お知らせ

Sさん(女生徒)都立日比谷高等学校出身

去年の夏、私は財団の出発前メッセージで「英国で自分を最大限に磨きたい」と書きました。。

さて、1年経った今私はこの目標を達成できたのか?—「達成できたこと」「改善点/改善点を踏まえた上で来年どう過ごすか(抱負)」の2点に分けて特に今タームを振り返っていきたいと思います。


「達成できたこと」

学業面:

6月のA-levelの試験では、経済の試験で学年トップの成績を収めることができました。これが可能だったのはもちろん、経済の学問に対する大きな興味関心もありますが、やはり模擬試験を授業に沢山盛り込んでくださった先生方や彼らのフィードバック、そして私の強みである振り返り能力ーどの質問をどうして間違えたのか?次回解けるようにするにはどのポイントを押さえなければいけないのか?先生に納得するまで教えてもらい、一度間違えた問題は二度と間違えないよう徹底的に振り返った結果です。

試験後は、学校の学業面がリラックスした代わりに、2つのEssay Competitionに挑戦しました。特に面白かったのがイギリス政府の私立学校に対する税金増加の導入が社会経済的流動性に影響を及ぼすか否か?という質問に対して学校の経済の授業で習った政府の投資の行先とそれが与える経済への影響を今回は教育にフォーカスし、この税金の導入がイギリス政府の予算・負債をどう変えるか?そしてこの税金から得られる剰余金は本当にState Schoolに良い変化を及ぼすほど大きいものなのか?実際にデータを比較して分析しました。私にとって、このように学校で習ったことを実際の現場に当てはめるのは本当に面白くやりがいがあることです。このエッセイを書く上でSolow-Growthモデルを筆頭にさまざまな経済モデルに出会えたことも非常に面白い経験でした。


スポーツ:

今タームは試験期間が長かったため、陸上部に参加していたものの大会には参加せず、来年のCross Countryへの練習期間になりました。その代わり、今タームのビックイベントはTen Torsでした。4月下旬の最後の練習ラウンドで学校代表12名が決定し5月上旬の催しに参加することとなりました。07:00、英軍の銃声と共に2400名の参加者が一斉に駆け出します。1日目、テントを張ることができたのは夜10時、それまではほとんどひたすらDartmoorを歩き、丘を登り続けました。2日目は朝4時に起床、5時には歩き始めました。結果、午前11時頃に対戦相手である16チームの中で1番にゴール地点に到着し無事45マイル歩き抜きました。この2日間は今までにないほど精神的にも肉体的にも限界まで追い込まれました。しかし、チームリーダーのC君の的確なナビゲーション、家族でキリマンジャロ登山を休暇に行う信じられないほど体力のあるJ君のポジティブさ、そして練習の時から一緒に頑張ってきたCさんの存在などなど、各々の得意な部分をフル活動しチームとして最後まで支え合えたからこそ成し遂げられたことだと思います。最後の数メートル では沢山の保護者の方々がよく頑張った!と声をかけてくださり、本当に泣き出しそうでした。特に1月から、このイベントのためにナビゲーションや装備、サバイバルスキルを沢山インプットし最善の形で行事に参加できるように備えて下さった顧問の先生方には感謝しかありません。


個人の成長:

6月は自分が持っている強い無意識のバイアスに気づかされた時期でもありました。Y13に上がる我々から来年の学校代表を選ぶ選考プロセスが行われるのが6月です。私は最初、Head of House・Senior Prefect に応募していました。背中で語るーー自分のKingswoodでの活動がKingswoodでの過ごし方のオプションとして下級生に影響を与える、この方法が1年間数えきれないほどの機会を下さり、一生物の思い出を作ったこの学校に恩返しする方法だと思ったからです。しかし応募数週間後、寮母さんからもっと上の役職に応募してみないかと提案されました。私はHead Girlへの応募など、考えてみたことすらなかったため初めて提案された時は人間違えじゃないかと聞き直したほどです。私にとってのHead Girlは、この学校に長く在籍しホッケーやネットボールといった主要スポーツに貢献している生徒。そして英国人である生徒が選ばれるものだと無意識のバイアスを持った視点で見ていました。そして、私はこの無意識のバイアスが自分自身への挑戦や殻から抜け出すことを妨げていたことに気づきました。寮母さんや友達からの応援もあり最終的にはHead Girlに応募してみることにしました。副校長先生・校長先生とのインタビュー後、応募の結果は学校最終週頃に応募者全員に校長先生からの手紙で配られました。結果、私は来年のHead Girlを務めることとなりました。正直驚きでいっぱいでしたが、選ばれたからには学校に有意義な変化を与えられるよう最大限尽くし、今年私がY13の上級生を尊敬していたように、下級生から尊敬されるリーダーでありたいと思います。


「改善点/抱負」

学業面:

学業面での改善点は特に専攻科目の一つである政治にあります。エッセイ科目でもあり、全く触れたことのない内容ばかり、そしてトピックごとに何を書くか制限時間内で考え書き出さなければいけない。この作業を暗記で乗り越えてきた私は6月の試験で痛い目に合いました。覚えた内容が普遍的すぎて、ケースバイケースでは当てはまらなかったからです。この夏は、エッセイを覚えるのではなく、ポイントを覚え、そこから書き出せるように論理の連鎖をしっかりインプットしていきたいと思います。夏中に英国政治のエッセイでどんな質問が出ても答えられるように備えるのが目標です。


スポーツ:

今年はサッカー・バトミントン・ホッケー・ネットボール・クロスカントリー・陸上・バレーボール・水泳などなど様々なスポーツに積極的に参加しました。その中でも今年力を入れてきたのがクロスカントリーでした。5−6kmを一気に駆け抜ける、且つドロ沼の丘をひたすら登るスポーツなので本当にタフでした。けれど私はチームメートのFくんやHさん、また顧問の先生や今年の先輩たちが大好きです。彼らと一緒に過ごした日々は 本当にかけがえのないものでクロスカントリーコミュニティーがKingswoodでの私の居場所の一つになったほどです。来年は最高学年としてもちろん結果も出さなければいけないので夏休みにかけて練習していきますが、体力の面だけでなく精神面ー勝ち負けをどう捉えるか(とても負けず嫌いなので笑)、スポーツマンシップなど下級生に見本の姿を見せられるよう努力したいと思います。あとはもちろん私はスポーツが大好きなので、勉強と両立できる具合で沢山楽しむことです。

最後に、冒頭で述べた「今年、英国で自分を最大限に磨けたか?」の質問の答えはYESです。もちろん上手くいかないことや苦労も沢山ありました。しかし何事においても自分の最大限を尽くし、全力で全ての経験を楽しんだと断言できます。9月からはA-levelを受けるY13として、Head Girlとして、クロスカントリーの最高学年メンバーとして、様々な責任が伴う学年になります。様々なことを両立するのはもちろん大変になると思いますが、こんなに沢山の活動ができるこの機会に感謝し、全てのイベントを全力で楽しみ、悔いのないバースでのもう1年を過ごしたいと思います。

渡英して1年がたつ今、改めてこの素晴らしい機会を下さり現在もなおたくさんのサポートをしてく ださるTazaki財団の皆様に感謝を申し上げます。そしていつも私を応援してくれる家族、Yさん、そして私を支えてくれるすべての皆様に感謝申し上げます。