九月からの四ヶ月は人生で一番難しかった四ヶ月であったかも知れません。日本の家族、友達と急に離れ、一人で飛び込んだ今までと全てが異なるChrist’s Hospital という環境で、全く新しい人たちに囲まれ、言語に苦労しながら、イギリスという国に浸透しようとしてきた四ヶ月。思い描いていたようにただただ楽しい海外生活、というわけではありませんでした。
それでも一学期目を終えた今、イギリスに来たのが昨日のことのように思えるのは、新しい経験や変化に溢れる、充実した四ヶ月だったからだと思います。
自分にとって初めてで想像することも難しかったのですが、ボーディングハウスでの生活は、期待を遥かに超えるものでした。6学年計40人ほどで一つの大きな寮で共同生活、という日本では信じられないような環境の中で生活することは充実そのものです。学年関係ない仲や、朝から夜まで友達と一緒にいられるという自分にとって最高な環境です。また今学期には、寮対抗のハウスシンギングという合唱イベントと、ラグビーがあり、寮の中での結束力も上がれば、自分の寮に誇りのようなものを持ち始めています。
英語がほとんど扱えなかった自分にとって、さまざまなバックグラウンドを持つイギリスの人々の人柄はとても大きな助けとなりました。Christ’s Hospitalには、イギリスやフランス、中国・香港、アフリカ各地やロシアなど世界中から生徒が集まってきています。初めは中々人に話しかけることも難しかったのですが、積極的で外交的な人が多く、すでに寮や学年関係なくとても多くの友人に恵まれています。
壮行会でのスピーチでも触れましたが、自分の人生に欠かせないものの一つがスポーツです。アクティブという部活のようなもので、今学期はラグビーを週3回、サッカーを週一回しました。
ラグビーは自分にとって初めてでしたが、ほとんど毎週末のように試合も組まれていて、とても楽しめた上、小さい頃からずっとラグビーをしているような子たちにまだまだ劣る中、Most Improved Playerという賞をいただき、とてもよい形で初めてのラグビーシーズンを締めくくることができました。ずっと続けてきたサッカーは、次のタームがメインなので待ちきれないです。どちらのスポーツもチームスポーツである上、かなり多くの生徒が選択するアクティブなので、数えきれないほど多くの友人を作ることができました。スポーツが今学期一番楽しめたことです。
A levelでは数学、発展数学、物理、化学をとっています。言語に苦労する点はありますが、日本と比べると内容の難易度はそこまで高くないと感じます。とはいえ、学校の成績が受験に大きく関わってくる要素となるので、毎学期に一回ほどあるテストでは気が抜けません。
この学校にきて驚いたこととして、同学年の生徒たちが、すでに自分なりの人生設計を持っているということです。AI関係の会社を経営して収益を持っている友達さえいます。とりあえずのように受験勉強をして、大学に入ってからは就活をしたり、なんてことを考えていた自分が情けなく思えました。イギリスでは16,17歳から科目を3,4に絞って学ぶため、それが早めに将来を考えさせることにつながるのかもしれないと思いました。日本の満遍なく学ぶ教育にも大きなメリットはあり、比較することはできませんが、自分の将来を早くから考えることには良い点しかありません。外の世界を知る、ということの良さを肌で実感し、自分の考え方の幅が増えたような気がします。
また、寮やホストファミリーとの生活で、自分で全てを管理して生活していかなければいけない状況を味わい、自分が今までいかに恵まれていたのかを再実感しました。今までずっと自分を支えてきてくれた家族には感謝しかありません。
まだたった一学期を終えたばかりですが、すでに自分は大きく変わり始めていると感じます。機会を最大限に活かした上で、具体的な結果を残せるようにこの先も努めていきます。最後になりますが、こんな貴重な留学の機会を与えてくださった財団の皆さん、本当にありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。