お知らせ

Mさん(Imperial College London , Biochemistry / Fettes college出身)

今回は、夏にボランティアにし始めた古着屋さんでの経験について話したいと思います。

私は8月から、Octaviaというテャリティーショップでボランティアを始めました。レジでの販売や、寄付された服の数々の整理をする仕事内容です。楽しくなって毎日のようにボランティアしに行き始めてから数週間経ちました。大学とはまた違ったタイプの多様な人に会うことができ、世界がちょっとずつ広がっている気がします。

一緒に働いているスタッフの方と、お客さんのに種類に分けて説明します。どのスタッフの方が来るのかはに日によって違うのですが、私は主に副店長の方と一緒に働いています。名義の違いはありますが、2−4時の静かな時間帯には二人しかいないので気も砕けておしゃべりをします。人生経験を聞いていると、強靭な精神を持っているなとよく感じます。料理がお好きで、2軒のレストランでヘッドシェフを勤めていらしたらしいのですが、東奔西走の環境があまり性に合わずにそれを辞め、チャリティーショップの副店長に行き着いたとは教えてくれました。仕事の安定性よりも自分の幸福度を優先できるのは、全ての人にできることではないので、尊敬します。

次はお客さんについてです。もともとはどちらかというと人見知りの性格だったのですが、接客するならとことん接客しようと思い、積極的にお客さんに喋りかけるようになりました。例えば、スカーフを試しに頭に巻いている方に “It matches the colour of your glasses!”と言ったり、ベビーカーに乗った赤ちゃんを頑張って理解しようとしたりなど、自由なお店の気風のおかげで自分らしく会話を始められることができます。そうしているうちに、毎日のようにいらっしゃるレギュラーさんたちの顔を覚え、何分か立ち話をすることによって相手の生活が垣間見えてきます。お店で扱っている色とりどりの装飾品を繁々と見つめているお客さんに、”aren’t they quite pretty?” と振ると、職業として宝石を売買している方でいらして、このイヤリングはイタリアの何製、このネックレスはこの宝石と豊富な知識を披露してくださいました。中学や高校の生徒にとって、社会にはどのような職業があるのかというのは非常に限られた範囲でしかわからないことです。教師と親の仕事以外では、医者、料理屋さんで働いている人、弁護士などベーシックで目に見える仕事しか感知できません。だから、もっともなことですが、誰か新しく話すたびに、そんな道もあるのかとつい感心してしまいます。

接客業の困難には時々遭遇しますが、優しい店長、副店長のおかげで楽しくボランティアでき、新しく会った人の生活を脳にカタログできて、その分自分の世界が少しずつ大きく、豊富になっていく気分になります。