お知らせ

Tさん(University College London , Mathematical Computation / Christ's Hospital 出身)

2023年6月の試験をもって、僕の4年間の大学生活が終わりました。今回のレポートでは、大学4年生のこの一年の勉強を振り返りまとめたいと思います。

大学の学部が三年間で終わるイギリスにおいて大学4年生はおかしな響きなのですが、まずはこのことについて説明します。
スコットランドを除くイギリスの大学はほとんどの場合三年で学部が終わり、一年で大学院を卒業します。なので、本来は僕の大学4年目は大学院の1年目となります。実際、僕はこの卒業で修士の資格をもらえます。ところが僕は、学部を修了したらもらえる学士の資格を持たずに4年生になりました。これは僕が選んだコースの仕組みが理由です。
僕のコースは「MEng Mathematical Computation」という名前です。最初の「MEng」はMaster of Engineering の略であり、修士であることを表しています。入学の時点で修士を取ることが決まっており、3年が終わったときに卒業しようと思ってもできないコースとなっています。MEngコースの特徴として、学部の勉強から大学院の勉強が連続的につながっているということがあります。大学3年生の段階から大学4年生で本格的に勉強したいことを見据えて授業を選択でき、4年目の授業によっては必須となる授業を選択することなどもできます。学部と大学院がわかれていないことで、後半の二年では自分のやりたいことに集中して勉強することができます。
このように、大学院に進むタイミングが明確にないため大学4年生という表現となるのです。

僕が選んだコースは「Computer Science Department」の中のコースなのですが、このDepartmentの生徒は最終学年になると「Final Year Project」というものに取り組む必要があります。これは教授のもとにつき、研究やプロダクト開発を一年かけて行うものになります。日本のゼミとは違い、生徒は研究室などに入ることはなく一人で進めていくものになります。担当の教授と相談する頻度も人によって様々です。僕の場合週に一回会っていましたが、これは多いほうだったと思います。内容も様々で、基本的には担当教授から提示されたリストから選ぶ生徒が多いですが、自分のやりたいことを教授に伝えて許可が出た場合はそれでも問題ありません。研究を選んだ場合もプロダクト開発を選んだ場合も、最後はレポートにまとめて提出となります。研究の場合は学術論文に近いものとなります。これに通常の授業を含めたものが4年目の勉強内容となります。

4年目の授業は当然今までよりも専門的になり難しくなるのですが、説明したように3年目から4年目は連続的につながっているためいきなりついていけなくなるようなことはありませんでした。またFinal Year Projectを行うぶん、授業の数が減るので忙しさが大きく変わることもありませんでした。
これは僕個人の話なのですが、大学三年目までチームでプロジェクトを進める授業をほとんど取ってこず、四年目でそのような授業を複数取ったので慣れておらず苦労しました。その分楽しくもあったので、もっと取っておけばよかったと思っています。

最後に卒業式のことです。大学が終わるのは最後のテストの日(5月の末から6月の半ばの間がほとんど)なのですが、卒業式は9月に行われます。その時期はロンドンにいなかったので僕は参加することができませんでした。

以上が大学4年生の勉強のまとめです。MEngと通常の大学院の違いなどわかりづらいことも多いのですが、なんとなくでも4年目のことについて理解してもらえると嬉しいです。