「英国留学への給付型奨学金がある、しかも5年間らしいよ」
このことを耳にしたときの衝撃と興奮は忘れられません。財団のウェブサイトに飛び、先輩方の留学報告書を読み漁ったのがちょうど2年前。当時ははるか遠くにあるように思われたTazaki生としての留学が、今こうして実現するというのは不思議な思いです。
留学が決定してから、「中高一貫校を出ていくなんて勇気があるね」「怖くないのか」といった声をかけていただく機会が何度かありました。自分としては、この留学は“勇気ある決断”とは少し違うように感じています。合格をいただき、英国に行くことだけを願っていた自分には、応募前や応募中に日本の学校への未練や迷いが生まれることは全くありませんでした。(日本の学校も、自分に海外大を目指すきっかけを与えてくれた素晴らしい場所でした。)ただ、自分を包むすべてが新しい世界、自分の常識を覆してくれるような日々、そしてもっとわくわくする人生を求め続けてきた結果、この英国留学に辿り着いたのだと思います。
もちろん、ここからが自分の冒険の始まりです。将来的な目標は、特定の国に縛られずに世界中を飛び回り、多様な文化や価値観をもつ人々と共に働くことです。ざっくり言えば、やはり刺激的な世界で自分の能力を活かすということになります。この留学を通して、新しいもの好きで興味の範囲が広いという自分の長所を生かし、自身の糧となるだけでなく、他者に還元できるような学びを得て帰ってくることを約束します。
5年間の留学を終え、再びこの出発前メッセージを読み返すとき、自分はどんな人間に成長しているのか。どんな考えを持ち、5年前の自分の率直な思いを読んでどう感じるのか。まるでタイムカプセルのようで楽しみです。
最後に、このような素晴らしい機会を与えてくださった田崎理事長、そして日頃から支えてくださる財団の皆様に、心より感謝申し上げます。私を第9期生として選んでいただいたそのご期待に応えられるよう、これからも精進してまいります。さらに、九段中等の先生方や友人たち、そして常に見守ってくれる家族の存在にも、改めて深く感謝しています。
新しい環境を、存分に楽しんできます!