お知らせ

Kさん(Oxford University , Biomedical Engineering / Christ's Hospital出身)

気がつけば大学生活も1年目が終わり、イギリスでの生活も残すところ3年となりました。大学生活は1学期目から大きく変わることもなく、カレッジや図書館、レクチャーシアターを往復する日々でした。学部やカレッジの先輩、同期との交流に加え、Japanese Societyでできた友人と時間を過ごす機会も増え、趣味に割く時間はその分減ってしまったように思います。一方で、幸いコースの内容は常に興味深く、プロブレムシートも楽しめるものが多くなってきたため、ターム中の日々にも満足しています。各学期8週間ずつの集中したスケジュールには慣れましたが、それゆえの慢心から見落としていた課題や、突然の体調不良によって提出期限ぎりぎりになってしまうことが数回あったため、次のタームからは気を引き締め直し、余裕を持ったタスク管理を心掛けようと思います。

今学期、特に面白かったことの一つに、Mech Labの集大成である橋作りがありました。これまでのタームでは、点と線のみで構成される2Dの橋の作成や負荷計算に始まり、3Dモデルや設計図の作成、簡易モデルの3Dプリントなどを行い、準備を進めてきました。最後のラボでは2日間にわたってアルミ片に切断や穿孔などの加工を施し、主にリベットを使用して組み立て、簡易的な橋を製作しました。クリアしなければならない寸法や耐荷重の要件がある中で、チームの他の2人とデザインについて話し合い、時間制限も気にしつつ協力して手を動かすことは、非常に実践的で貴重な体験となりました。完成した橋は実際に荷重テストにかけるのですが、自分たちのチームがラボで最初に条件をクリアし、さらに合格基準である5 kNも大きく上回ることができたため、メンバーと大きな達成感を共有することができました。

サマータームを語る上で避けては通れないのが、Preliminary Examinationsについてです。Oxfordでは一般的にほとんどの成績が年度末試験によって決定され、工学を専攻する1年生はPrelimsとして、ラボを除いた各モジュールから計4つの試験を受けることとなります。試験時間はそれぞれ3時間で、範囲は当然1年目に習ったすべての内容に及ぶ、極めて重要な試験です。そのため、直前の数週間はほぼすべての意識やリソースを復習や試験対策に割くことになります。学校の成績のために勉強するのは高校以来で久しぶりだったことに加え、広大な試験範囲や一段と高くなった難易度に直面し、ストレスや緊張も覚えましたが、同じ目標を持つ学友たちの存在が支えとなり、無事に試験を終えることができました。

試験に関して、一つ興味深いと感じた伝統があるので、カーネーションについて少しお話ししようと思います。Oxfordではすべての試験をSub fuscと呼ばれる正装で受けるのですが、それに加えて、3色のカーネーションを身につけることも文化となっています。最初の試験には白、途中の試験にはピンク、そして最後の試験には赤のカーネーションをつけるしきたりです。試験に苦しんだ学生の血が滲み出していく様子を象徴していると先輩から説明を受けましたが、真偽のほどは定かではありません。1年生が試験開始直前にCollege Parentから3色のカーネーションを受け取ることも伝統の一部で、自分も例に漏れずいただきました。当然、花のない自室に花瓶などあるはずもなく、風情には欠けるものの、大きめのペットボトルで代用することで、1週間枯らさずに綺麗な花を身にまとうことができました。タームが後半になるにつれて、街全体に各色のカーネーションを身につけた学生が増えていき、えも言われぬ緊張感を覚えることもありました。一方で、自分と同じ色のカーネーションをつけた他学部の人を見つけた際には仲間意識を感じるなど、素敵な伝統だと思いました。残念ながら工学部はExam Centreで受験することは叶いませんでしたが、それでも大学の伝統の一端を担うことができ、嬉しく感じました。

工学部の試験が正式な学期末より1週間早く終了したため、学期最後の週はヨーロッパ旅行に費やすことにしました。フランス、スイス、イタリアの3か国を巡ったのですが、同じヨーロッパでも建築様式や人々の雰囲気、交通システムなどに大きな違いが見られ、異なる文化に触れる楽しさを再認識しました。これからは寮が9か月契約となり、ターム外にもイギリスにとどまる時間が増えると考えられるため、国内外を問わず、知見を広げるための旅行をこれまで以上にしていけたらと考えています。

大学生活の1年目を振り返ると、将来について考える機会が格段に増えたこと、また、さまざまな面において、より高いレベルでの自立が求められるようになったことを感じています。それによって自分の未熟さを実感したり、キャリアや生活に対する不安を覚えたりすることも多々ありましたが、友人や周囲の大人をロールモデルとしながら、学徒として、そして一人の人間として成長していけたらと思っています。

財団の皆さまをはじめ、サポートしてくださる方々のおかげで、無事に大学生活の1年目を終えることができました。心より感謝申し上げます。これからもどうぞよろしくお願いいたします。