お知らせ

Wさん(Oxford University , Economics and Management / Kingswood School 出身)

2022年7月を以って大学を卒業し、5年間の留学生活も終わりを迎えました。今回は、大学3年生として過ごした1年間及び、5年間のまとめについてご報告したいと思います。

私が所属していたEconomics and Managementという学部では、選択科目によっては3年生の1学期で授業を取り終え、残りの期間は3学期後半にある卒業試験に向けた勉強に専念することができます。私の場合もこのケースに当てはまり、1学期に以下の科目を履修し、2?3学期前半は試験勉強を進め、3学期後半に卒業試験を受けました。

【1学期に履修した科目】
・Econometrics
・Money and Banking

したがって、毎週課題の締め切りに追われる生活は2021年の冬が最後でした。3学期にある卒業試験は2、3年生で履修した全科目が試験範囲だったので、冬以降は地道に復習をし、試験対策を繰り返しました。時は流れ、2022年5月末から試験期間が始まり、ひとつあたり3時間半の試験を、約3週間に渡って8個受けました。私の学年は、オンライン授業の期間が大学3年間のうち大半であったため、試験もオンライン形式が取られ、試験は全て寮の部屋で受けました。問題形式はそれぞれの科目によって違うものの、エッセイ3?4本、合計4,000?6,000語になる量を一回の試験時間中に書き上げるのはかなり負荷が大きかったです。試験で問われるのは、内容の理解力、応用力、独自性のみならず、読みやすさまで含まれているため、いかに早く論点を整理し、構成を工夫し、早く正しく綺麗な英語で書き上げるかが勝負でした。結果的に、心身の健康を保ったまま、無事試験を終えることができ、納得の行く成績で大学を卒業することができました。

大学3年生の1年間は、周りの人との触れ合いに救われたことがとても多かったです。オックスフォードの街は、試験期間が近付くにつれて、徐々に空気がぴりつくような気がします。街の至る所で騒音に関する注意書きがあったり、図書館が普段よりも混んでいたり、道では試験に関する話がよく聞こえてきたりします。そんな中、必要以上に試験に対して神経質になることなく、適度に休息を取りながら試験勉強を乗り切れたのは、確実に周りの友人たちのおかげでした。一緒に図書館に勉強しに行くとキリが良いところでご飯を食べに外へ出たり、夜中に図書館で勉強している友人と差し入れを渡し合ったり、勉強から少し離れると決めた日は少し遠出してリフレッシュしたり、今思い返すと、このような出来事があったからこそ勉強が難しくても最後まで走り抜けることができたのだと心から思います。勉強以外で何かがあった時にも、周りの人との揺るぎない信頼関係があったおかげで、いつかはなんとかなる、と全く迷うことなく信じるきることができました。時にはプレッシャーを感じることもありましたが、それさえも楽しんで学問に没頭した時間は何にも変え難い宝物になりました。

これまでの5年間を振り返ると、真っ先に思い浮かぶのは、月並みではありますが、支えてくださった方々への感謝です。もしも5年前に戻っても、私は迷わずに同じ選択をしてTazaki財団の第一期奨学生に応募します。100回繰り返せば100回とも違う結果になると思うくらい、私の留学生活は偶然と運とタイミングに支えられていました。留学当初掲げた「世界中の人と対等に渡り合える確かな国際感覚を持った日本人になる」という目標、そして、大学進学時に掲げた「多様性の豊かなコミュニティーにおいて自分の役割を見つけ、人と人とを繋げられるようなバランス感覚を持った人になる」という目標を達成するために頑張ることができたのは、ひとえに環境を整えてくださった方々、支えてくださった方々のおかげでした。

このように、5年間の留学生活は、言葉では表しきれないほど私にとって幸運な出来事の連続でした。大学を卒業し、夏からは東京で社会人になります。これからは、お世話になった方々への返しきれない恩を胸に、自分なりの形で社会の一員としての責任を果たし、恩返しをしていきたいと思います。これまで本当にありがとうございました。