
一年という時間は本当にあっという間で、ロンドンでの大学一年目を無事に終えることができました。このレポートでは、一年生で学んだModuleについて紹介しつつ、注力してきた課外活動についてもご報告できればと思います。
【学業】
学業では、PPE(哲学・政治学・経済学)の専攻として、幅広い分野の学びを深めました。
まず哲学(Philosophy)では、第一タームに政治哲学(Political Philosophy)、第二タームに道徳哲学(Moral Philosophy)を履修しました。政治哲学は実際の社会に当てはめて考えやすかった一方、道徳哲学は抽象度が高く、新たな難しさに直面することになりました。道徳哲学ではカントとヒュームの二人の考え方を学び、道徳の基礎を「理性」に置くか「感情」に置くかというテーマについて深く考察しました。
次に政治(Politics)では、通年の必修のModuleを取りました。国家論や権力の概念、市民社会や国際関係論など多岐にわたるテーマを扱い、議論を交わしました。客観的なデータや観察に基づいて分析する「Empirical(実証的)」なアプローチと、「どうあるべきか」という価値観や倫理を論じる「Normative(規範的)」なアプローチの双方からテーマを扱いました。PPEの一年生限定のこのModuleは、全員出席でも70人に満たない小規模なクラス構成でレクチャーを受け、10人弱のセミナーグループに分かれて議論をします。この小さな規模感のおかげで議論をかなり深く掘り下げることができ、知的好奇心が絶えず刺激されるとても魅力的な環境でした。
経済(Economics)では、通年の経済基礎のModuleを取るとともに、第一タームには数学のModuleを履修しました。数学では統計を中心にプログラミング(Coding)も含めた課題が出されました。経済学ではミクロとマクロの両方を網羅し、A-Levelで学んだ土台を復習するとともに、数式やグラフを用いて理論をより厳密・定量的に分析する手法を学びました。第二タームのコースワークでは、Excelなどを用いて大きなデータを処理し、それを使って理論の分析を書き上げました。A-Levelではある程度決まった枠組みの中から文章を書いていたときとは違い、自分自身で着眼点を決めて定量的な分析を加えたエッセイを書くことができ、とても興味深かったです。
また、UCLのPPEでは、定量分析に特化した「PPE with Social Data Science」というStream(コース)に進むことができます。従来の理論ベースのPPEに定量的分析を加えて、実践的に制度設計や分析に繋げられるコースになっています。イギリスでも他で見ないこのコースに惹かれて進学を決めたため、私は第二タームから始まるData ScienceのModuleをずっと楽しみにしていました。一年生では統計やCodingの基礎力を身につけるため、Rコードを使って様々なデータを扱いました。コースワークでは、授業で扱ったコーディングをもとに自分でコードを書き、イギリスの国民皆保険システム(NHS)の現状についての分析レポートを作成しました。二年生からは別のプログラミング言語でより複雑なコーディングなどを学ぶので、今からとてもワクワクしています。もともとパソコンなどが得意なわけではなく、始めたときは不安も多かったのですが、練習を重ねることで上達でき、楽しめるようになったのでとても安心しました。
第三タームはテスト期間のためレクチャーやセミナーはありませんでしたが、4つのテストと1つのコースワークがあり、非常に忙しく感じました。大学のテストはA-Levelと異なり、「全てを勉強し切る」ということができないようなModuleが多く、そのギャップに苦労する面もありました。それでも、普段から休まずレクチャーやセミナーに参加していた甲斐もあり、自然とテストに必要な分析力や考察力が身についていたように感じます。とはいえ必要な知識量や理解の深さは膨大だったので、連日、図書館やカフェ、自宅などを転々としながら勉強しました。友達と一緒に勉強することでモチベーションを保ちながら、集中して乗り切ることができました。
【課外活動】
学業以外では、Societyなどの活動にも力を入れました。 UCLの学生シンクタンクでは、学部生から修士学生を含めた10人ほどのチームで、「イギリスの移民の経済統合におけるデジタル技術の利用」について研究しました。チームで分担しながら、他国でのケーススタディや、AI・ビッグデータ活用の利点やリスクについて分析しました。専門や背景が異なる多様なメンバーと研究することで、視点を変えながら取り組むことができ、非常に興味深い経験となりました。課外活動のため各自が時間をくり出しながら進める難しさもありましたが、グループワークの良い経験になったと感じています。
また、Japan SocietyではSub-Career Officerとしてキャリアイベントなどの運営を手伝いました。そして、今年のSocietyの選挙で無事にCareer Officerになることができ、ほっとしたところです。この夏休みも、企業のイベントに参加したり、就職エージェントの方々とミーティングをしたりと忙しく過ごしています。Societyの活動を通してだけでなく、実際に様々な業界の方とお話しすることで、自分の将来のビジョンをより明確にすることができました。
【振り返り】
この一年間、大学でたくさんの素敵な人たちと出会い、大切な友達を多く作ることができました。また、今年はUCLが創立200周年(Bicentenary)を迎える節目の年でもあり、キャンパスで開催された記念のBallや様々なイベントに参加できたことは、まさにこの時期に在籍できたからこその特別な経験となりました。休み期間にヨーロッパ旅行に行ったり、ロンドンで色々なアクティビティを楽しんだりと、最高の思い出がたくさんできました。また、休暇中にはホストファミリーの家にお邪魔したり、Sixth Form時代の友達と再会したりと、充実した時間を過ごせました。これまで出会えた様々な縁に感謝しながら、これからもこれらの繋がりを大切にしていきたいです。
最後に、いつも温かく支えてくださる財団の皆様に心より感謝申し上げます。二年生でも色々なことに挑戦し、さらに成長できるよう頑張ります。