お知らせ

Iさん(University of Cambridge, Engineering / Kingswoodschool 出身)

昨年 10 月から大学1年生としての生活を始め、あれよあれよという間に2年生目前となりました。大学生活は、勉強に関しては気の抜けない場面ばかりですが、それは居心地の悪いものではありません、生活の場面も含めてむしろ居心地がいいのです。この居心地の良さはなぜだろうと考えた時に思い浮かんだエピソードがあるので、今回はそれを紹介します。

5月頃、対面の実験後に私含め3人の実験グループの仲間と帰路についていました。ポーランド出身の男子、シンガポール出身の女子、そして私の3人です。喋りながら歩いていると、道路の反対側を歩いている Pembroke college の同学年の工学部生 12、3 人が歩いているのが目に入りました。その中に女性が 2 人しかいないことに私達は気づき、あれ?と違和感を感じました。私達の実験グループの男女比は1:2、一学期にあった Exposition という11 人の少人数クラスは、Lucy Cavendish, St Edmund’s, Wolfson, Murray Edwards というコレッジ編成の影響で、男女比が5:6です。そのため、私達は、工学部全体でみると女性に比べて男性が圧倒的に多いということを忘れていました。「うちら感覚バグってたね!」と3人で苦笑いしました。

先のレポートでもお話したように、私の在籍している Lucy Cavendish College は私の学年までは女性のみのコレッジです。同じ寮の仲間たちもそれぞれの学部で鍛えられている様子で、集まれば楽しく闊達に意見を交わします。性別の違うゲストがいてもそれは変わりません。また、今年の春から参加している Anglo Japanese society の committee では、男女関係なく好きな役職に就き、各々が貢献しようと努めています。

大学生活全般を通して、私は女性であることを意識せずに勉強、生活できています。しかし、工学部、さらには STEM 業界を見渡すと、そこを形成する要素が男性性に偏っているという事実が、現実としてあると思います。そういった現実世界の厳しさがある中で、その偏りと離れた環境で学生生活を満喫できていることは幸せなことだと感じました。

二十歳になり成人したといえども、まだまだ周りの人に支えられっぱなしです。また秋から新たな荒波に揉まれ、時に溺れては学友に蘇生されつつ、この大海をしぶとく泳ぎ切りたいと思います。