年度末の試験を終え、あっという間に大学2年目が過ぎていきました。今回のレポートでは、大学生活の中でも特に課外活動で得た経験、私がこれから取るPlacement Yearについて書かせて頂ければと思います。
大学2年目は、友人2人とのシャアハウス生活から始まりました。一緒に住む中で一年目より更に濃い時間を共に過ごす事ができました。特に、日本から来た私、中国出身だかイギリスに10年ほどいる心理学を学ぶ友人、ロシアとアメリカのバックグラウンドを持つ経済学を取っている友人との共同生活。互いの伝統料理を作り合ったり、夕食後のティータイムで深夜まで話し続けたりとても楽しかったです。全員異なる国、学問を学び、沢山の話し合いをする事で、文化の違いや世界情勢、これからについても考えて行くきっかけになりました。それだけではなく、女性同士で女性の社会進出や役割など共感する話や友人のサプライズパーティーの計画など手作りのお菓子と共に有意義な時間を過ごしていました。大学の寮にいた時とは違う、友人との関わりはシャアハウスならではだと思いました。
2年目は、1年目で沢山の事にトライした中から特に力を入れたいと思った事に盛んに活動していきました。一つ目は、カレッジの園芸活動です。毎週、寮の牧師さんと園芸ボランティアをつのり、寮の庭の手入れ、野菜作り、カカシを一から作ったりしました。入学した時より、更に沢山の野花が咲き、蜜蜂が飛びかう庭を作る事ができ感激しました。二つ目は、環境保全サークルの運営の一員としてかなり土木系の力仕事や調査に参加しました。メルタルの敷き方を学び、木の切り方、間伐の方法、巣箱作りなど、健康的な森林を守る事に必要なスキルを更に得ることができました。三つ目は、大学内外でのバイトです。社会の中で働く中で自分自身の特性、イギリスの働く環境を学ぶ事ができました。大学図書館の日本書籍の登録バイトでは正確性とカタログのシステムを学び、イベント時のバーでは素早い行動と同じバーのメンバーとの連携、コウモリの調査バイトからは専門性を。これからの経験を通して更に成長する事ができました。
大学の授業でも、地理実習を行なったスコットランドの北の島”Isle of Sky”では素晴らしいチームメンバーに恵まれました。出会ってまだ数週間しか経っていないメンバーでしたが、互いの得意や不得意を理解しながらデータの調達、整理、プレゼンそしてレポートの作成まで行いました。グループの中で自分自身の役割や自身の適性を実感し、理解する事ができる1週間でした。
これらの実地での経験を積み重ねて行く中で、私は「早く私自身が興味のあるフィールドに入りたい。社会の中で求められているものを見つけたい。」と思うようになりました。その為に、1年間イギリスの会社で働くPlacement Yearをとる事を決めました。Placement Year は大学3年目に1年間、企業に新入社員として働く事ができるプログラムです。イギリスでは沢山の企業が大学生にPlacement Yearのプログラムを用意しています。しかし、生徒自身が各会社にアプローチし、試験や面接を受けてオファーを貰わなければなりません。私は、環境に配慮した技術やアイデアをクライアントに提供する環境コンサルティングに興味があり応募しました。イギリスでの履歴書の書き方、試験の対策、面接のコツなど大学のサポートを貰いながら数十社に応募しました。コンサルの競争率は高く、心が折れる時もありましたが家族や友達に支えられやっとオファーを頂きました。国際的に活躍する技術コンサルティング会社Arupの元で水域の環境コンサル部署で働きます。帰国後の田崎忠良様、田崎ひろみ様とのお話しに勇気を頂き、まずこれからの1年間イギリスで働くという事また環境コンサルという道を学び全力で取り組んでいきたいと思います。
話題が変わりますが、今年の夏日本に帰って来て6週間知床財団の元でインターンを行いました。イギリスの環境保全や自然について学んできましたが、日本人として日本の自然や環境活動を知っていくべきだと感じインターンを受ける事を決めました。世界自然遺産である知床で、環境保全とは、国立公園の利用、ヒグマと人間の軋轢、鮭の遡上とダム問題などを現場に入って見聞きし、活動して行く事はかけがえのない経験になりました。特に、どう物事の折り合いをつけ、立場が異なる人々と話し合っていくか。これが実際に行政、自治体、住民、企業、学者の間で行われている中に入って話せたことは将来必ず役に立つと思います。知床五湖、自然センターでの受付業務から、ヒグマ対応、滝上り施設の設営、鮭の遡上調査、東大•北海道大•ウェルツブルグ工科大学の調査の手伝いそして、全国から来た子供達と何も無い中で1週間生活する自然教室。沢山の方々と出会い、話し合う事ができました。イギリスと日本の自然、保全の違いや何がこれから重要になっていくのかを少しだけですが見極める事ができ、この経験を元にイギリスでも取り組んでいきたいと思います。
この1年間、支えてくださった先生、友達、家族そして財団の皆様。本当にありがとうございます。これからも、様々な事に挑戦しながら成長していきたいと思います。これからもよろしくお願いします。