お知らせ

Oさん(男生徒)県立浜松北高等学校出身

渡英してから既に3か月が経ちましたが、未だに自分でも果たしてあっという間だったのか、それとも着実に月日を積み重ねてきたのか、はっきりと判じかねます。何はともあれ、毎日が充実して、適度に忙しいことは確かなことです。
渡英して新学期がスタートした際は、はやる気持ちが先に立ってどうもアクティビティーを選びすぎたきらいがありましたが、それもやっと落ち着いてきました。とは言っても毎日忙しいことに変わりはなく、Chapel Choir や Economics Society, History Society などに参加しています。授業は教科数が絞られている以上、多少のゆとりはありますが、特にHistory のエッセイのための準備に忙殺されることが多々あります。ただ、それぞれの教科についての読書などに以前よりも多くの時間を費やせるのは大変ありがたいと思っています。
スポーツは、現在はスカッシュをしています。正直なところ、始めるまではただ壁に球をぶつけるあまりよくわからないスポーツという認識でしたが、いざやってみると“ただ”なんてものではありませんでした。コート全体をカバーする運動能力、壁から跳ね返ってくるボールの軌道の予測(壁は側面にも後方にもあります!)に加えて心理的な駆け引き、などとどこまでも奥が深いスポーツですっかり魅了されてしまいました。同じ球を打つという動作なのでクリケットの予行演習にもなっている、のかもしれません…。
人間関係の面でも、かなり周囲に馴染むことができたと思っています。Indulgence (土曜日の夜に外出できる機会です)で同じ寮の生徒たちと街中に行ったり、髪を切ってもらったりなど(大惨事は免れました)良好な関係を築けています。ですので、僕も彼らに馴染んだのですから今度は僕が彼らに影響を及ぼせるように機をうかがっています。
日本とは大きく異なり、こちらでは多くの生徒が学校で政治の話題を口にします。情報源がSNSであり、信憑性に乏しいことも多々ありますが、まずは関心を持つことがはじめの、そして大きな一歩だと思います。しかし、片や非常に強い政治的信条を持っていてどの政党とも賛成せず、投票もしないものから、あまり現実を顧みずにただ自らの意見を口にするものもいます。この状況を見て、僕は政治と経済は切っても切り離せない関係にあるという思いを強くしました。いくら理想論を展開したところで、現実にそぐわなければ残念ながらそれは机上の空論です。冷酷なようにも見えるかもしれませんが、経済学やモデルをつかって世界をデータ化しないと見えてこないこともあります。ですが、その一方、経済学一本でこの世のすべてが数字やデータで記述できるという考えも間違っていると思います。様々な人々の価値観や道徳観、数字にはしきれない、時に不合理な人間の行動を理解するには緻密なモデルや計算に裏打ちされた経済の側面と政治、さらには哲学の側面が絡んでくると思います。しかし、たとえそれが全てを包摂するとらえ方でなくとも、まずは地図や見取り図がなければ話になりません。日本の医学の発展、そして手術のためには解剖書、ここでは解体新書、が必要不可欠であったように。

このように渡英してからは自分が将来本当に取り組みたいこと、そして好きなことについてより深く考えることができているように思います。自らの可能性を限定するつもりはありませんが自分のやりたいことが明瞭になっていく気持ちはさらなるモチベーションにつながっています。これからも充実して多忙な、そしてときには息抜きも交えた生活をおくり、自分を磨いていきます。

最後になりましたが、このかけがえのない経験を可能にして下さった田崎理事長をはじめとするTazaki財団の皆さん、本当にありがとうございます。日々精進を続けて参りますので、これからも何卒よろしくお願い致します。