
前回の留学レポートを書いたのがついこの前に感じられるほど、春学期は飛ぶように過ぎ去っていきました。この学期でも多くの出来事を経験し、成長したと実感する一方で、気づいたら一学期が終わってしまったような物足りなさも感じています。
この学期に起きた最大の変化といえば、副寮長になったことでしょうか。たまたま巡ってきたチャンスにとりあえずやってみようという気持ちで応募し、その立場を任せていただけることになりました。ただ肩書きは得たものの、その役割を全うできているようには感じられないことが現在の課題の一つです。日本とはまた異なったリーダー像が求められているように思えること、自らが副寮長として活動する上で十分にCHのことをまだ知らないこと、そして何よりリーダーとしての雰囲気作りを英語ではまだできないこと。良いリーダーになる上で多くの困難が付き纏っています。ただこの役割を任せていただいたからには、私が副寮長になって良かったと夏学期の終わりに寮のみんなから思ってもらえるように、自らの全力を尽くしていきます。
もう一つの大きな出来事として、Big Bandに試用メンバーとして参加できたことがあります。Big Bandというのは校内のジャズバンドで、メンバーとして呼ばれるのが最も難しいとされています。非常にレベルの高い、濃密な時間を過ごし、多くの刺激をもらうことができました。思えば、私はイギリスに来るまで、音楽に親しんだことがほとんどありませんでした。それが今ではトロンボーンを吹きたくて仕方がなく、休み時間の度にMusic Schoolに遊びに行く程です。日本の中学・高校で競技かるたという人生を通じて楽しみたいと思える趣味に出会えたように、CHでトロンボーンという新たな趣味に出会えたのかなと思っています。いつかBig Bandに正式なメンバーとして呼ばれるように、そしてその時にはしっかりと音楽に貢献できるように、これからもトロンボーンの練習に励んでいきたいと思います。
また学業面では、生物に苦戦しているということが目に見える形になった学期でもありました。生物では必要とされるキーワードを的確に抑えること、そして試験の主体となっている記述問題を時間内に解き切ることが求められます。冬学期から低得点が気になってはいたのですが、英語力の上達に伴って得点も上昇していくのではないかという淡い期待を抱いていました。ただ、いまだに大きな成長は見られず、なんとなくどうにかしたいと思うだけでは上手くいっていないというのが現状です。まずは自分の弱みを受け入れ、財団の先輩方や先生のアドバイスも参考にしながら、着実に努力を積み重ねていこうと思っています。
レポートを書いていて思い出したのですが、この学期の初めには少し友人関係に悩んでいました。少しずつ英語が話せるようになり、周りとのコミュニケーションが増えていく中で、自分は他の子を楽しませられているのかと不安に感じる時間が増えていきました。ただ今考えれば、そんな心配は全く要らなかったように思います。自分を信頼して正直な気持ちを教えてくれること、そして私の相談に乗ってくれること、少しずつではありますが、友達としての信頼関係が築かれているのかなと感じています。その一方で、周囲からの印象と自分が認知されていたい姿に未だ大きな溝があることも事実です。この8ヶ月の中で、情報を伝達する手段としての英語はかなり上達を遂げました。次は自らを表現する一つの方法として、英語を使えるようになりたいと思っています。
この学期を総括してみると、自分の手が届かないものに対して悔しさや力不足を感じてしまう時間が少し長かったように思います。CHでの生活にも慣れてきて、色々なものに触れる機会が増えたからこそ、その全てを手に入れることはできないことについ目がいってしまいました。(この話をしてくれた同期、ありがとう。自分の心の中の引っ掛かりはこれだったんだと気づけました。)
ただ、それは実はとても幸せなことなのではないかと今では思っています。2年前の今頃はTazaki財団の存在すら知らず、一生を日本で過ごしていくのだと思っていました。そして1年前の今頃は留学奨学生に選ばれ、これから始まるイギリス生活に対する期待に胸を躍らせていました。それが今では、イギリスにいることは当たり前で、その先にあるものを得ることに心を奪われています。
まずは自分に与えられた機会が当たり前ではないこと、それに対する感謝を忘れずにいたいと思っています。それと同時に、特別な機会をいただいたからこそ、自分にできる全力でそれを最大限に活かす努力をしていきます。自分が持っていないものに目を向けるのではなく、今自分にできることを考えて、自分が本当にやりたいことを実現できるようになりたいと思います。
最後になりますが、このような特別な日々を支えてくださっている田崎さん、財団の皆さま、本当にありがとうございます。自らの目標を見失わずに、Year12の最後の学期である夏学期も懸命に過ごしてまいります。