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Kさん(男生徒)区立九段中等教育学校出身

留学して早くも8ヶ月が過ぎてしまいました。1年もきっとあっという間に過ぎると思います。忙しい毎日ですが、それに飲まれないように、この先も全力でイギリス生活を満喫していきたいと思います。イギリスにも春が訪れて、ホストファミリー先のブライトンでは晴れとビーチを満喫しています。今回のレポートでは学校生活についてと、8ヶ月のイギリス生活で感じたプレジュディスについて書きます。

学校生活
今学期も色々な行事がありました。最大の行事は寮対抗のsteeple chaseです。僕のPeeleという寮はこの行事で強いことで有名で、10年以上の優勝記録があったけれど去年ライバルに敗れてしまったということで今年は復活を目指して寮全体で練習に励んでいました。結果的には優勝を逃してしまいましたが、いい思い出になりました。自分は8位でフィニッシュすることができ、練習で一緒に競っていた友達にも勝つことができたので嬉しかったです。
また7期のTazaki生3人でお昼のランチタイムコンサートにも参加しました。地域貢献のような形で、3人で地域の人にギターを披露しました。他の演奏者はMusic Scholarの人などレベルがとても高く、ギターを始めたばかりの僕は緊張してたくさんミスをしてしまいました。ここでは他の演奏者の素晴らしい演奏はもちろん、みんなの社会貢献の態度に驚かされました。演奏前に自分の演奏する曲の好きなところを紹介し観客の笑いを簡単そうにとったりしている所を見て、僕は自分の成果を発表しようとするけどなかなかうまくいかない子供で、他の友達は観客を楽しませるために来たプロのエンターテイナーのようでした。これは僕に限ったことかもしれませんが、日本にいた時は勉強と遊びと部活、要は学生生活だけを送っていて、‘社会に貢献する人‘からは程遠かったと思います。受動的ですが、それをあまり期待されているというのも自分はあまり感じてきませんでした。イギリスでは、学生でありながらも積極的にコミュニティーに貢献しようとしている友達をよく見るようになりました。ボランティアに参加するなどのこともそうですが、こういった演奏会のような場所でも、’自分’の成果を発表するのではなくて、他人に楽しんでいってもらおうというメンタリティーが見えて、僕もそれを身につけようとしていますが、なかなかうまくいきません。飲酒を始めることのできる年齢が16歳だとかルールの面でもそうですが、イギリスの高校生は(もちろんみんなではありません。一部のいい高校生です)メンタルが一歩大人だなと感じています。そんな大人の階段を登って成長していけるように頑張ります。

僕の寮には田崎生が昔からいたのですが、過去の田崎生も見てきた寮長の先生から部屋が汚いねと言われてしまいました。他の田崎生は全てが整っていてピカピカだったよと言われてしまいました。これからChrist‘s Hospitalに来る後輩へ。こんな僕が言うのもなんですが、僕が傷つけてしまった名声を取り戻すためにも、部屋は綺麗に保ってください!よろしくお願いします。

学業面
学業面では物理のコンテストに参加して金賞を取ることができました。僕は絶対に金賞をとりたかったので、公開されている過去問全てに取り組んで挑みました。悔いのないように努力することは僕のモットーで無事努力の上に達成することができたのでとても嬉しいです。
また1学期目の保護者向けのレポートに、数学の先生から‘倫生は僕の授業で少しシャイだね’と書かれていました。少し抑えていた部分もあったので、今学期はもっと積極的にしゃべるように(授業に主体的に参加するように)したのですがそしたら授業中にうるさいと注意されてしまったのがいい思い出です。
ここからは8ヶ月の学校を通して感じたprejudice、偏見について自分の思いを書きたいと思います。イギリス人の友達が一緒にランチを食べていた時に‘中国人はいつも問題を起こすだけだから、もううんざりだ’と僕に言ってきました。これは学校のコミュニティーだけでなく、イギリス社会全体(というよりかおそらく世界全体)で見られることですが、移民同士で固まってその社会に溶け込めない人たちがいます。チェイナタウンやリトルトーキョーなどが存在することがその事実をよく示しています。学校では中国人の留学生の子たちがよく固まっているのを見ます。それを溶け込みたくないんだと見て、留学生は留学生で関係ないやと考えているイギリス人の友達も多くいて、その気持ちもよくわかります。ですが僕の見方は少し違っています。英語が自分の母国語ではなくてあまりうまく話せずに異国の地に来た時に、自分と同じ言葉を喋る人がたくさん周りにいたら、その人たちといればいいやと考えてしまうのは簡単なことです。幸い僕自身は半分イギリス人になる!という強い意気込みを持っているのと、そもそも周りにいる日本人は数人の同じ思いを持った田崎生だけなので日本人で固まろうというようなことは起きていません(もちろん田崎生、特に同じ学校で同じ学年のみんなは力強い仲間で友達です)。同時に多くの留学生からも中国語を話す人だけでつるんでいればいいんだという風潮も感じます。
イギリス人側から見た、‘留学生は留学生’というprejudiceと、留学生から見た‘あの人たちはきっと私たちに話しかけたくない’というprejudice。確実に二つが相互に悪いように働いていて、あまり溶け込み合わないという状況を作り出しているのだと思います。ここでどちらが悪いと決めつけることはできませんし、どっちが先に偏見を持ち始めたかとか考えるのは無意味だと思います。 みんな偏見は持っていて、僕もどこかに偏見の目を持っているのは確かです。それを理解した上で、人と一人一人個人個人として関わるように心がけたいです。

最後に、財団の皆様日々の御支援をありがとうございます。まだ大学受験も始まろうとするところですが、財団からそして財団生のコミュニティー全体からたくさんのサポートを受けることができています。気になる大学の学部があった時には、そこに財団生がいてたくさんのアドバイスをもらうこともでき、解けない物理の問題があっても一緒に考えてくれて助けてくれる同期がいて、この留学の上で欠かせないサポートになっています。
財団の皆様、この最高の機会を私に託してくださりありがとうございます。これからも日々精進します。