お久しぶりです。オーロラが見えたのかと思いきや、「あれは毎晩やってるエジンバラ城のライトアッ
プが雲に反射してるだけだよ」と言われるのに慣れました、Kです。最近は寒くて南国に行きたいで
す。
ご存知かもしれませんが、私はこの夏から個人的にNoteというサイトでブログを始めました。理由は
二つあり、
1. 初めてお会いする方に自分がどういう考えや経験を持っているか知ってもらうため。
2. 日本の友人たちに近況報告をするため
です。
2. については元々友人たちにYoutubeを始めると約束したのですが、時間の都合が厳しくなってし
まったのでその代わりとして書いています。面白かった、という感想をもらうことが多く中々反響が良
いです。
記事を読んだ方から実際に感想やご質問のお問い合わせをいただくこともあり、嬉しく思います。是
非、読んでいただけると嬉しいです。
イントロ(宣伝)が長くなってしまいました。
レポートで何を書こうと考えた時に、日常的なことはブログに書こうと思ったので、この財団の報告書
には少し真面目なことについて書こうと思いました。
文字だけだと寂しいと思ったので、クリスマスらしく?星を使っていこうと思います。
*・゜.。.:*・☆学業について☆・*:.。. ゚・*
Maths, Further Maths, Biology, Chemistryをとっています。
Fettesはアカデミアに力を入れており、発展数学は2年分の教材を1年で終わらすことが目標となって
います。私は進度が早くついていくのに必死になっている隣で、同期のNくんは余裕でスラスラと問
題を解いています。
「What do you not understand?笑」とからかわれると悔しい気持ちになるので、切磋琢磨しながら
励むことができていると思います。
生物は既に日本の高校範囲を一周しているため、特に予習復習しなくてもテストでは問題ない点数
を取れています。
問題は化学です。勉強しきれなかった自分も悪いのですが、とにかく先生との相性が最悪で、今ター
ムでの予想スコアはCを渡されてしまいました。ショックすぎて笑えませんでした。
この先生はScottish humorをもつ面白いおじさんとして好いている生徒もいますが、私は苦手だと感
じてしまいます。
具体的には
・テストの点数が悪くて傷心している子に対してジョークで笑い飛ばす
・逆にテストの点数がいいと“早生まれだからね”と笑い飛ばす
・遅れがちな生徒が時間通りきていると“あれ、今日は遅れてないんだね”と言う
など、日本であればコンプラ違反になってしてしまいそうな言動を繰り返しています。
しかも絶望的なことに、来年受験の際に大学に送られる推薦書には各教科の先生からのコメントが
含まれるので、この先生が今年、私をどう見ているかがかなり重要になってしまいます。
日本では教員との相性が良くなくても自力で成績をあげる方法が他にありますが、信頼が重要なイ
ギリスで大学受験を生き抜くためにも自分の嫌悪を隠して先生と接する忍耐力をつけていこうと思い
ます。
*・゜.。.:*・☆とても楽しいです☆・*:.。. ゚・*
寮生活が毎日修学旅行のようで好きです。朝の混み合っている洗面所でする小さな雑談や寝る直
前に聞くルームメイトの幼少期の思い出(彼女は7歳からFettes)が本当に充実していると思います。
不思議なことに、休暇中にも時々、ふと同級生の顔が浮かんでくることがあるのです。厄介だと感じ
ていた子やさほど仲良くないと思っていた子でも、数日間会わないだけでなぜか違和感を覚え、学校
に戻った後「やっほー、元気だった?」と会話をかわすだけで安心感を覚えるほどに、いつの間にか
寮の子達と絆ができていました。
またFettesは広尾学園と比べてもちろん良いところ・悪いところの両方がありますが、圧倒的な資本
を持つ伝統校として優れた教育環境が揃っています。
例えば、The TimesやEconomist含む数多くのサイトの有料版アカウントが使えたり、毎月希望者は
街のシアターで劇を観にいくことができたり、学校が提携している福祉施設で簡単にボランティアに
参加できたりと、何事においても機会に恵まれています。
仲間と寝食を共にし、整った環境下で幅広い経験ができる留学生活に心躍らせています。
・゜.。.:*・☆しかしホームシックです☆・*:.。. ゚・*
空港で号泣する8期生を横に「親元を離れるのが最高だ〜」と笑いながら出国した私は、絶対にホー
ムシックにならないタイプだと思っていました。
しかし蓋を開けてみると私は必ず朝と晩の1日2回、授業の空きコマの時さえも母に電話しています。
特に会話をする訳ではなくても、天井に向けた通話を繋いでもらい、暖かく落ち着く日本の我が家の
風景が見れるだけでホッとします。
というのもここには規律を正すために寮母さんはいるけれど、圧倒的に多い生徒一人一人に対して
目をかけてくれる訳ではありません。「自分」を見てくれる人がいないのです。
自分だけの勉強の成長や部活の発表を応援してくれたり、私が話す学校の出来事やしょうもない愚
痴に「はいはい」と耳を傾けてくれる母の存在は唯一無二なんだなということに気づいたこのターム
は、人生で初めて「母に会いたい」という気持ちが芽生えた時期でした。
それに加え、常に他人に気を遣い続けなければならない留学生活は多少なりともストレスとなりま
す。
例えば寝るルームメイトに合わせて勉強を中断しないといけなかったり、休暇中のホストファミリー宅
ではお腹が空いていない時でも残さずに食事をしないといけなかったり(丸の内のイタリアン並に美
味しい料理ばかりなのでこれはこれで嬉しいことですが)、どこにいっても自分だけの居場所がない
気がします。どこか気楽に過ごせる場所に行きたくなったことも、よりホームシックの感情を強めてい
るのでしょう。
タームの最後の頃になると、学校内では生徒にも先生にも「いつのフライトで国に戻るの?」と会話
の始めに聞かれました。大体の人は数時間のフライトで帰れるところから来ているため、休みの度に
自国に戻る前提で過ごしているのです。
「帰らずにここに留まってホストファミリーの家に行くの」と答えるたびに家族の元に戻る周りの子達を
羨ましく思い、胸のどこかがチクっとする感触がしました。おお、家族が近くにいないハリーポッターも
こんな気持ちだったのかなぁ、ということも考えたりしています。
そんな時、エジンバラにきた同期のN君のご両親づてに、母からの手紙を受け取りました。
その場では開けず引き出しにしまい、数日後寮のクリスマスパーティをいまいち楽しめずにいた時
に、そうだ、読んでみよう、とこっそりと部屋に戻って取り出すことにしました。
[ (私の名前)へ]
そこに書かれていたのは小さい頃から見慣れた手書きの文字。一目見ただけで、考えないようにし
てた感情が渦巻き始めるのを感じました。
泣きそうになりながら、封筒を丁寧に開け読むとそこには母が届けてくれた差し入れの説明や家族
が最近どうしているか、などが綴られていました。毎日電話して顔をみているはずなのに、この手で
握りしめている手紙がこれほど暖かく感じるのはどうしてだろう。
涙をこらえて読み進めると、最後には
「貴重な二年間をいただいたのだから欲張りな人になって、できることを全力でやってね」
と書いてあり、それをみた瞬間、思わず暗い部屋で一人、涙を流さずにはいられませんでした。
そうだ、私は二年間頑張るつもりで家を出てきたんだ。こんなことで悲しんでいる場合じゃない。
母に背中を押してもらった今、次のタームに進んでいこうという気持ちでいっぱいです。