イギリスに来てから、イベントや課題などで忙しくしていて早くも4ヶ月が経ちました。すでに自分の人生で忘れられない貴重な時間を過ごしていると実感しています。Fettesでの新生活には不安もありましたが、新しい友達を作り、英語ディベートなどのアクティビティに夢中になっているうちに、その不安もいつの間にか消えていました。今回のレポートでは、Fettesの1日の流れについて書きたいと思います。
起床
Fettesの朝は7:00に始まります。寮のベルがなり、起床した後生徒達は朝ごはんを食べるために食堂へと向かいます。朝食を食べ終えた生徒達は8時を過ぎた頃に、各寮で朝礼に参加します。朝礼の後には、全校生徒でチャペルに集まり、全校集会が行われます。
授業
Fettesの授業時間は日によって異なります。月、水、金曜日は40分授業が8コマ、火、木、土曜日は6コマで構成されています。火、木、土曜日の授業は昼までに終了し、その後、「Games」と呼ばれる強制参加の運動セッションが行われます。日本の学校と最も異なる点として、A-Levelを専攻する生徒の時間割には「Study Period」と呼ばれる自由時間が多く含まれることが挙げられます。この自由時間は全授業時間の約3分の1を占め、生徒それぞれが自分の裁量で有効活用することが求められています。
日本の高校と比較すると、Fettesの授業時間はおよそ3分の2ほどです。しかし、この時間を活かして生徒たちは、授業では扱われない自分の興味や目標に基づいた学習、作文コンクールや学術オリンピックの準備、楽器の練習などに取り組むことができます。私自身、この時間をピアノの練習やエッセイ執筆に充てて、有意義に過ごしています。
放課後活動
放課後には、日本の同好会に似た「Society」と呼ばれる活動が1時間単位で行われます。その内容は多岐にわたり、数学や物理といった学問系のSocietyから、ディベートクラブや漕艇クラブといった実践的なものまでさまざまです。中には大学入試を意識した数学を扱うSocietyもあります。
その後の1日の流れ
Societyが終わると、生徒たちは食堂で晩御飯を取ります。晩御飯は午後5時30分から7時までの間に自由に食べられるため、複数のSocietyに参加する生徒は遅めの時間に食事を取ることもあります。
晩御飯の後、午後7時から8時45分までは「Prep」と呼ばれる学習時間です。この時間を使って、多くの生徒が課題や宿題に取り組み、予習や復習を行います。Prepが終わると簡単な夜の集会が行われ、午後10時には消灯時間を迎えます。
最後に
私はFettesに転校し、自由に使える時間の多さに驚きました。日本の学校に通っていた頃、平日は通学、授業、部活動、課題や予習復習、そして晩御飯で一日がほぼ埋まっていました。しかし、Fettesでは通学時間がなくなり、時間割や放課後に自分で計画を立てられる時間が確保されています。この時間の使い方において、生徒自身が自立して判断する力を求められる点が最も大きな特徴です。
もちろん、日本の高校にも「空いた時間」は存在します。しかし、日本の大学受験制度の特性がその自由を奪っています。日本では、生徒が学力という単一の評価基準で選別され、その基準の上でどれだけ前進したかが合否を左右します。そのため、学年が上がるほど「空いた時間」さえも活用して、問題集や単語帳を手に大学合格に向けて努力します。
一方、イギリスの大学受験では、学力に加え「Super Curricular Activity」と呼ばれる活動が重視されます。これは、生徒が学びたい分野に対する情熱や実践的な能力を試すものです。たとえば、医学を志す生徒は医療ボランティアに参加し、音楽を学びたい生徒はケアホームで演奏会を行うといった形で、自分の価値を学業以外の面でも証明する必要があります。このため、イギリスの生徒たちは自分の興味や目標に照らし合わせて、何をすべきか、何をすればよいかを整理し、主体的に計画を立てる力を求められます。
これはパブリックスクールの環境にも反映されています。美術を専攻する生徒もいれば、物理を学ぶ生徒もいるというように、さまざまな専門を持つ生徒が一つの屋根の下で生活を共にします。日本の高校のように文系・理系で厳密に分けられることはなく、異なる分野を学ぶ仲間が身近にいる環境です。これが、生徒一人ひとりの自主性や行動力を育む土壌となっているのです。
私はイギリスのパブリックスクールに転校することができたことをとても幸運に感じています。これからも、自分の理想像や目標と格闘しながら、自主的に、行動力を持って行動をしたいと感じています。
最後になりますが、私をイギリスへと送り出してくださったTazaki財団の皆様に感謝申し上げます。これからも、少しでも成長できるよう毎日精進して参りたいと思います。