渡英の日が目前に迫ってきました。
数ヶ月前には、今頃何をしているんだろう、なんて呑気なことを考えていましたが、今はお土産やパッキングの準備に追われる忙しない日々を送っています。
この留学が初めての海外、何をとっても知らないことばかりで、悩むことも多々ありました。しかし、周囲の人に尋ねてみると助けていただけることが多く、(VISAの手続きでは財団の方に非常にお世話になりました)助けてくれる人がいることに改めて感謝を感じると共に、悩んでばかりでなくすぐに尋ねる、そして行動に移す大切さを実感しています。
私がイギリス留学を志したのは、イギリスで科学を学び専門性を高め、世界的に活躍できるような、そして社会問題の解決に貢献できるような科学者になりたいと思ったからです。
勉強が好きだったので、これまで私は学校や塾での勉強に重点を置いて取り組んできました。しかし高校に入って、将来の進路やキャリアを具体的に考えるようになるにあたって、学生として学べる時間が短いことに焦りも覚えるようになりました。将来やりたいことがはっきりわかっているわけでもない上、勉強だけでは社会の中で生きていくためのスキルも足りないと感じたからです。
また、新しいことを学ぶのを楽しみつつも、学校や塾の勉強三昧でこれまで目を向ける余裕のなかった競技科学などに挑戦して、理系教科の専門性を高めたいという思いが高まっていったのと同時に、学校の卒業研究で代表として発表したヤングケアラー問題の研究をきっかけに、不条理な社会で苦しんでいる人がいるのに無力な自分に気づき、無力でいるだけでなく、自分でアクションを起こして、何らかの形で社会に貢献できる人間になりたいという思いも高まっていました。
Tazaki財団でイギリス留学をしたいと思うようになったのは、このような思いから留学を通して人として、また研究者として成長したいと思ったからです。
今までの人生に迷いがなかったわけではないですが、勉強しかしてこなかった自分を純粋に評価してくださったことで、これまでの自分の努力も無駄ではなかったと思えるようになりました。奨学生として選んでいただいた経験はきっと自分の自信に繋がっていくと思います。
そしてこの機会をいただいたことに決して甘んじず、楽な方へ逃げないように、常に「どうしたら人の3倍学べるか」考えて行動していきたいです。
最後になりましたが、今まで支えてきてくれた家族や友人、学校の先生方、そしてこのような素晴らしい機会を下さったTazaki財団の皆様、本当にありがとうございました。