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Oさん(男生徒)県立浜松北高等学校出身

夏休みが始まる前は「長い夏が来るなぁ」と楽しみにしているのだか長すぎて一抹の不安を感じているのかよくわからない感想を抱いていましたが、フタを開けてみると夏休みが長すぎることは微塵もなく、レポートを書こう書こうと思っているうちに、夏休みも気づいたら最後の追い込みです。以前散髪に行った際に夏休みの予定を聞かれ、サマースクールが二つ入っていると言うと、せっかくの夏休みにわざわざ勉強といって笑われましたが、どうしてどうして非常に有意義な夏を過ごしています。イングランドは熱波に見舞われ寝苦しい夜が続いていましたが、スコットランドに帰ってきたらあちらでの暑さが嘘のようで、もう肌寒い季節になってきています。とはいえこちらはこちらでもう皆さん長袖長ズボンに身を包んでいて、未だ半袖半ズボンの僕はどうやら季節に取り残されていそうです。

もう大分前のことに感じられますが、5月には無事チームに選抜されてSIPRに参加しました。レース自体はセーリングとクロスカントリーランニングで構成されているのですが、僕は船の上ではあまり役に立たなかった気がしてなりません。というのも、僕はレース初日に自分の担当するルートが回ってきて、全力を出し切ったせいだと思いたいのですが、船酔いでほとんど横になっていたからです。船酔いについては我ながら情けないと思う一方で無事に自分の役割を果たしたからこその船酔いだという思いもあり、自分での評価はどっちつかずといったところです。肝心のランニングの方は勿論非常に楽しかったですが、やはり想像の上をいく過酷さでした。距離の面ではコースは想像の範囲内でしたが、一気に700mの丘(これが丘と言えれば、の話ですが)を登るのが本当に大変でした。斜面が一直線になっているので、頂上に登り詰めるまで水平な足場で足を休めることができません。このときほど水平な地面を恋しく思ったことは人生でなかったように思われます。何度も何度も偽の山頂に出くわし、最後には四つん這いで何とか這い上がりましたが、山頂から周囲を望むと見渡す限りどこにも人工物がなく、何とも言えない爽快感を感じました。同じ景色をまたもう一度…とは今のところは言いませんが自然だけが目の前に広がる光景を見るためには多少の苦労は厭わない気持ちになりました。と、ここまでがレースの半分です。「行きは良い良い帰りは怖い」などといいますが、本当のことで、上りよりも下りの方が体に負担がかかり、最終的には両足の内ももがつってしまうことと相成りました。とまあこのレースが大変だったことの説明のように聞こえてしまいますが、やはり思い返せば思い返すほど本当に楽しかったと感じています。結果はジュニアの部で優勝こそ逃しましたが、セーリングの時間を除外した、走っていた時間の短さで数年来のトップを獲得し、約九か月の努力が実ったと思っています。

夏休みはJohn Locke InstituteとTOPSの二つのサマースクールに参加してきました。どちらもスケジュールが目白押しで、退屈だと感じることが全くありませんでした。John Locke Instituteのコースでは、午前中はホールでレクチャーを受け、午後は少人数のグループディスカッションがありました。非常に興味深いものでしたが、一部の参加者とはどうしても意見が合わないことが存在し、その原因を考えていると、彼ら彼女らには迷いがないという考えに至りました。もう自分の方針が決まっていて答えが一つに定まらないような問題でも既に確たる自分の意見が存在しているという訳です。しかし、やはり世の中はそこまで単純ではないと思いますし、単純ではないから人生が楽しいものになると思います。自分の中でこうだと言い切れない迷いがあるからこそ、人はより多くの知識や知恵を求めるのだと考えます。さらに、今はまだ分からないということもこれまた意見であるということに気づきました。今までは意見について聞かれたときに極端な見解を述べないと意見として認められないと思っていましたが、どちらの立ち位置も理解しているが、それでもバランスを保つことが大切だと考えることも意見であると思うようになりました。また、John Locke InstituteとTOPSのサマースクールを通じて、英語で考えることが増えたからでしょうか、英語の文章を読むスピードが格段に速くなったと感じています。僕の中では、ある言語で書かれた書籍が斜め読みできるようになれば一端のものだと思っています。今までは英語で文章の内容をざっと把握することがあまりできずにいましたが、最近急激にその能力を身に着けてきている感じがあります。と、言ってはみてもページをめくる速度はあまり向上していないような気はしますが、一ページ毎の単語数が増えたのだろうと自分を納得させています。これから最終学年が始まり、新しい寮に移動します。友人と再会できることが楽しみなのは言うまでもなく、部屋に水回りがついていることが非常に楽しみです。これで水分不足になる可能性がぐっと下がりそうです。まあ今年もこまめに水道に水を飲みに行っていればよい話ではあったのですが。それでもやはり新しい一年に心躍る気持ちが高まっています。学校が始まるのがもう待ちきれなくなってきています。

最後になりますが、このような本当に素晴らしい機会、そして何と言っても非常に充実した一年を与えて下さったTazaki財団の皆様には心より感謝申し上げます。次の一年をさらに良いものにするために、そしてさらに自分に磨きをかけるべく研鑽を積んで参ります。これからもどうぞよろしくお願い致します。