなるのです。

これらはあくまで日常生活レベルの話ですが、大学生が「個性磨きの時期」や「自己を確立する時期」とよく揶揄されるのは、こうした背景があるからなのだと感じました。