
大学2年の1年間を振り返ってみるとついこの間大学に進学したばかりではないか…というように、本当にあっという間の1年間でした。気が付けば、残された大学生活の方がこれまで過ごしてきた時間よりも短くなり、時間の流れの速さを実感しています。一方で、この2年目は1年目と比べて時間をより有効に活用できるようになり、学業面だけでなく新しいことへ挑戦する機会も大きく広がった1年であったと感じています。
学習面では、これまで Foundation of Neuroscience、Pharmacology、Physiology といった科目を通して、神経科学や薬理学、生理学を中心に学んできました。特に1年目から2年目の前半にかけては、脳や神経系の構造や機能、神経伝達の仕組みについて理解を深めることに力を注いできました。
また、講義科目だけでなく、神経疾患に関する文献調査にも取り組みました。中でも、現在でも十分な治療法が確立されていないてんかんをテーマに研究を行い、その病理学的な背景や発症メカニズムについて調査しました。特に、てんかんの発症に関与すると考えられている原因遺伝子や遺伝子変異が神経活動へどのような影響を与えるのかについて複数の論文を読み込み、それぞれの研究結果を比較しながら理解を深めました。授業で学んだ神経科学の知識を実際の疾患へ結び付けて考える貴重な機会となり、神経科学研究のおもしろさと難しさの両方を実感する経験となりました。
さらに、2年目後半には「Cellular and Molecular Biology」という科目にも挑戦しました。この科目では、がんや免疫、細胞や分子レベルでの生命現象を扱い、これまで学んできた神経科学とは異なる視点から人体を理解する内容を学びました。脳は特殊な免疫機構を持つなど他の組織とは異なる特徴を持っていますが、この授業では身体全体を構成する細胞や分子の働きについて学び、これまで触れてこなかった分野への理解を深めることができました。
実際、この科目は本来私とは異なる専攻の学生が履修することの多い科目であり、私の学部から履修する学生はほとんどいませんでした。しかし、将来的には神経科学だけでなく、がんや免疫といった生命科学全体を幅広く理解したいという思いがあり、自分の専門領域の外へ踏み出して挑戦しました。
もちろん、この分野は決して簡単なものではなく、基礎となる知識が脳科学にアプライさせるものとは異なり神経科学と細胞・分子生物学では扱う内容が大きく異なり、覚えなければならない知識量も非常に多くありました。一年目の基礎知識がある人に囲まれてレクチャーを受けるということもあり、試験勉強にはまず一年目の学習のキャッチアップをしたあとに2年目の内容をインプットしなければならず、これまで以上の努力が必要であり、学習面での負担を感じることも少なくありませんでした。また、module評価の一環としてReview Paper を執筆する課題にも取り組みました。多数の研究論文を読み込み、その内容を比較・整理しながら一つの論文としてまとめる作業は想像以上に難しく、アカデミックライティングの重要性と難しさを実感しました。
しかし、この経験を通して、1年目と2年目では学び方そのものが大きく変化したことにも気付かされました。1年目は分からないことがあっても一人で解決しようとすることが多くありましたが、2年目になると、どのようなサポートを活用すればよいのか、どこに情報を求めればよいのかが分かるようになりました。また、この1年間で築いた友人とのつながりも大きな支えとなりました。授業内容について議論したり、お互いの得意分野を生かして知識を共有したりすることで、一人では得られなかった理解や気付きにつながる場面が多くありました。周囲と協力しながら学ぶことの大切さを実感できたことも、この1年間の大きな成果の一つだったと感じています。
9 月からは大学3年目が始まり、いよいよ研究活動が本格的にスタートします。私は睡眠における Neuromodulation(神経調節)に関する研究に取り組む予定であり、指導教員のもとで研究室に所属しながら、自ら研究を進め、最終的には論文執筆にも挑戦することになります。
これまでの大学生活では、講義や課題を通して既存の知識を学ぶ機会が中心でした。しかし研究では、自ら問いを立て、仮説を考え、新たな知見を生み出していくことが求められます。そのため、一つの研究プロジェクトに主体的に関わり、自ら考えながら研究を進めていけることを非常に楽しみにしています。
また、この夏にはインターンシップにも参加し、大学での学びとは異なる視点から社会との関わりについて考える機会を得ました。これまでは、自分自身が学び成長することが中心でしたが、インターンシップを通して、将来的には自分が社会に価値を提供し、世の中に良い変化をもたらす側になっていくのだということを強く意識するようになりました。
研究活動もインターンシップも、自らの考えや成果を発信し、それによって誰かの役に立ったり、社会を少しでも前進させたりすることにつながるという点で共通していると感じています。大学で得た知識を自分自身の中に留めるのではなく、それをどのように社会へ還元できるのかを考えることが、今後ますます重要になると考えています。
残りの大学生活では、専門知識や研究能力を高めることはもちろん、自分が将来どのような形で社会に貢献し、どのようなインパクトを残したいのかについても真剣に考えていきたいと思います。そして大学生活を単なる学びの期間としてではなく、自ら価値を生み出し社会へ発信するための準備期間として有意義に活用し、将来は研究や仕事を通じて社会に貢献できる人材へ成長していきたいと考えています。