お知らせ

Mさん(Lancaster University, Biochemistry / Christ's Hospital出身)

2020年度は予想もしていなかった形で始まり、新しい常識と日常が定着しつつある中で幕を閉じました。
私の大学の1学期もほぼ全てがオンラインで行われ、実験の回数も大幅に減りました。しかしそんな中でもLancaster University のBiochemistry のコースは内容が非常に濃く、想像以上の忙しさで課題や予習、復習に追われる日々が続いていました。机に向かうというよりかは、パソコンと向き合う時間が格段に増えましたが、パブリックスクールや高校での授業形態とはもちろん全く異なり、レクチャーやワークショップを通して、微生物学、細胞学、有機化学などを中心に自分の学びたい分野を極めることが出来て、学ぶことの楽しさを改めて感じました。
レクチャーは生物も化学も事前に録画されたものを見て予習をし、生物はさらに同じ内容のオンタイムのレクチャーとグループワーク形式のワークショップなどが、化学は化学構造の3Dモデリングや実際に問題などを解くワークショップが用意されていました。
また、全ての実験において実際の論文のようなレポートを書く機会が増え、教えてもらう受け身の立場から自ら見つけ導き出した答えを自分なりに解釈して形にできるような立場に変化してきました。
今回のコロナウイルスによる世界的なパンデミックでどれだけ医療という分野がこの世界全体の平穏な生活を続けるために必要不可欠なものなのか再確認させられたと共に、今私が進もうとしている生化学という学問が世界をより良くするための広い可能性を秘めていることに期待が高まりました。
Christ’s Hospitalで卒業時に頂いたBiology prizeとChemistry Prizeは今そんなBiochemistryという分野に進み始めている私に自信を持たせてくれるものでもあり、中学生の頃から変わらない、製薬やワクチン開発に携わる大きな夢を後押ししてくれています。
コロナ禍での大学生活のスタートは決して簡単なものではありませんでしたが、イギリスでこのパンデミックを経験したからこそ、より一層将来の夢への気持ちや覚悟のようなものが強くなりました。なんてことのない平穏な日常の有り難みを身に染みて感じたからこそ、これからの世界に先進国だけではなく発展途上国など世界全体に医薬品開発で貢献し、人々の日常に笑顔をもたらせる人間になろうと思います。まだまだ私の旅路は始まったばかりですが、一歩一歩踏みしめて感謝の気持ちと謙虚さを忘れずにこれからも精進していきます。