お知らせ

Nさん(University of Cambridge, Natural Science / Chirist's Hospital出身)

2020年8月の渡英からもう5年が経ち、今年7月には無事に大学を卒業しました。これが最後のレポートになるため、3年生での生活だけでなく留学全体を通しての学びや経験をまとめて書きたいと思います。
まず大学3年生での生活ですが、1年や2年とは全く異なるものでした。私は3年ではPathologyを専攻し2学期に渡っての卒論研究を行いました。授業は今までの何らかのコンセプトや知識を授業内で学ぶものと違い、3年生の授業ではひたすら様々な先行研究が紹介され、それについて自主的に詳しく授業外で学んでいくというものでした。卒論研究ではマラリアに関する研究を行いました。テーマは事前に研究室から与えられており、専属の指導係とペース配分して期間内に実験を終わらせていく形でした。基本的には週4~5日程度の頻度で研究室に通い、実験をしながら自分なりに考えトラブルシューティングをしていくというのがメインで、2年までに習った実習での内容をより実践的に練習していくことができました。授業と並行しての研究になるため、なかなか時間配分が難しく、今まで以上に自主性が求められるためプレッシャーを感じることもありました。ただ何よりも好きなこと、興味があることに没頭して学ぶことに集中できる環境というのは魅力的で有意義な1年だったと思います。
次に留学全体を通してのまとめになりますが、ボーディングスクールでの2年と大学での3年を合わせたこの5年間の留学では勉強面だけでなく、より内面的な成長の機会にもなりました。その中でも渡英直後のボーディングスクールでの経験は貴重だったと思います。渡英当時17歳で住み慣れた土地を離れ、言葉、考え方、食事、生活習慣など何もかもが違う異国の地に移り住み、自分の力で考え学ぶという体験は自分の人格形成に大きく影響があったと今でも思います。安心できる環境から飛び出し、新しい環境に適応しその中で自分の目標を達成していくという感覚は自信やその先への向上心につながったと思います。大学ではそうして得た価値観や考え方を通してより多くの人とかかわり、自らの好きなものを気が済むまで突き詰めて学んでいけるという環境に恵まれました。
最後にはなりますが、こうした何にも代えがたい貴重な経験をする機会をくださった財団理事長および財団の皆様に感謝申し上げます。いつか財団に恩を返せるよう、この5年間で得たものを大切に精一杯いかし今後も目標に向けて邁進していきます。