この夏、Durham大学法学部を卒業し、2018年夏から5年間のイギリス留学を無事に終了して、私の一つの大きなチャレンジがここに結実しました。大好きになったイギリスの生活が終わるのはとても寂しいですが、イギリスの友人たちが、See you againと送り出してくれ、これから新しいステージを迎えることを実感すると同時に、今後どのような未来が待っているのかワクワクして、楽しみにしているところです。
振り返れば、この5年間が、非常に実りのある充実したものであったことは間違いありません。本当にたくさんの事を経験し学ぶことができました。その中でもこの5年間の成果として、3点挙げたいと思います。
1.Resilience
何事においてもそうですが、特に留学して慣れない異文化の環境では、最初は上手くいかない事が大半です。しかし、そこでくじけたり諦めたりせずに、歩みを止めない事の重要さを実感しました。特に、失敗を恐れずにチャレンジし、それと同時に、陰で努力をしっかりと積み重ねることで少しずつ、しかし着実に成長できるのだということを確信しました。
例えば、A level でエッセイベースの歴史を選択した時、最初は英語で他の生徒と競えるほどのエッセイを書くことは難しいと感じました。しかし、練習を重ね、個人的に先生にアドバイスを聞きに行ったりすると同時に、知識を人一倍固めることで着実に成績は伸び、最終的にAll A*を取ることができました。大学でも、知識や理解はもちろん、更に論文を書く力を身に付ける努力を継続しました。難しいといわれた国際法の発展の少人数授業を選択し、武力行使に関する国際法に関して、様々な視点から批評をする論文を書きました。卒論では、大学2年のカナダで国際法と政治についてリサーチインターンした際の研究を更に発展させて、評価を得ることができました。このように、失敗を土台にして、チャレンジを繰り返したことは自分を大きく成長させてくれたと思います。
2.Japanese Self-Identity
留学して海外の環境に身を置いたからこそ、日本人としてのアイデンティティーと誇りを実感しました。日本について話題にされたり、質問されたりすると嬉しかったです。また、このような場合に日本人として日本の事をしっかりと説明できるように心がけました。
また、論語に「和して同ぜず」という言葉があります。人と協調しながらも、主体性を失わずにいることと理解していますが、留学を通じて、まさにこの教えを実践する力を多少なりとも身に付けることができたと思います。具体的には、多様な文化や価値観を広く受け入れて調和する一方で、自分自身を見失わずにしっかりと意志を貫く事ができました。自分らしさや、日本人としてのアイデンティティーをしっかりと軸に持っていたからこそ、真の国際交流ができ、信頼のおける友人を得られたのだと思います。
3.Friends For Life
この留学を通して、生涯大切にしたいたくさんの友人を得ることができました。カレッジや学部はもちろん、積極的にソサエティやカレッジの実行委員になった事からさらに多くの人と知り合える機会を得ました。また、大学代表のバドミントンチームソサエティ、大学3年生ではバンドのキーボーディストとしてパーティーやカレッジのイベントで演奏したこともとても充実した、楽しい経験になりました。アカデミックな面では、国際法協会を立ち上げて副会長を務め、カレッジの国際ソサエティの幹部になることで、非常に幅広い分野で様々な人と絆を深められました。自分の視野や経験の幅が広がると同時に、大切な友人をたくさん得られることができたのはとても恵まれていたと実感しています。また、2年間シェアハウスをした友人たちはもちろん、高校時代の友人、ホストファミリーとはまだ変わらず繋がっています。このように、離れていてもずっと繋がっていて、気兼ねなく頼りにできる友人たちが世界中にいることは、これから先も私を支えてくれる大切な心のよりどころになると確信しています。
以上3点を特にこの5年間の成果として挙げました。その上で、日本人としての誇りを持ち、かつ多様な文化や価値観に柔軟に対応できる国際人としての土台作りができたこの5年間の経験をどう活かしていくかは、今後の自分自身にかかっていると身が引き締まる思いでおります。これからも失敗を恐れずに、より一層挑戦を重ねていくつもりです。そして、今後の一つずつの挑戦が結実できるように丁寧に真摯に取り組んでいく所存です。今後は、これまでの経験を最大限活かして社会に貢献できる国際人として働くために、全力を尽くして参ります。
最後になりましたが、この5年間Tazaki財団の田崎理事長をはじめ、事務局の皆様、そして私を応援して下さったすべての皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。