お知らせ

Oさん(男生徒)県立浜松北高等学校出身

  1月は行く、2月は逃げる、3月は去る、などといいますが、4月もこれと大差なく、早いものでもう過ぎ去ろうとしています。スコットランドは長い冬が終わり、ようやく春の訪れを感じる今日この頃です。といってはみても、良い天気もそっちのけで僕はこのイースター休暇明けのテストに向けて図書館に籠る日々が続いています。やはり圧倒的に時間がかかるのはエッセイ教科である歴史と経済です。どちらも限られた時間内に自らの知識をベースに論を展開しなければなりません。それなりにストレスがかかることは勿論ですが、出発前に書いた「話を有限に収める」ことについては、良い鍛錬になっているのかもしれません。それでもやはりエッセイを書き終えた後にあれも入れればよかった、これを書けばよかったなど毎度毎度後悔の種は尽きません。ここからの道のりはまだまだ長そうです。
  とまあ勉強三昧のタームを過ごしたのかというと、それも当たらずといえども遠からずといえるのかもしれませんが、まったくもってそうという訳ではありません。今学期はハーフターム休暇中にオーストリア人の友人の家に泊まって一週間スキーに明け暮れました。と偉そうなことを言ってはみましたが、人生17年目にしてやっと2回目のスキーで文字通り恐る恐る滑っていました。スキー以外には日本に帰国して以来3年ぶりの本物のドイツ語を聞き、どこか見覚えのある山々を見て、僕の心の原風景はここにあるのかと再確認し、少し感傷的な気分にも浸りました。他にもSIPR(3日間に渡って行われるセーリングとトレイルランニングのレース)の代表に選ばれるためにハーフマラソンの練習にも励みました。トレーニングの成果もあり、無事に学年2位タイでゴールし、第一次選考は突破しました。年度当初は5kmと聞くだけで果てしなく続く道を想像してガックリ来ていたことを考えるとなかなかの進歩を遂げたと思います。しかし、まず選ばれた8人が休暇明けに6人の最終的なチームに絞り込まれるので、この休暇中も、常に順風満帆とはいきませんが、着々と毎週のノルマをこなしています。あとは努力が報われることを願うのみです。
  閑話休題、ここに質問という概念があります。これが古今東西、斯くの如しといった普遍的なアプローチがあるのかというと、これがそう簡単ではありません。もともと英国では質問をすることが多いのはおぼろげながら分かっていましたが、いざこちらに来てみると誰もかれもが質問することにやはり驚きました。僕がここ数か月で気づいたのは、日本とここ英国では聞き手が「質問する」ということが話し手に何を意味するかが根本的に異なるということです。日本では質問をしないことが「あなたの話をしっかり聞いていましたよ」というメッセージになります。全て理解して質問することが何もないので、それが話し手の上手さを表すわけです。しかし、こちらでは質問をすることこそが話を聞いていたことを意味します。話の内容を理解し、それを踏まえて質問しているのだから、これが話し手へのリスペクトを表すわけです。特にどちらのスタンスが絶対的に正しいという訳ではありませんが、僕は質問をする方が好きです。やはりただ聞くだけなのとどう質問するか考えながら聞くのとでは話の楽しさと理解度が段違いです。正直なところ他人を唸らせるような質問がコンスタントにできるほど聞き上手、ひいては話し上手(?)ではないので、まだまだこれから磨きをかけていきます。
  最後になりましたが、このような素晴らしい機会を下さり、手厚いサポートもして下さっているTazaki財団の皆さん、本当にありがとうございます。これからも何事にも好奇心を持ち、日々鍛錬を続けて参ります。どうぞよろしくお願い致します。