Spring Termが終わり、イースター休暇に入りました。イギリスでの生活も半年を越え、ありがたいことに学校にも思った以上に馴染むことができています。ただ、英語へのもどかしさや、まだ慣れない場面も少なくありません。
今学期は本当に瞬く間に過ぎ去りました。Fettesでは多くの挑戦の機会に恵まれ、さまざまなことに取り組むことができた一方で、思い通りにいかない経験も多く、学びの多いタームだったと感じています。ピアノの校内大会では惜しくも2位に終わり、School Prefectの選考にも選ばれませんでした。自分なりに努力してきたつもりではあるものの、「全力を尽くせたか」と問われれば、素直にうなずくことはできません。英国での生活を通して、将来にも求められるであろう自主性の欠如を痛感し、もどかしさを覚える場面も少なくありませんでした。
それでも、Physics ChallengeでGold Awardを受賞し、学校のスポーツ活動への取り組みが認められてHalf Collarsをいただけたことは、大きな自信となりました。タームを終えたいま、挫折や悔しさを感じながらも、多くの機会に恵まれていることへの感謝の気持ちが湧いてきます。そして、何よりこの環境の中で、日々を純粋に楽しんでいる自分に気づけたことが、今学期の大きな収穫の一つです。
Easter休暇中は、試験勉強と経済学の探究に多くの時間を充てました。大学選考において成績が重要な評価基準となるため、真剣に取り組んでいます。経済の勉強に関しては、学べば学ぶほどわからなくなるように感じます。経済の学習は進めば進むほど複雑さを増し、理解が深まると同時に、新たな疑問も生まれていきます。
A-levelでは経済はsocial science(社会科学)であると習います。社会科学とは、社会における人間の行動や制度、構造を科学的に研究する分野であり、経済学はその中でも、限られた資源の中で人々や政府、企業がどのような選択を行い、どのような結果がもたらされるのかを探究します。なので、自然科学とは異なり、絶対的な法則も存在しません。その代わり、モデルや仮説を用いて現実の経済現象を説明・予測し、統計的なデータや論理的な議論を通じて理解を深めていく学問になります。よって、経済学には自由市場派と統制経済派など対立する見解や立場が多くあります。そんな正解がない中で何を優先するのか、どう言った選択をするべきなのかを議論することは、とても複雑でありながらも、とても深く、興味深いものだと感じます。散らばったテーゼとアンチテーゼの中から、自分が考えるジンテーゼを見出していく——そんな探究の面白さを日々感じています。
最後に、このような体験をできるのはTazaki財団の皆様のご支援のおかげであることを日々感じております。誠に感謝申し上げます。