円安が進みついに1ポンド190円台となってしまいました。そんな中支援をし続けてくださっているTazaki財団の皆様には感謝しかありません。
渡英から8ヶ月が過ぎ、穏やかすぎる日々に若干当惑しています。科目については淡々と進み特筆することがないため、今タームあったことを列挙したいと思います。
1月にはInternational Dayという、寮生のみでのイベントがありました。生徒が出身国ごとに分かれて、その国の食事や伝統など文化について10分ほどプレゼンをする、というものでした。多様な国の人が集まるイギリスならではのイベントで、他の文化についての興味を改めてそそられました。僕らの寮では時間の都合上日本含めいくつかのグループが発表することはなく、解放され嬉しいと同時にイベントの計画性のなさにがっかりしました。
2月のHalf term中は、DofEのResidentialという、宿泊を伴う活動の一環として、NASA後援のMission Discoveryというプログラムに参加しました。このプログラムの主旨は、5~6人のチームで国際宇宙ステーションで行いたい実験を考えてプレゼンを行い、その中で一番良かったグループの実験を実際にロケットに積んでISSに送る、というものでした。僕らのグループは生物学オリンピック猛者に引きずられクマムシに含まれるプロテインの無重力での活動の変化というトピックで実験を組み立てました。生物・化学の面では置いてけぼりにされましたが、実験装置の回路の組み立てとプレゼンでチームに貢献ができたと思います。残念ながら一番のグループに選ばれることは出来ませんでしたが、リサーチや議論を真剣に行えたため大きな達成感を感じることが出来ました。
メインプロジェクトの合間にはOxfordを観光する機会があり改めてOxfordの街の綺麗さを堪能するとともに、博物館に行ったりNASAの宇宙飛行士としゃべる機会をいただいたりと、充実した時間を過ごしました。190cm越えの人に肩車をしてもらったことは、もう二度とないであろう貴重な体験でした。ともに宿泊をした参加者の居住地はロンドンからバーミンガム、カナダまで多岐にわたり、また国籍も多様でしたが、みんなが混ざりあっていて、多文化社会の理想のようなものを見出しました。そして、このプログラムに参加するだけあり学問を心から楽しんでいる参加者が多く、Kingswoodから離れ、他校の熱意のある優秀な生徒たちと知り合うことができとても良い経験となりました。
3月始めにはKingswood主催のMUN (模擬国連) がありました。本物の国連同様複数の委員会が設置され、自分はScience & Tech Committeeの主催者側となりました。主催者側としては自分はパワーポイントをいじっていることがほとんどでしたが、自分の興味がある分野だったので参加者の意見を勝手に考察していました。2日目には雪がふり、寮生と雪合戦・そりなどをして楽しみました。そのせいでMUNは大幅に縮小・変更されましたが、無事に終えることができました。
3月の中ごろにはBake offという校内でのコンペティションがあり、私はSさんらとミルクレープを作りました。自分の国の文化を紹介するというコンセプトでしたが、作ってみたいものを作りました。見た目は他の人が作ったケーキが素晴らしかったため見劣りしていたものの、味は予想以上の良いものとなりました。しかし、審査員からの賞はもらえず、イギリス人の味覚センスは日本人と異なることを学びました。
イースター休暇直前には、Year12が学年として先生に呼び出されお𠮟りを受けるということもありました。KingswoodにはDixonという勉強をするための(監獄のような見た目の)建物があり、Year12, 13が3~5人ほどの部屋に分けられています。
私たちYear12は、椅子の意図的な破壊、カフェの使い方の荒さ、そしてトイレの水詰まりの多さなどからお叱りを受け、次の学期からDixonの一部の時間使用禁止、そしてカフェの使用禁止を言い渡されました。先生が、「君たちにはもう権利は無い」と言い切ったのはなかなか迫力がありましたが、生徒に自治権が少ない学校のシステムに問題があるような気もします。これをきっかけにYear12の団結力が高まることを期待しています。
イースター休暇中はストーンヘンジ、そして念願のロンドンに行くことができ、観光を満喫できました。ロンドンの中華街で食べた小籠包と炒飯が非常においしかったのが記憶に残っています。
勉強に関連する話では、この学期はSuper curricularに非常に悩まされるタームとなりました。Personal statementに書くこととして自分のその学問への熱意を示せるものが必要なのですが、何をすればいいのか分からず迷走する時期もありました(今も迷走しています)。edXのオンラインコースを終え、今は機械学習のブログや論文を読んでいます。
こう振り返ってみるととてもユニークな時間を過ごさせていただいているなと感じています。これからも日々の変化を大切に過ごしていきたいと思います。