お知らせ

Iさん(Oxford University , Physics / Kingswood School出身 出身)

先日、大学最後の成績も発表され、6年間の留学生活を、財団の皆様や周りの様々な人々のおかげで無事に走り切ることができました。この留学報告書を書くのも最後と考えるとなかなか感慨深いものがありますが、特に最後の一年を中心に書いてみようと思います。

まず、学業と進路に関してですが、無事今年もFirst Class Honoursを達成することができました。去年で学士課程は終わり、今年はIntegrated Mastersの年だったため、今までと比べると試験等は少なく、成績は二つの筆記試験と修士論文の評価で決まる制度でした。講義では量子情報科学や物性物理学について学び、修士論文ではHarmonic chainという量子系の量子もつれの性質について研究を行いました。今までと比べて講義等は比較的忙しくはなかったものの、内容はかなり深く、とても歯応えのある1年間だったと感じました。研究の方も、少しずつできることが増えていく感覚が楽しく、最終的には指導教授と共著で論文も出すことができ、実りのある経験でした。長い間研究の道に進むのか就職するのか悩んでいましたが、研究活動が性に合っていることと、目標にしている企業での量子分野の研究活動にはPhDが大事であるということもあり、来年からはOxfordで引き続き博士課程に進むことに決めました。研究内容としては、超伝導物質を利用した量子コンピュータの研究で、最先端の技術に関われることがとても楽しみです。将来的には、量子技術をどのように社会で活躍できるか、日本の研究にどう貢献できるか等をじっくり考えていきたいと思っています。

学業以外では、6年間の集大成ということで、スポーツや音楽など課外活動も一層力を入れて取り組みました。続けていたフットサルも今年からはコーチがつき、技術や戦術のクオリティが一気に上がり、リーグ戦で優勝することができました。3年間ほど続けてきたバンド活動も、メンバーが多く卒業することから、今年で最後となり、100人強のお客さんの前でライブを行ったり、カレッジのCommemoration Ball(年度末の大きなパーティー)に呼ばれたりと、しっかりとやり切ることができました。どれも周りの人々の協力のおかげで実現できたことで、いかに恵まれた環境にいたのかということが強く感じられました。

6年間イギリスで過ごした中で、数えきれないほどの困難、悩み、難しい決断を、様々な人の力を借り、時には運も味方につけながら乗り越えてきました。振り返ると、一つ一つが自分を成長させる機会で、そのおかげで今の自分があると考えると、6年前にTazaki財団の奨学金を受けると決めて本当に良かったと思います。6年前に書いた広い価値観を持った物理学者になるという目標に対して、大きく前進できたなと思います。

イギリスでの留学を通して、本当にいろいろな貴重な経験を得ることができました。世界トップレベルの教育を受けられただけでなく、多様な文化的背景を持つ人々との交流を通じて人間として成長することもできました。このような機会を得られたことは、ひとえにTazaki財団の皆様からの寛大なご支援のおかげです。心からの感謝を申し上げます。人生で一番大事な経験だったと思います。今後もこの感謝を忘れることなく、頑張っていきたいと思います。