インペリアルの春学期が始まりました。ロンドンのローカルを自負してもそろそろいい頃でしょうか。
ここに来る前は、ロンドンは常に都市の喧騒が止まらない、落ち着かない場所だと思っていました。しかし実際に四ヶ月ほど住んでいると、ここの自由さにすっかり馴染むようになりました。自由さというのでしょうか、一人一人に人生があり、個性があり、押し込めることなく表されている都市です。私はここの国籍や文化の多様性が好きです。外に行くたびにいろいろな言語での会話が聞こえ、世界中から人が集まる場所という感覚を噛み締めます。それでも、ロンドン民の共通項目というようなものも感じます。くるぶしまであるスタイリッシュなコート、闊歩というしかない、跳ね飛ばされそうな勢いで歩くペース、立続けのロンドン訛りなど、小さなことばかりですが、重なって勢いの良い雰囲気を作っています。大好きな散歩の途中に人混みを避けて歩いていると、瀟洒なタウンハウスが立ち並ぶ通りに出たり、ひっそり佇む、由緒ありそうな仕立て屋さんなどに遭遇したりするのも魅力です。春はロンドンの数ある美術館を巡ることと隠れたおしゃれな通りをもっと発見することが目標です。
インペリアルカレッジロンドンのBiochemistryを専攻しているのですが、やはり話に聞いていた通り、非常にワークロードの多いコースです。教授からなになにを覚えなさいと言われるというよりも、自分で関係のある論文を見つけて読んだり興味のある箇所を本から抽出したりが多く、学生のリサーチ力を高めたいのだと感じます。インペリアルほど実力も熱意もある人に囲まれることは初めてで、それが一番この大学に来て良かったと思える点です。自分も高みを目指そうというモチベーションが絶えません。私のコースは特に情報共有や課題の助け合いが非常にたくさんあり、優しい方々に恵まれました。その反面、大学全体で寂しいと感じる人がとても多いのも納得できます。勉強面、友人関係、睡眠、一人の時間を全てバランスするのは大変です。初めは何か一つ諦めないといけないと思っていたのですが、全部交互に焦らず確保していくことが十分可能だと発見しました。夜10時以降は自分のために過ごすと決めてから幸せ度がかなり上がった気がします。
忙しく、勉強に自分をうっかり忘れそうな日々ですが、ここにいる時間を大切に過ごしていきます。