お知らせ

Nさん(男生徒)私立駒場東邦高等学校出身

緊張しながらスピーチをした壮行会から1年が経とうしていることに驚きを感じています。同時に、1年間スコットランドでの寮生活を生き抜いたことに満足感を感じている次第です。

・学習面

 大学進学の上で重要なPredicted Gradeが決まる学年末試験を無事終えることができ安堵しています。今回の試験はこの1年に学習した単元の全てが範囲でしたが、授業中に試験対策に時間を取ってくださる先生もいたため、比較的ストレスのない試験期間でした。

 試験期間中に感じた事は、Extra Time等の特別な対応を受けている生徒の多さです。Extra Timeとは他の人に比べ学習に困難のある生徒に追加で数十分ほど試験時間を延長する制度です。日本では「学習に困難のある生徒」と言うと日常生活にも苦労しているような人達を連想させますが、イギリスではごく普通の人が実は該当しているということに気付きました。ただ、友人の話をよく聞いてみると、そのようなふりをして権利を受け取っている人も一定数いるようです。更に、字を書くのが下手だとパソコンのタイピングで試験を受けられるという制度にも驚きました。もちろん例外はありますが、個人的には字を書くのが下手というよりは、幼少期の練習不足ではないかと思われる人もいるように感じます。このような救済システムがあることはイギリスの寛容さを示す良い点だと思います。一方で、個人的な意見ですが、自分の欠点に気付いた時にそれを克服するのではなく、それを救済するシステムに過度に頼ることは、自分磨きの機会を失うことになるのではないかとも感じます。

・学校生活

 来年度のSchool Prefectに選出されたことは、この1年のFettes生活の集大成となりました。School Prefectとは日本語訳すると監督生となり、生徒会役員のようなものです。思い切って応募し、生徒の投票、先生方の投票、第一次面接、そして本腰を入れて挑んだ校長先生との最終面接を経て任命されました。すでに朝のチャペル(朝礼のようなもの)での人の流れの整理や、対外試合の時にゴルフカートで観客や保護者に飲み物を提供する等の仕事をしています。Student Voice Prefectという役職を任され、来年度から本格的に仕事が始まるのが楽しみです。

・趣味

 前タームに始めたバグパイプは、フルセットのバグパイプに昇格することができました。フルセットになった当初は息を入れるタイミング等に多少苦労しましたが、今は曲のテンポに集中して練習しています。参加したサマースクールのタレントショーで演奏を披露した時は、今まで練習してきた甲斐があったと感じました。やはりあの圧倒的な音色に勝るものはありません。

 写真に関しては学年末の集会で賞をとることができました。最近は主にモノクロ写真を撮影しています。色という余計な情報を取り除くことによって、事物の形や輪郭をより象徴的に表すことができる点に魅力を感じます。

・運動

 水泳は校内のチャリティーイベントである5キロ水泳に向けてトレーニングをしています。ターンなどの技術的な面がまだ未熟であるため、集中的に練習していきたいと思います。

 全英2位の記録を持つ友人に影響を受け今タームから新たにindoor rowingを始めてみたところ、素晴らしいトレーニングであることに気付きました。身長の関係で輝かしい活躍は望めませんが、筋トレの一部として取り入れていきたいと思います。

 サイクリングに関しては休暇中に100キロ以上の距離をひたすら走行しています。永遠に続く上り坂に心が打ち砕かれそうになることもありますが、イギリスの美しい自然の中を自分の力で前へ進んでいくことに喜びを感じています。

 こうして1年間スコットランドで高校生活を送ることができたのは、Tazaki財団の皆様のご支援のおかげです。パブリックスクールでの残り1年も、頂いた機会を最大限いかせるよう邁進してまいりますので、よろしくお願いします。