お知らせ

Fさん(University of St Andrews, Computer Science and Economics / Christ's Hospital出身)

大学3年目は、継続的な努力と結果が目にみえるようになるまでのモチベーション維持の大切さを体感しました。大学の授業もJunior Honoursとして前年度の基礎的な内容から一気に発展的なものになり、就職活動も経験し、様々な場面で成長することができた1年だったと思います。

Computer Science

Logic and Reasoning
前年度の「Computer Systems」に続き、ロジックと新しく論理プログラミングを学びました。主にPrologを使って論理システムを構築しました。

Computational Complexity
計算複雑性理論を通して「コンピューターとは何か」を理解しました。担当の先生が開発した言語を使ってオートマタを構築や、チューリングマシンの設計・分析を行いました。

前年度に比べ、授業におけるプログラミングの要素はさらに少なくなり、Computer Scienceがコンピューターとその理論を学ぶ「コンピューターの科学」であることを改めて実感しました。

Software Engineering Team Project
通年でソフトウェアの開発を行うプロジェクトに参加しました。
4つの5~6人のチームからなる21人のグループで、一つのソフトウェアを開発しました。今年度のテーマは「Wikidataの可視化」で、膨大なデータを保持するWikidataからトピックに沿ったデータを使い、ユーザーが可視化されたデータを操作できるようにするものでした。
私のグループのトピックはスポーツで、サッカーに注目し、相互作用のある4つのデータ可視化を作成しました。グループでは全世界のスタジアムのマップを作りました。
後期からはアクセシビリティに関する要件が追加され、私は色盲の人でも全ての情報を明確に見られるようにするためのカラーパレットの実装を担当しました。
その他、腕の不自由な人のためのナビゲーションや、目が不自由な人のための読み上げ機能などの実装も行いました。
このプロジェクトでは、ただソフトウェアを開発するだけでなく、アジャイル手法を使ったグループでの開発や、様々なステークホルダーとのデモセッションやプレゼンなど、テクノロジーの分野で実際の研究や働く際に使うことのできる実務的なソフトスキルを身につけることができました。
大規模なグループプロジェクトでコミュニケーションなどの課題も多く、大学生活で一番苦労しましたが、最終発表の後の達成感やチームメイトとの思い出は代え難いものとなりました。

Economics

Econometrics & Advanced Econometrics
計量経済学は、大学で経済学を学ぶ上で最も楽しみにしていた分野でした。STATAを使って実際のデータを分析し、統計の数値で世界を可視化できる魅力と、統計の限界についても学びました。

Mathematical Economics
数理経済学では、発展的な数学を経済学に用いるための手法を学びました。授業で実際のデータを使うことはなかったものの、前述の「Advanced Econometrics」に多く活用できました。

就職活動などを通じて、自分自身に向き合う時間がとても多い一年でした。今思えば、私の行動や挑戦には常にインスピレーションとなる物事や人が複数存在していたと感じます。その存在は私の原動力となり、人生の分岐点において多大な役割を担っていたと思います。また、ロンドンで女子サッカーの試合を見に行った際、小さな子供たちが6万人の観客の前でプレーする選手たちを、ロンドンの市街地で定期的に見られるようになった環境を目の当たりにし、ロールモデルの存在やインスピレーションの大切さを身をもって感じました。

今思えば、6年前の私はイギリスに渡ることなど想像もしていませんでした。そのアイデアをくださった田崎さんをはじめ財団の方々にとても感謝しています。今の生活も、様々な人に支えられ、影響を受けながら前に進むことができている環境に感謝しつつ、大学生活最後の1年を全力で楽しみたいと思います。