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Mさん(男生徒) 都立西高等学校出身

渡英してからはや4ヶ月がすぎたことに驚きを隠せません。この4ヶ月は今までの人生の中で最も早く駆け抜けていったように感じます。それほどまでに新しい環境に囲まれ、今までの暮らしからの変化を身にしみて感じた充実した数ヶ月だったのだと確信しています。



最初の1,2ヶ月は、イギリスのボーディングスクールの中で生き抜いていくのに必死な日々でした。自分が一番苦悩したのはやはり英語面で、学校の先生方や友達が話している内容が最初の数週間はさっぱり分からず、グループトークで自分だけが議題をいつまでも理解できなかったり、何か話を振られたら曖昧に返事をしてしまって首を傾げられる、というような状況に陥ってしまいました。しかし、周りにいる友達が諦めずに話しかけ続けてくれたことや、9期の同期生たちにも助けられ、今はようやく少し慣れてきたかなというように感じています。というのも、夜中まで、2時間ほどAIがもたらす将来の可能性について議論したり、友達の部屋で寝落ちしたりなどという寮生活ならではの学生らしいことも経験でき、日本の学校とは違う楽しみを味わえています。毎日友達と共同生活をしてたくさん話す機会がある寮生活は本当に自分の性格に合っていると思っていて、ハーフタームや長期休みで長い間友達に会わないと早く寮に戻りたいという気持ちにさえなります。

学業面では、他の先輩方や同期たちは割と余裕を持って授業を受けられている話をよく聞きますが、僕の場合は科目によって差があります。

自分は、A-levelでMaths, Further Maths, Physics, そしてComputer Scienceを履修しています。

Maths系の教科に関しては、今までの授業はほとんど日本で学んできたことの復習という感じだったので、普段の授業は特に苦労なく受けることができています。イギリスに来てから、日本の数学の授業がいかに素晴らしくレベルの高いものだったかを再確認させられ、公式などをただの暗記ではなく、理解して応用できる段階に持っていく日本の数学を時々恋しく思っています。

Physicsに関しては、前タームの半分が日本の高校2年生で渡英までの授業で習った力学の範囲だったため、残りの半分であるParticle Physics, Photoelectronの内容に絞ることができたことが幸いでした。ただ、BiologyやChemistryほどではないですがやはりMathsとは違い様々な単語のdefinitionを問われたり、事象を段階を踏んで説明しなければいけない問題が多くあったりと、ポイントを掴んでおかないと点を取ることができない英語での記述形式の問題が難しさを感じている点です。授業自体は非常に興味深く、トピックの前半は参考動画、ちょっとした実践や先生独自のスライドショーでわかりやすい解説をしてくださり、トピックの後半部分ではたくさんの演習問題によって知識の応用や問題を解くことに慣れさせていただけるため、とても気に入っています。

Computer Scienceですが、これが僕にとっては一番ハードな教科だと今のところは感じています。これは、Physicsよりも多い覚えなければいけない単語数の多さや、問題を読み取る読解力、知識、英文を書く力が必要となる記述問題の多さに起因すると考えています。実際、前タームでは二進数の計算など単純なトピックだけでなく、コンピューターに関連する法律を学び、コンピューターに関するlegal, ethical, moral問題を扱うトピックも学び、トピックテストでは限られた時間内で5つほどの長文記述を書かなければいけないなど大変苦労しました。問題に使える知識は理解し覚えているものの、解答を書くことに時間がかかってしまい解ききることができないことが多いので、たくさんの演習を通して記述に慣れていきたいと思っています。また、Computer Scienceではcourseworkというものが存在し、自分で身の回りのコンピューターで解決したい問題を探し、Year 12の9月からYear 13の12月ごろまでという長い時間をかけてその問題を解決できるようなサイト、アプリ等を開発していくというものです。ここでは、自分のcourseworkをまとめた一つのドキュメントを制作するのですが、ただアプリなどを開発するだけでなく問題に対する調査やデザイン、アプリの評価などとにかく書くべきことがたくさんあり、それはCSのやりがいの一つでもあると同時に、英語がまだまだな自分にとってはとても大変な要素となっています。幸いなことに、多くの時間をcourseworkに費やした甲斐もあり、現在のドキュメントの単語数は2.1万語とクラストップではあるのですが、進捗はあまり順調とは言えないため、これからも気を抜かずに英文を書く効率が人より劣る分時間をしっかりとかけて行っていきたいです。

授業外でのactivityは、Orchestra, Strings Orchestra DofE (Duke of Edinburghというハイキングやボランティアをする活動)に所属しています。
特にOrchestra, Strings OrchestraではコンサートマスターというファーストヴァイオリンだけでなくOrchestra全体をまとめ上げる役割を任せていただき、非常に楽しく演奏をしています。14年間地道に弾き続けてきた自分のヴァイオリンを活かせる場所があり、非常に満足感や充実感を感じています。冬にはChristmas ConcertでOrchestraとStrings Orchestraでそれぞれ数曲ずつ演奏し、生徒、先生方、そして保護者の方とクリスマスの雰囲気を味わうことができました。
音楽関連で言うと、11月のCharity Concertではピアノが得意な同じ9期のKさんとデュオで演奏し、コンサートのトップバッターを担い無事拍手喝采をいただくことができました。コンサートを聴きに来てくれていた友達や先生方だけでなく、今まで全く話したことのなかった生徒や保護者の方々などもわざわざ対面で感想を伝えてくださり、英国の音楽に対する素直で温かな空気を身をもって体感させていただく良い機会となりました。

Charity Concertの他にも、学校が生徒向けにアイススケートや大学見学など素晴らしいイベントをたくさん用意してくださり、休日にも寮生向けのイベントがあったりなど、本当に楽しい学校生活を送れています。

ただ、やはり悩みはいくつか抱えており、まず一つ目は進路に関する問題です。英国では日本と違い、次の夏休みにはPersonal statementを書いて大学に提出しなければならないので、自分が何を学びたいのかがいまだにふわふわとしている僕は最近かなり焦っています。Computer Scienceを学びたいというのは変わっていないのですが、一言にCSと言ってもそこには様々な分野が含まれており、将来何をしたいのか、学びたいのかがいまだに掴みきれていない状況です。最近は、Physicsの授業で量子関連を扱ったこともあり、Quantum Computingに興味が湧いてきて、それに関する本を読み始めようとしています。おそらく全体的な知識が少ないことが何を学びたいかわからない一因になっていると思うので、本や自主的な学習で興味の範囲を広げ、自分に合うものを見つけていきたいです。
また、進路だけでなく英語での会話能力も大きな悩みの種です。英語に慣れてきたと言っても、ようやく寮生の友達が何を言っているのかわかるようになってきたレベルで、寮に住んでいないday pupilsとはまだまだ途中で話を見失うこともあります。また、英語で喋っている時は頭の中でも英語で考えているため、少ない単語数や至らない英語能力によって思考が日本語を喋っている時よりも制限されるように感じます(この前たまたま8期の先輩も留学したばかりの頃に同じことを感じていたと教えていただき、少し気が楽にはなりましたが)。日本語で話している時と同様のコミュニケーション能力を英語で発揮できないことがもどかしく、地道に表現の幅を伸ばす努力をしていきたいです。

そんな中でも、同期やガーディアン、そしてホストファミリーから来た時よりも英語が上手くなったよねと言っていただき、本当に嬉しくもっと頑張ろうと思えました。

ホストファミリーは、学校が始まる前の1週間、ハーフターム、冬休みと同じホストファミリーにステイさせていただいています。毎朝早起きしてジムに通うアクティブなホストマザー、個性的なホストブラザーやシスターたちは本当に面白く、ハキハキしていて明るい家庭です。先日のクリスマスには家族みんなでパブに行き、ひとしきり話した後家で懐かしのWii Sportsをプレイし、最高の思い出となりました。

最後に、僕が英国でのこのような貴重な体験をできているのは、ひとえに支えてくれている家族、友人、そしてtazaki財団の皆様のおかげです。この感謝を忘れずに、実りある英国生活を過ごせるよう精進していきます。