お知らせ

Nさん(Imperial College London , Mechanical Engineering / Fettes College出身)

ロンドンの夏の過酷さを身をもって感じた最終学期も終わり、気付くと爽涼なスコットランドへ逃亡している自分がいました。この報告書では直近の2学期だけでなく、Imperial College Londonでの1年目を総括したいと思います。

・学習面
自分が専攻するMechanical Engineeringは学年末試験で1年分の成績がほぼ全て決まるため、試験期間中とその直前の準備期間中はとても楽しいとは言い難い経験をしました。他の学部の友人達が次々と試験を終え自由を謳歌している中、同じ学部のロシア人の友人と共に、朝9時から夜10時まで同じ建物に立てこもる生活を4週間ほど続けました。一人では到底ここまで自分を追い込むことはできなかったと思うので、苦しみを共にしてくれた彼には心から感謝しています。 
試験終了日には彼の親戚宅にてバーベキューをし、翌日にはDorsetまでハイキング・キャンプに行きました。直前まで白い壁に囲まれて参考書と対峙していた自分には、白い断崖とどこまでも広がる青い海はまるで別世界でした。

・ヨット
入学当初は様々な部活動を試してみましたが、時間的・金銭的な兼ね合いから最近はヨット部に全エネルギーを注いでいます。
大学のヨットレースチームに選抜され、BUCS(British Universities and Colleges Sport)大会ではImperialを代表してイギリス各地の15大学と競いました。海岸沿いに位置し頻繁に練習している大学に比べると技術面で劣る点もありましたが、最後まで事故を起こすことなく戦い抜きました。大会最終日にはフォーマルディナーもあり、競技の性質もあり大学にはあまりいないFettes時代を連想させる人たちと交流することができました。まさか自分がスポーツで大学を代表することになるとは思っていなかったので、このような形で活躍できたことを光栄に思います。
次のクリスマス休暇にはDay Skipperというヨットをチャーターできる免許を取れるよう、引き続き雨にも負けず風にも負けずに励んでいきたいと思います。

・将来
今までは漠然と受動的にしか思い描いていなかった将来像について、最近は主体的に捉え積極的に行動できるようになりました。
エネルギーインフラ、特に海洋石油プラットフォーム及び風力発電に興味が湧いたため、マンチェスターで開催された会議及び展覧会に足を運びました。海洋インフラ業界におけるエンジニアの需要と技術を学ぼうという意気込みで向かい、営業マンとコーヒーマシンに少し期待を裏切られそうになりましたが、海洋事業の安全操業を支えている人々と交流することができました。特に、下降器を開発し体を張って安全を検証している会社の社長との対話を通じて、同じ努力をするのであれば少しでも広く社会に貢献できるように自分の学位を使いたいと思いました。
また、自分で事業を始めるという選択肢についても検討するために、Y Combinatorのプログラムに応募し、パリで開催されたStartup Schoolへも足を運びました。そこでは既に起業した人、これから起業しようとしている人々の当事者としての声を聞くことができ、もしかしたら今の自分には起業はあまり向いていないのではないかという思いに至りました。
ただ、パリで出会った人々は高校でも大学でもあまり接点を持つことのない部類の人々だったため、前回の報告書で立てた「来学期はロンドンの他大学の学生とも積極的に交流を図っていきたいと考えています」という目標を達成するだけでなく、それを越えることができたと思います。
金融業界も垣間見るために、夏季休暇中に保険会社と銀行でインターンをする予定です。どうしても1年目ではエンジニア関係のインターンを見つけることは難しいため、時間と余裕があるうちに他の業界に関する見聞を広げたいという意図を持ってのことです。

・自立
来年度住むアパートがこの報告書を書いている時点でまだ決まっていないことに僅かながら危機感を覚えています。しかしながら、こうして住まいの心配をしている自分の姿に、徐々に自立へと向かっていることを実感します。
高校・大学の学期中は毎日目新しいことの連続で、目の前の変化に順応することに精一杯でした。夏季休暇になり、スコットランドのバスの車窓や湖畔から大自然を眺めて過ごすうちに、15歳の時にTazaki財団に応募していなかった場合の現在の自分に思いを馳せる時間が増えてきました。
実家に住み、朝は電車に鮨詰めにされて東京の大学に通い、夕方は講義終了次第大人しく帰宅する姿は、中学1年生の時の自分と大きく変わらなかったと思います。12歳の自分は、まさか7年後にアパートをシェアするロシア人とカザフスタン人の友人と共に、血眼になって物件ウェブサイトを漁り、1日に3件もの内見を梯子することになるとは想像だにしませんでした。
ただ、こうして劇的な変化に順応し、なんとか生き延びているということは、たとえ今到底不可能だと感じることであっても、段階を踏めば可能になるのかもしれません。

以上、大学1年目を振り返りましたが、このような素晴らしい大学生活を送ることができているのは、田崎理事長をはじめとするTazaki財団の皆様のおかげです。本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします。