大学で二年が修了し、物理学の基礎概念を一通り学んだように思います。高校までは(特に日本では)公式の活用に焦点が当てられ、その公式の物理的数学的解釈や、それを裏付ける実験的検証とは距離が置かれています。大学で、そのほぼ真逆のスタイルに慣れ、以上のような結論に至るようになったこの頃ですが、物理学を含めた学問一般についても思いを馳せてみました。
学問と呼ばれるものは大まかに文系理系と二分されていますが、どちらも今ある情報から出発し、論理的思考を使った演繹によって大体の結論を出す作業の連続であるように見受けられます。そのように捉えると、異なる専門は思考の対象の違いであり、それぞれが古代ギリシャの哲学から端を発し枝分かれしたという話も納得しやすくなると思います。
そこで私が興味を持つのは、学問、則ち論理と偶発的に起こるように見える直感によって何処まで進むことができるか、そして特に、意識という定義することも難しい概念は科学の枠組みに入れられるのか、と半ば非現実的とも見える事柄です。
ところで、事実は小説よりも稀なり、の言葉通り、物理現象は私たちの想像を超える実験結果を残してきました。量子力学は特にその性質を示し、その発見から一世紀以上経った現在でも日常体験によるイメージ化をほぼ不可能にしています。それによる解釈のゆとりの広さは著名な物理学者でさえも大胆すぎる現実像を抱かせることもあります。しかしそのゆとりの広さが新たな科学的、哲学的見地を生み出す源ともなり得るわけです。量子力学の考察から意識の発生の理論を組み立てる試みはその一例で、主観的概念である意識を客観的現象と結び付けられれば大きな前進になるでしょう。
ブレイクスルーは常に誰も考えていなかったようなアイディアから来るものです。分野にとらわれず知見を広め、今後の勉強に役立てていきたいです。