大学3カ月後レポートを書いてから約8か月が過ぎ、夏のひとときの休暇を楽しんでいる。今年に入ってからは忙しさからか気持ちの変動も大きく、自分を見つめ直す機会が多くあった。このレポートではその変化について書いていきたいと思う。
高校生のときの渡英前レポートでも書いた通り、自分は幼いころから宇宙やエンジニアリング関連など興味関心がはっきりとしていた。そのため、進路選択など人生の岐路に立たされた時、悩んだ経験があまり無かった。高校や大学は世の中に数えきれないほどあるが、自分の目標や関心領域とマッチしているところに絞るとせいぜい両手で数えられるほどの選択肢しか残らなかった。ナビゲーション付きの車のように道筋がはっきりしていたためある意味流されるように進路を決めてきた。しかし、大学から社会に出るときはそうは問屋が卸さない。進路、就職先一つとっても数多の選択肢の中から最善手を探さなければならない。大学に入ればそこもおのずと分かるだろうと考えていた自分にとってはとても悩ましい状況になった。この先行きの不透明さもあって自分の興味がない科目への興味関心が薄れてしまった。試験も苦手科目についてはあまり芳しい結果を残すことはできなかった。来年もすべて必修で科目選択はできず、1教科も落とすことはできない。そういう意味では一抹の不安が残る結果となった。
ただ、ポジティブな出来事もあった。この夏の日本での休暇中にもボランティア活動に参加し、日本の大学生と交流を深めたり、アメリカの学校「Brightworks」の創始者の方々と話をしたり精力的に行動することができた。特に創始者の方との会話は印象に残るものだった。その学校は2011年に開校したばかりで、先進的な学習スタイルと取り入れている。その中で彼らが最も大事にしていることは、生徒に主体的に学んでもらうことだ。自分の身近な場所から問いをみつけ、それを研究し、そして発表する。「The Arc」と呼ばれる学習方法は自分にアイデアを与えてくれた。学習は主体的に行うものであり、やらされるものではない。今の大学の活動は与えられた問題をただこなすだけのため、この意識を持ちながら生活することでさらに学習に深みが出るのではないかと感じた。
生活面では、2月ごろから日々多数のレポートや予復習に忙殺される日々が続き、ストレスフルな期間が続いた。しかしそれと同時に前回のレポートでも述べた通り、自律した生活ができたため、北欧に香港の友達と遊びに行くなど楽しみながら生活できたように思う。この1年の自分の目標は大学生活に慣れることだった。成人としてガーディアンや学校の管轄外になり、自由を得ると同時に自立することを求められた。自分で生活のバランスをとることは想像以上に難しかったが、リズム感を一度つかむとレポートや課題の多さにも物怖じすることはなくなった。
話が少し前後してしまうが、次の1年は学業面もさることながら、就職や将来の進路について見つめ直す一年にしていきたいと考えている。そのために、日々大学で開催されている講演会や4月に行われるロンドンキャリアフォーラムなどにも顔を出し見識を広げていきたいと考えている。