最終面接からあっという間に時が経ち、渡英まで残すところわずかとなりました。日本での思い出作りとして同級生と遊びながら、一向に進まないパッキング、部屋の片づけに母の堪忍袋の緒が切れそうで焦り始めてきたこの頃です。
先日行われた壮行会でのスピーチでは、ドキドキしながら取り留めのない話をしてしまいました。7期の先輩方の、ユーモアがありつつも、堂々としたメッセージ性のあるスピーチを拝聴して、二年間でそこまで自分を鍛えられるのだとパブリックスクールでの生活に胸を膨らませています。
Tazaki財団との出会いは、二年前のことでした。先生から学校の先輩が高2の夏からイギリスに5年間留学するという話を聞きました。当時の自分は、途中で学校を辞めるのに抵抗があり、自分には縁のなさそうな話だと聞き流していました。
しかし、昨年度面識のあった先輩が同様に留学するという話を聞き、少し親近感を覚えました。その後、学校の案内から、説明会に参加し、そこでイギリス留学に高揚感を覚えました。やはり大好きな学校を辞めるということへの葛藤はかなりあったものの、「日本のいい大学に行く」というある意味で敷かれたレールの上を歩くよりは、未知の世界に飛び込んだほうが自分のやりたいこともできるのではないかと考え、奨学生への応募を決意しました。
一次選考後のBritish Councilでの英語講習では、色々な他校の生徒と仲良く楽しく授業を受けました。その中で、個々の能力の高さや、多方面での活躍、そして何よりそれぞれの夢への熱い思いに胸を打たれました。このような同年代との関わり合いは、とても刺戟的で、今までにない貴重な経験となりました。
中間面談や最終選考では、自分の夢への思いや、なぜイギリスで学びたいのかなど、原点に立ち返って自分の考えを整理することができました。中間面談、最終選考でともに指摘された自信の無さは壮行会でも直すことが出来ませんでしたが、イギリスでの挑戦や経験を通じて少しずつ自信を育んでいこうと思います。
最終選考の後、誕生日を挟んで結果がメールで送られてきました。17歳の誕生日はおめでたい気持ちなど毛頭なく一日中ドキドキしながら過ごしました。合格の通知を頂いたときは、体中の力がふっと抜けて安堵の気持ちでいっぱいになりました。
その後、文化祭、定期試験、修学旅行などの学校行事を全力で楽しみやり切って、あっという間に出発直前となりました。
イギリスでは、自分の興味をとことん追求していきたいと思っています。私の将来の夢は、素粒子や宇宙線の分野において、世界の最先端で活躍する物理の研究者となることです。そのために、物理の本をたくさん読み漁り、現在続けている研究活動もさらに推し進めていきたいです。
また、世界で活躍するためには、教養を深めることも大事です。実際にイギリスで過ごすことで、些細な価値観や文化の違いに驚くことが多々あると思いますが、拒絶することなく理解に努めようと思います。加えて、日本ではあまり接することのなかった音楽等アートの分野にも造詣を深めていきたいです。
留学生活では、楽しいことばかりでなく様々な苦労があると思いますが、与えられる多くのチャンスを逃さず、自分から積極的に全力で参加していきます。
最後に、今回の留学でサポートしてくださった多くの方々にこの場をお借りして感謝を伝えさせていただきます。小さいときから自分を支え励ましてくれ、海外に行きたいという自分の思いに心配しながらも応援してくれ、今回の財団への応募も後押ししてくれた両親。突然学校を辞めて留学したいという自分の思いを尊重して応援してくださった先生方、友達のみんな。そして、金銭的なサポートのみでなく身の回りのサポートもしてくださる財団のみなさん。本当にたくさんの支援のもとに、今回の留学があります。常に感謝の気持ちを胸に、とことん突き進んでいく所存です。