
Christ’s Hospitalでの2年間があっという間に過ぎ去り、現在は日本にて休養をとっています。僕がレポートを書いていなかった半年間、A-levels本試験をはじめとする多くの出来事がありました。それらについて少しずつ語っていこうと思います。
まず音楽では、2月中旬にコンサートバンドとイギリス海兵隊音楽学校との合同演奏会がありました。このコンサートでは吹奏楽用に編曲されたクラシック音楽から映画楽曲、ラテン音楽まで多くの曲を演奏しました。普段は3人しかいないチューバセクションが5人に増え、普段はあまり経験できない低音楽器の音圧が今でも記憶に残っています。また、軍楽隊との共演という貴重な経験を得ることができた、非常に良い機会でした。3月末にAngus Ross Concertという学内のオーケストラや合唱団体が参加するコンサートがあり、その中でシンフォニーオーケストラとしてブラームスの「大学祝典序曲」や『ウィキッド』の劇中歌を演奏しました。特に大学式典序曲はトロンボーンパートのメンバーと自主練習を繰り返した曲なので、曲の最後にある、学生歌「Gaudeamus igitur」を基にしたパートがしっかりと演奏できた時には今までにない達成感がありました。
夏学期に入り、A-levelの対策に集中する時期になってもバンドやその他の音楽活動は忙しいままでした。ハーフターム直前には、Speech Dayという、Lord Mayor of Londonが学校を訪問する日が設けられています。Speech Dayではマーチングバンドによる演奏だけでなくチャペルとセレモニーでの讃美歌の演奏も行った為、暑い中を一日中忙しく動き回っていたことを覚えています。A-levelsの試験が終了した1週間後にはLondon Band Weekと呼ばれるイギリスの軍楽隊やアメリカの高校バンドが揃って演奏するイベントがありました。朝早く学校を出発し、現地で数時間にわたるリハーサルを行った後、夜に本番で演奏するという過酷なスケジュールでしたが、他のマーチングバンドとの共演そして会場全体の一体感を存分に味わうことができたように思います。この他にも去年に続いてプレミアリーグの試合にて演奏したり、Brighton Children’s Paradeという、ブライトンの市街地を1時間弱かけてマーチングしながら演奏するパレードに参加したりしていました。
年度の最後には毎年恒例のBeating Retreatがあり、Christ’s Hospitalのマーチングバンドでの最後の演奏となりました。2年間ほぼ欠かさず参加し、日々のルーティーンとして取り組んできたマーチングバンドでの演奏がこれで最後になると思うと、次第に寂しさが込み上げてきました。そして、すべての演奏を終えたときには思わず涙が出ていました。バンドには、Christ’s Hospitalに到着してから最初の1週間を除き、在籍期間のほぼすべてにわたって所属していたので、2年間の高校生活の中で最も多くの思い出ができた場所だと思います。途中でトランペットをやむを得ずやめることとなってしまい、未だに悔しい思いをすることもありますが、そのブランクを補うために始めたチューバで思いがけず多くの演奏機会に恵まれたことには、とても感謝しています。音楽科の先生方も温かい応援をしてくださり、年度末にはHalf Colorsを頂くことができました。
音楽以外の課外活動では去年の11月からCanSatという大会への参加に向けて準備を進めていました。350mlの缶飲料程度の大きさの人工衛星をチームで作成し高度数百メートルまでロケットで打ち上げ、落下する間にデータを取得する競技です。規定のサイズ内の容器にマイクロコントローラやセンサー、通信機器を入れ、ロケットから分離する際の衝撃に耐えうるパラシュートを作成しなければならず、僕は電子機器の組み立てとソフトウェアのプログラミングを担当しました。プログラミングは普段から練習している為あまり問題がなかったものの、電子工作は半田付けができる程度でデジタル回路制作に一度も触れたことがなかったので基板への実装や配線に苦労しました。3月の地方大会に向けてなんとか完成させた初期デザインは、基板や配線が複雑に入り組んでおり実際にケースへ収めようとすると基板同士がぶつかってしまい、うまく収納できないという絶望的な状況でした。しかし大会運営へ提出したレポートで高い評価をいただいた為全国大会へ出場することになり、5月初旬までにデザインを変更する猶予が与えられました。当時一部の電子部品が未だ動いておらず、それらを動かすだけでも一苦労でした。試行錯誤を重ねて粘り続けた結果、大会の数日前になって、ようやくすべてがうまく動作する一つの計測システムを完成させることができました。全国大会では2回打ち上げが行われ、どちらの打ち上げでもソフトウェア・ハードウェアともに問題なく動作しとても安堵した記憶があります。翌日に行われた取得データの解析結果などについてのプレゼンテーションも上手くいき、チームとして全国2位そしてHighest Technical Achievement Awardを勝ち取ることができました。久しぶりのチーム競技で、多くの課題に直面しましたがメンバーそれぞれの得意分野を活かして一つずつ問題を解決していったのでとても達成感がありましたし、技術面も洗練されたと思います。
A-levelsも5月中旬についに本番を迎えました。5月初旬からはStudy Leaveが始まり、それぞれが自主的に試験対策に取り組む期間となりました。Study Leaveが始まって最初の3週間は試験が合計で2つしかなく、特に大きな問題もなく終えることができました。しかし、ハーフタームが終わった後の3週間は試験が合計10個、最終週には4日連続で試験があるというとても過酷なスケジュールを強いられました。どの科目についても、必要な範囲はしっかりと勉強し万全の対策をしているとわかっていながらも、過酷なスケジュールとプレッシャーによって気分が落ち込んだり不安になったりすることが多々ありました。最初の方はどうして良いかわからず試験1時間前に泣き出してしまったり、生活リズムが少し乱れたりすることもありましたが、次第に適切な休憩の取り方や気分転換の方法を身につけどうにか試験を全て終えることができました。今まで受けてきた模擬試験のほうが、日程が詰まっており過酷だと思っていたのですが本番の試験ではやはりプレッシャーの大きさが違ったように思います。手応えとしてはどの試験も特に大きな問題があったようには思わなかった為、安堵しています。
ここまでの2年間を振り返ると、勉強だけではなく、音楽やCanSatをはじめとするさまざまな課外活動にも大いに恵まれた2年間だったと思います。ここまで応援してくださった財団の皆様、家族、そして友人に心より感謝申し上げます。イギリスには大学生としてもう4年間滞在することになりますが、引き続きのご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。これまでの2年間で得た経験を糧に、大学でもさまざまなことに挑戦していきたいと思います。ありがとうございました。