
4月後半から7月にかけてのSummer Termは、CHでの生活に完全に慣れたことで時間にも余裕が生まれ、自分自身を見つめ直す時間を多く持つことができ、この1年間で積み重ねてきた経験や変化を改めて実感した学期でした。このレポートでは、学期の初めに掲げた目標を振り返りながら、この1年が自分にとってどのようなものだったのか、CHで何を得たのか、そして今後どのようなことに取り組んでいきたいのかについて考えていきたいと思います。
1年前に書いた最初の報告書を読み返した際、そこに「もっと自分自身について知りたい」と書いていたことに気が付きました。
CHでは、毎日が非常に忙しく、多くの機会や役割がありますが、放課後をどのように使うかは自分自身で選択します。音楽の練習をするのか、授業の復習をするのか、友人と過ごすのか、運動をするのか、それともゆっくり休むのか。その一つ一つの選択が、自分自身と向き合う時間を与えてくれました。
今学期は歌の実技試験がありました。歌はイギリスに来てから始めたもので、当日は風邪をひいてしまい、万全の状態で臨めませんでしたが、無事に合格することができました。試験では、ミュージカルや聖歌、牧歌など4曲の披露に加え、初見歌唱、リズムの反復、拍子の識別、強弱・テンポ・音楽様式/時代の聴き分けなどを含む聴音テストが主な内容となっています。一定のレベルまで到達したことを証明できる結果を得られたことに、とても達成感がありました。新しく始めたことでも、授業外でも発声練習や曲の練習を継続することでで少しずつできることが増えていくのだと実感できた経験でした。
今学期で最も大きな出来事の一つは、International Rep Leadという役割に選んでいただいたことでした。各寮から一人ずつ選ばれるInternational Representativeをまとめる役割で留学生の生徒会役員に相当します。月一のリーダーミーティングへの参加や先生方との面談、2週間に一度行われるInternational Rep Meetingの司会などを担当しています。応募した理由は、挑戦することを恐れないという思いと、もっと学校に関わりたいという純粋な気持ちからでした。そのため、先生から選んでいただけたことは自分自身にとっても大きな驚きでした。
しかし、結果が発表された後には、周りの生徒からさまざまな意見が出ました。私が学校への関わりが十分ではなかったとして、この役割を担うには適当ではないという趣旨の厳しい指摘もありました。この役職には学生だけでなく先生方とも積極的にコミュニケーションを取ることが求められ、信頼関係が重要とされます。
これほど多くの批判を一度に受けた経験は初めてでした。最初はすべてをそのまま受け止めてしまい、落ち込むこともありました。しかし、時間が経つにつれて、自分の成長につながる建設的な意見と、必要以上に自分を否定してしまうような意見を区別し、冷静に受け止めることの大切さを実感しました。また、自分では「挑戦してみたい」という気持ちから応募した一方で、周囲から見た自分にはまだ成長できる部分があることにも気付きました。自分自身を理解するためには、自分の内側を見るだけでなく、他者から見た自分を知ることも大切なのだと思います。まだこの役職に慣れていないことばかりですが、自分らしさを忘れずに、毎回全力を尽くしたいです。
また、自分の興味や過ごし方にも大きな変化がありました。何も予定がない時間には、自然と本を開いてしまうほど本を読むようになり、周囲から「bookworm」と呼ばれるほどになりました。先生から「少し読みすぎではないか」と指摘されるほどで、自分でも大きな変化を感じています。特に、図書館や心理学の教室には興味深い心理学の本が数多くあり、読むたびに新しい発見があります。
この1年、多くの学びがあった一方で、自分の核となる部分は変わっていないことにも気が付きました。それは、どのような状態の自分も自分自身として受け入れようとする姿勢です。
以前は、成長することとは、できないことをできるようにしたり、常に前向きでいられるようになったりすることだと思っていました。しかし、成長とは必ずしも「より強い自分になること」だけではなく、自分の弱さや不調も含めて自分自身を理解することなのだと考えるようになりました。調子が良い時も悪い時も、それが自分自身です。調子の悪い自分を否定するのではなく、その状態も自分の一部として受け入れられるようになったことで、以前よりも前向きに物事に向き合えるようになりました。
今後も自分らしさを大切にしながら、物事を前向きに捉えるだけでなく、現実を冷静に見つめる姿勢も忘れずにいたいと考えています。そして、新しいことに挑戦する気持ちを持ち続け、多くの方々との出会いや経験を通して、さらに成長していきたいと思います。CHでの最後の1年は、周りの人から「すぐに過ぎ去ってしまう」と言われています。だからこそ、これまで以上に一日一日を大切にし、その時間を思う存分味わっていきたいです。
この「新しいことに挑戦したい」という気持ちは、夏休みの経験にもつながりました。King’s College Londonのサマースクールでは、心理学や認知科学を学び、これまでA-level心理学や読書を通して興味を深めてきた分野を、大学という新しい環境で実際に学ぶ機会を得ることができました。これまで「自分について知りたい」という気持ちから始めた心理学への興味が、今では「人間についてもっと知りたい」という学問的な関心にもつながっています。
また、Oxbridgeのサマースクール、TOPSでは、目を見張るほど美しい建築とアカデミックな雰囲気に包まれたOxbridgeに滞在することができ、一生に一度の大切な経験となりました。夏休みが明けた最初の週からpredicted gradeを決める試験があるため、それぞれの大学で勉強できたことは、大きなモチベーションにもなりました。これまで興味を持ってきたことを実際の大学という環境で学び、将来の自分を少し具体的に想像できたことも、この夏休みの大きな収穫だったと思います。今までで一番充実した夏休みといっても過言ではない日々を過ごすことができました。
この1年を通して、新しいことに挑戦すること、他者からの意見を受け止めること、そして自分自身の弱さも含めて理解することの大切さを学びました。1年前に「もっと自分自身について知りたい」と思っていた自分は、この1年を通して少しずつその答えを見つけることができたように思います。これからは、自分を知るだけでなく、その自分を受け入れた上で、自分自身で選択し、新しいことに挑戦していきたいです。
このような多くの経験をすることができたのは、日々支えてくださる方々のおかげです。これまでの1年間の支援に改めて心から感謝するとともに、CHで過ごす最後の一年も、一つ一つの出会いや経験を大切にしながら、自分らしく過ごしていきます。