お知らせ

Mさん(男生徒)国立筑波大学附属駒場高等学校出身

渡英から1年が経ちました。

前回のレポートで書いた、自分たちの学年がDixon(勉強のための建物)から追放された件については、特に何事もなくハーフターム後に使えるようになりました。そのこととは関係なく、この夏休み中は以前から予定されていたDixonの改修工事が行われており、一部屋あたりの人数の増加とドアの撤廃というプランが進められています。まだ改修後の姿は見ていませんが、自習時間中に、学校の思惑通り監視の目を気にしてみんなが静かになるのか、あるいは音を遮るものが無くなり勉強どころの環境でなくなってしまうのか気になるところです。

5月頭の4連休には、学校の周辺を2時間ほど歩くというイベントを棄権して、友達の家に泊まりました。置いてあった1000ピースのジグソーパズルを徹夜で完成させた結果、誕生日プレゼントには全て白の1000ピースパズルをもらい、来年までに達成したい目標がまた一つ増えました。

5月中にIELTSも受け、自分が目標としていたスコアを、予想より早く獲得することができました。最初に返ってきた結果ではwritingが6.5だったのですが、再採点を要求した結果7.0に上がりました。今後受ける方もチャンスがあると思えば試してみることをおすすめします。

6月から7月にかけては、様々な大学のOpen day(オープンキャンパス)に参加しました。説明会に行ったり在校生と話したりすることを通じて、学校の求めていることや生徒の熱意を自分の目で比較することができ、出願校選びに非常に参考になりました。また、他の学校からOpen dayに来ている同じ学年の人に話しかけてみると、ゲーム用のAIエージェントを開発している人や、自分でセンサーを設置して天候を観測している人など、同年代とは思えない意欲的な人たちに出会い、刺激を受けました。スコットランドの大学への訪問も、前々から準備をしていた甲斐があり実現し、大学の強みや雰囲気を知るとともに、イングランドとは異なる建築様式も堪能できました。計画に携わってくださったガーディアン・財団の方々には、心から感謝しています。

7月から8月の、2か月間の夏休みはとても充実したものになりました。6月の試験が上手くいったため、この夏休みは大学、さらにはその先を見据えての興味の探求に集中できました。
サマーコースはImmerseが運営する人工知能についてのコースについて取り、データサイエンティストが仕事でどのようなことをするのかということを学び、体験しました。生徒間のプログラミング経験には大きな差がありましたが、データ分析を実装するなど、内容は実践的でした。またもっと抽象的なデータサイエンティストとしての考え方や新たな概念についても触れ、分野の全体像を掴むうえでとても役立ちました。このImmerseのサマーコースでは、オックスフォードやロンドンへの日帰り旅行など勉強外の時間がとても多く、他の参加者と親睦を深められる時間が多いように感じました。トルコや中国からきている人が多く、文化交流ができたものの、一方で同じ国の人同士で固まってしまっていたのは少し残念な面でした。
Immerseのサマースクールの後には、8期生の語学研修生と一緒に1週間ほどTOPSにも参加しました。8期生のみんなの情熱や、先輩から伺った大学生活の話は大きな刺激になりました。ジェラートをみんなで食べたのもいい思い出です。

夏休み中には、3つの会社でそれぞれ職業体験をする機会もありました。6月のwork experience weekのために様々な会社に1月くらいからコンタクトしていたのですがなかなか上手くいかず、6月頭に一気に3社からOKが出たため、全て夏休みにやらせていただくことにしました。ソフトウェア開発に必要なツールや知識についてA-levelより詳しく学び、またプロジェクトの規模が大きくなったときに混乱しないように、整理をしながらコードを書くことの大切さを身をもって知ることができたのは、非常に貴重な経験となりました。また、実際にデジタルテレビとリンクするウェブサイト、寄付金と慈善活動のマッチングを担うサービスの開発も行い、実装を練習する良い機会となるとともに、価値を生み出せている感触への喜びも感じました。最後に職業体験をしたスタートアップの企業はビジョンについて共鳴できるところがあり、来年も働いてテクノロジーとビジネスについて学びたいと考えています。

1年が終わるにあたって、まずは1年間お世話になった6期生の方々にこの場を借りて感謝申し上げたいと思います。皆さんからにじみ出る努力とやる気は自分のモチベーションになりました。また、友人、そして家族の皆さん、これからもよろしくお願いします。そして、Tazaki財団の皆様、改めてこの留学の機会を与えてくださりありがとうございます。来年度は受験がより忙しくなりますが、それだけに縛られず、疑問も大切に過ごしていきたいと思います。