
オランダにあるUtrecht大学でのサマースクールを終え、イギリスへと帰国する電車の中でこのレポートを書いています。去年の今頃は、14時間のイギリスへのフライトで映画を何本見ることができるか、ワクワクしながら考えていました。イギリスで生活をすることですら夢のようであったのに、まさか一年後の夏休みには海外に一人で飛び出しているとは、この文章を書いている自分でもにわかには信じ難い話です。
このレポートを書くのも早くも4回目となりましたが、今回のレポートは書く内容に今までで一番困っているように感じます。書いては消して、書いては消してを繰り返し、この文章はすでに4つ目のドラフトという形です。この文章が皆さんがご覧になっているものであるように、と私も切に願っております。
書く内容に困っていると書きましたが、特筆すべきことがないために筆が進まないということでは決してありません。この学期も多くの新しい出来事に巡り合い、自身の今後の糧となる機会に恵まれました。その一方で、それらの出来事の中で悔しい思いをすることも多く、どのような形で自分の中でまとめるのが正解なのか、難しい部分もあります。少しずつ整理をしながらこのレポートに記せればと思っておりますので、最後までお付き合いいただけると幸いです。
夏学期はpredited gradesを決める大きな試験から始まりました。predicted gradesとは大学受験で学力の参考となる指標のことです。Christ’s Hospitalでは、夏休み明けにも全教科で試験が行われます。その点、気負いすぎることはないとはいえ、かなりの準備をして臨みました。結果としては、上手くいった教科と、上手くいかなかった教科と、半々だったように思います。まず、生物と心理学では過去最高得点を獲得することができました。特にこれまで苦戦していて、イースター休暇の大半を費やした生物でこの結果を残せたことは自信につながりました。一方で、数学と発展数学では簡単なミスが重なり、思ったように点を取ることができませんでした。数学は自分の中で安定している教科だと思っていた分、この結果を見た時の悔しさは一段と大きかったように思います。イースター休暇で生物に力を入れていた分を夏休みでは数学に回し、夏休み明けのテストでは自分の納得のいく結果が得られるように、残りの2週間も復習を続けていきたいと思います。
そのような試験が続く中で、一つの大きなニュースが私の元に飛び込んできました。それは、私がBig Bandに正式なメンバーとして参加することになったということです。前回のレポートにも書いたとおり、Big Bandは非常にレベルが高く、トロンボーンを吹き始めてから一年も経っていない私がそこに参加できることは、まさに夢のようでした。友人たちの素晴らしい演奏に触れて感化される一方で、自らの実力不足をひしひしと感じる場面も多くありました。なんとか演奏についていこうとはしたものの、より良いパフォーマンスをするというよりも、足を引っ張らないように頑張るという感覚の方が強かったように感じます。ただ、早くにBig Bandに加入し、悔しい経験をした分、もう一年バンドのメンバーとして成長する時間が残っています。勉強も頑張りつつ、一人のトロンボーン奏者として演奏に貢献できるように、今後も励んでいきたいと思います。
これらの大きな行事は少し後味の悪い形で終わりましたが、英語の上達に伴って、日々の生活は楽しさが増しているように感じます。友達とのコミュニケーションがより濃密になり、冗談も少しずつ言えるようになってきました。渡英前は6.5を取ったIELTSで、先日8.0を獲得できたことも、自身の成長を実感する機会となりました。休み中に友達と遊びに出かけたり、メッセージを送り合ったりと、日本での当たり前を少しずつ取り戻しているようにも感じます。そんな楽しい時間がたくさんあったからこそ、学期全体が嫌な思い出に包まれなかったのだろうなと思います。
5年間の留学生活の一年目を終え、多くの悔しさやもどかしさと同時に、それ以上の喜びや達成感を感じてきました。当たり前が当たり前ではなくなり、できていたことができなくなり、これまでにはなかった経験に戸惑うこともあります。ただ、それらに少しずつ向き合い、自らの成長を感じられた時にはこの留学に挑戦して良かったという言葉では表し難い気持ちに包まれます。まだ一年を終えたばかりで、来年には大学受験も控えています。これからも苦しい経験が多くあることでしょうが、自分にできることを考えて、少しずつ壁を乗り越えていきたいと思います。
最後になりますが、これほど多くの学びと成長の機会を支えてくださっている田崎さん、財団の皆さま、本当にありがとうございます。パブリックスクールでの最後の一年も、自らの成長の機会を大切にしながら過ごしてまいります。