お知らせ

Kさん(University College London, Economics / Kingswood School出身)
UCL経済学部での2年目を修了した。Japan Society 代表としての活動、就職活動、興味のある分野(脱炭素)のベンチャー企業での長期インターンシップに力を注いだ1年だった。今回のレポートではその中の就職活動について報告したい。

大学後の進路は可能性に満ちている。Where, with Whom, What, How これら全ての問いに対する答えを自分で決めることができる。思えば留学してからの期間は自分の「好きなこと」「得意なこと」を見つけ、その能力を伸ばし、それらと社会で求められていることが重なる部分を見つけ、人生を通じて成し遂げたいことを見つけるために足掻いてきた。最終的な答え、私の将来の夢については、最後の一年を過ごした上で最後のレポートに記すこととし、本レポートには就職活動の具体的なスケジュールや選考の内容についてまとめたい。なお、業界や卒業年、個人の状況によって異なる部分も多いため、あくまで参考程度に読んでいただければと思う。このレポートが情報の少ない海外大生就活における後輩の一助となれば幸いに思う。

私が受けた戦略コンサルティングファームや総合コンサルティングファーム、総合商社は国内学生用の選考とは別に海外大生用の選考を実施していた。しかし、企業によっては国内学生と同じ選考を受ける必要があり、帰国時期や応募スケジュールなどに注意が必要だ。また、海外大生選考の中でもキャリアフォーラム等を通じた対面での選考とオンライン選考を実施している企業があり、その形態は年によって変化する。私が受けた25卒選考では業界ごとに以下のような選考が設けられていた。


【外資系戦略コンサルティングファーム】

インターンシップ選考と本選考を実施

(インターンシップ選考)

時期:卒業年の前々年8月から10月にかけて選考が始まり、12月までに結果が出る。(2025年9月卒業の場合、2023年12月までにインターンシップ内定)インターンシップ選考に受かった場合、翌年の夏(卒業年の前年の夏)に2ヶ月ほどのインターンシップに参加できる。インターンとしてのパフォーマンスが良かった場合、内定となる。

選考形態:基本的にオンライン。ボストンキャリアフォーラムに出展する企業もあるが、オンラインでの参加も可能であるためキャリアフォーラム参加は必須ではない。

選考内容:ES、webテスト(一般的なwebテストを実施する企業もあるが、企業独自の問題解決能力を測るテストも実施されている。ファームによって形態は様々で、それぞれに対して対策する必要がある。)ケース面接(複数回)、人物面接

(本選考)

時期:卒業年の前年6月から10月にかけて選考が始まり、12月までに結果が出る。(2025年卒業の場合、2024年12月までに内定)

選考形態:インターンシップ選考と同様

選考内容:インターンシップ選考と同様、面接の数がインターンシップ選考よりも増える。


【外資系総合コンサルティングファーム】

時期:各社様々な選考スケジュールを設けているため、都合の良いタイミングで選考に参加できる。ファームによっては何度も受けることができる。早いものでは卒業年の前々年の夏(9月ごろ)に選考が開始し、最も遅いタイミングでは卒業前年度のロンドンキャリアファーラム選考に参加できる。つまり2025年9月卒の選考が2023年夏〜2025年の4月の間に複数回実施されている。

選考形態:オンライン完結の選考、ボストンキャリアフォーラム、ロンドンキャリアフォーラムでの選考が行われており、状況に応じて選ぶことができる。

選考内容:ES, webテスト(一般的なもの)、グループディスカッション、ケース面接、人物面接、(ディナー:キャリアフォーラム選考のみ)


【総合商社】

時期:各社様々な選考スケジュールを設けられているため自分の都合の良いタイミングで選考に参加することができる。早いものでは卒業年の前々年ボストンキャリアフォーラムで選考が実施される。8・9・10月入社選考だけでなく、卒業半年後の国内大学生と同じタイミングでの入社も可能なため、国内生用選考に参加することも可能。その場合、最も遅い就職活動のタイミングは卒業年の春季となる。

選考形態:オンラインでの選考(最終面接のみ対面で実施)、キャリアフォーラムでの選考(2025卒ではボスキャリのみ。ロンキャリ出展の有無は年によって異なる)

選考内容:ES, webテスト(一般的なもの)、ケース面接、人物面接、短期のインターンシップなど。


以上が私の参加した業界の選考の概要である。私自身は卒業年前々年の夏に就職活動を始め、戦略コンサルティングファームのインターンシップ選考と本選考(2023年8〜10月、2024年8〜10月)、総合商社のオンライン選考(2023年11〜2024年1月に開始、2024年7月に最終面接対面参加)、総合コンサルティングファームのロンドンキャリアフォーラム選考(2024年4月)に参加した。各社スケジュールが異なるため、自分の志望企業を決めた上でスケジュール管理をする必要がある。似通った選考内容の場合もあるため、他社の選考で練習した後により志望度の高い企業を受けることも戦略の一つだろう。
就職活動は自分が相手企業に選んでもらうためのものと思われがちだが、私は学生が企業を選ぶ場でもあると考えている。選考でのコミュニケーションを通じて、Webサイトだけではわからないその企業の根底に根付く文化や考え方についても学ぶことができた。自分がキャリアを通じて成し遂げたい夢を叶えるために、最初の就業先として適して環境がどこなのかを判断する場として就職活動は大いに役立った。特に面接は、自分が興味を持っている業界で多くの経験を積んでいる先輩が時間を割いてくださる貴重な機会だ。面接官の方が私の興味のある分野(脱炭素社会の実現に向けたスマートシティ構築)のプロジェクトに関わっている人だったこともある。選考であることを忘れ、スマートシティの抱える課題や将来性について議論させていただいたことは強く印象に残っている。留学を通じ、どんなことも自己の成長の機会であると学んだ。それは就職活動も同じだ。
就職活動がひと段落した今、イギリスでの最後の1年は今一度視野を広げる年としたい。学年が進むにつれ、新たなことに挑戦するハードルが高くなっているように感じる。現状が満ち足りているからこそ、コンフォートゾーンを抜け出しにくくなる。大学最後の1年間、悔いの残らぬよう、新たなことに挑戦し、たくさんのことを吸収したい。