お知らせ

Kさん(University of Edinburgh, Italian and Classics / Christ's Hospital出身)

大学に入学してから早くも3ヶ月が過ぎ、初めの学期が終了してしまいました。思えばビザの発行が遅れたことで渡英が遅延したことによるバタバタから始まり、大学での勝手が分からずにあたふたした3ヶ月であったと同時に、久々に充実した学校生活を送れることの喜びを実感した3ヶ月でした。今回のレポートでは大学での学習面と課外活動について報告したいと思います。

大学での勉強において、まず驚いたのはその規模とスタイルでした。エジンバラ大学では、一年次の一学期には三教科を履修することができますが、私の専攻では必修であるイタリア語と古典の言語(私の場合は古代ギリシャ語)の他に自由選択科目があり、基本的にはどの分野の授業でも構いません。私は西洋古典の中でも歴史について学ぶ機会が少なかったため、ローマ史を取ることにしました。しかし選択可能な教科数が多く、幅広く興味のある分野を学べる仕組みになっているという点で大学の規模の大きさを目の当たりにしました。実際に私も、単位は取得できないものの授業に参加するだけの聴講生としてギリシャ史、ラテン語、ローマ法を追加で学ばせていただくことができ、まだ基礎段階であるからこそ興味や知識を広げるためのサポートが充実していることを実感しました。また、一教科あたり100名以上の生徒が受講しているという大規模のコースも多くあります。それぞれのコースは全体向けの大きなレクチャールームでの講義と少人数のチュートリアル、さらにイタリア語に関しては中規模のセミナーで構成されており、複数のアプローチによって知識を学ぶだけでなく、能動的に深めていくという点で高校とは違う学習スタイルだと感じました。その中でもタイムマネジメントの重要さは高校の時よりさらに増しました。高校までは基本的にはタイムテーブルが平日の定刻で組まれており、全ての授業を受ける必要があります。しかし大学では授業の有無の差が日によって激しく、時間帯もバラバラです。特に試験前はエッセイや小テスト、筆記試験等が重なる時期でもあり、時間がほとんどない状態になります。大学での講義は出欠が成績に関わることはなく、オンラインのポータルを通じて授業の録画と授業内で使用した教材にアクセスできるため、試験前で忙しい時には既に理解している内容や聴講している授業はオンラインで済ませるといった調整も必要になることを学びました。
また、課題のエッセイにおいても高校と大学でアプローチが異なることを感じました。高校のエッセイではいかに内容やポイントが押さえられているかということが大切ですが、大学のエッセイではいかに自分の立てたポイントを一次情報や二次情報で裏付けて、読者を説得させられる文章に仕上げるかが重要視されます。高校時よりもさらに総合的な判断になるため、学校のライティングセンターという、大学院の学生によってエッセイの添削をしていただく制度を活用して、他者から読みやすい文章であるか、どの点の説明が足りないかなどを客観的に見ていただいています。それでも思うような評価を得ることは難しいため、自分の弱点はどこか、どう改善するべきかといったフィードバックをもとに今後も練習を重ねていきたいと考えています。

他方、ソサエティや課外活動でも充実した3ヶ月となりました。イギリスの高校時代は課外活動を生かしきれずに煮詰まってしまった経験があることから、大学では勉強以外の活動もうまく取り入れていきたいと考えていました。そのため、ソサエティでは幼い頃より続けているバレエを踊るためにダンス部に所属しています。その中でもバレエのコンペティションチームに参加し、リハーサルとレッスンを行うことで体力維持と共に専攻分野を超えた仲間たちとの交流ができ、勉強の合間の息抜きとなっています。また、アカデミックな課外活動としてはイタリア語の生徒代表となり、同級生たちの授業に対する意見やフィードバックを直接他学年の代表たちや先生方と議論して改善に繋げたり、言語学部の学生たちによる雑誌へイタリア語の作文を書き、先生からの添削を経て実際に掲載していただいたりと、他学年や他の言語を学ぶ学生との交流ができたことが勉強面において良い刺激になりました。
大学生になり、自由度が増したことで時間や自身の管理が求められる一方で、興味のある分野を好きなだけ学ばせていただける機会に恵まれています。もちろん大学の勉強には超えねばならぬ壁の連続ではありますが、やっと大学生らしい忙しい生活を送れるようになったことに感謝し、1年生の残り半年も楽しみたいと思います。