お知らせ

Sさん(女生徒)都立日比谷高等学校出身

留学して4ヶ月が経過した今、Kingswoodで過ごした時間を振り返ると、とても忙しいながらも充実し た日々だったと感じています。

まずは学業において、A-levelでは政治・経済・数学・発展数学を学んでいます。
政治では常にアンテナをはって、日本にいた時の何倍もの時間をかけ、日々情報収集を行っていま す。授業は毎週「今週は何が起きた?」という先生からの問いかけから始まり、出来事の背景や原 因を議論します。日々のニュースを追うのは大変ですが、現状を把握し、それを歴史や過去のイベン トに紐づけるプロセスにはどんどん深掘りする要素があって常に興味深いです。経済では現在基礎 知識を固めている段階で、需要と供給、税金や補助金、生産可能性曲線といったトピックを学んでい ます。まだ基礎の段階ですが、基礎なしにはそれらの理論を現実の世界に適用することは不可能だ と思うので、基礎固めに今はフォーカスしています。
政治経済は私がずっと学びたかったエリアであるため、このように専門知識を学べる環境を当たり前 に思わず、毎日知識・考え方をこれからも吸収していきたいと思います。

スポーツにおいては、今学期はフィールドホッケーを主に、クロスカントリー、水泳、サッカーに取り組 みました。クロスカントリーは特に試合が多く、泥の中をたくさん走りました。4kmほどの距離をアップ ダウンの激しいコースで走るのは非常に大変ですが、終えた時の達成感は何にも代えがたいもので した。クロスカントリー本シーズンは1月から始まるため、もっと練習を積み、学校に貢献したいと思い ます。また、サッカーにおいては毎週水曜の練習を通じて多くの友人ができました。たくさん練習する 中、誰に向かってでもおじけず最後までくらい付く姿勢を大切にし、プレーしています。

課外活動について、今学期は新しい体験が多く、様々なことに挑戦しました。低学年(中1中2の寮 生)のお世話をしたり、Choir(合唱部)に入ってクリスマスコンサートで讃美歌を歌いました。また、 DofEの3泊4日のトレッキングで得た友情は深く、特にHさんとは冬休みにお泊り会やアイススケート を楽しみました。様々な新しい挑戦に少し緊張したけれども、本当にこれらの活動から得られた経験 は何にも変え難い経験です。そして経験だけでなく、これらの活動をより一層有意義なものにしてく れた友人たちに感謝しきれません。本当にイギリスで友人に恵まれたなとしみじみと感じています。
しかし今学期特に印象的だったのはSocial Justice Clubでの活動です。このクラブでは、バース市内 のチャリティーアクティビティについて学び、その効果を議論したり、学校でのチャリティーイベントを 企画したりしています。人々をカテゴリー化するのは私はあまり好みませんが、例えば社会的弱者と いうカテゴリーに入る人々はどんなニーズがあるのだろう?彼らは我々そのカテゴリーに入らない人 にどのように扱われたいのか?どう扱うのが適切なのか?疑問はたくさんあります。1つという答え はないけれども、このトピックについて話し合うことは、これから社会を担っていく我々若者にとって、 どんな人でもくらしやすい、皆が助け合って生きていく社会を作る第一歩だと私は考えます。そしてこ のクラブの一環として、私はThe Life Projectと呼ばれる、学習障害を持つ成人の支援団体のティー パーティーに参加しました。ここでは学習障害をもつ参加者、彼らの両親や団体のメンバーの人との 会話を楽しみました。学習障害をもつ参加者と会話をするのは初めての経験だったので、会話する ときにどのようなことに気をつけて話せば良いか、団体のメンバーの人や一緒に来た学校のクラブの 皆を見て学びました。やはりボディーランゲージ、自分から彼らに興味を持ちオープンマインドで話す ことは会話においてとても重要なことを学びました。そしてこのスキルは実際、学習障害をもつ人だ けでなく誰とでも話すときに必要な資質であると私は考えます。日常でもこれらのスキルを使いなが ら会話できればと思います。
ちなみに彼らのビジョンは学習障害を持つ人々が自分たちの居場所を知っている包括的な世界を目 指すことであり、学習障害を持つ人々、その家族、介護者のための支援的なコミュニティを作り、その 模範となることです。誰にとってもインクルーシブなコミュニティー。今回の体験はそんな世界を垣間 見れた経験でした。

渡英して4ヶ月がたつ今、改めてこの素晴らしい機会を下さり現在もなおたくさんのサポートをしてく ださるTazaki財団の皆様に感謝を申し上げます。そしていつも私を応援してくれる家族、いつも私に 元気をくれるYさん、そして私を支えてくれるすべての皆様に感謝申し上げます。これからも長い冬が 続くでしょうがそんなどんよりした天気にも負けず、常に最善を尽くしていきます。そして将来たくさん の人へ貢献ができるよう励みます。