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Kさん(男生徒)私立武蔵高等学校出身

留学開始後初めてのタームが終わり、またクリスマス休暇も明けようとしています。現在は主要なイベントなども終え、ホストファミリーの家で休息を取りつつ、時の速さに驚いています。イギリスに着いてから、特に学校が始まってからすぐはさまざまなトラブルを経験し、時には戸惑い迷うこともありましたが、一つ一つ対処していくうちに留学前抱えていた不安感は薄れ、自信と期待を持ちながらイギリスでの生活を楽しんでいます。ここからは体験記として、私が留学生活で経験した主要な出来事などをまとめていこうと思います。
まず留学後最も苦戦したのはやはり言語面で、多種多様なバックグラウンドを持つ同級生たちとコミュニケーションを取っていく上でアクセントの違いなどに戸惑うことは多々あり、同級生同士の会話に混ざれない、相手の言葉を聞き取り理解してから返答するまでに間が空いてしまう、などふがいない思いをすることが多々ありました。連絡事項が聞き取れないなど、自分の能力不足で他人に迷惑をかけてしまうのはとても悔しく、そういった点で苦しさを感じることもありましたが、その中で実感したのは「聞き返すのは悪ではない」ということでした。周りの方々の理解に頼る形で不明点を質問していくことは簡単ではありませんが、聞かずに取り返しの付かない事体を招いてしまうよりは結果的に周りへの迷惑を減らすことになるため、恐れずに聞き返す勇気を持てるよう心がけています。先生方とはオンラインでも連絡を取ることができるため、一時期学校のシステムを理解するために苦戦していた際は数日間質問し続けていましたが、フォーマルなメールを書く練習にもなり有意義だったと思います。交友関係は、初めこそ同じインターナショナルで今年から入った生徒とばかり話していましたが、周りの厚意もあり徐々に会話をする人も増えてきています。質問をしてもらっても返事をするのに精一杯で会話を広げることができないことが多いので、目下最大の改善点として精進しています
生活面の話をすると、4教科選択した場合週に32コマ+合計3コマの共通授業があり、それぞれのコマは40分になっています。平均すると一日あたりのレッスンは約4時間と、日本の授業に比べると拘束時間はそこまで長くないのですが、宿題や放課後のアクティブ、週に2度のチャペルなどを考慮するとさほど暇な時間があるわけではなく、慣れてきた今でも時折忙しさを感じるほどです。授業を英語で受けることに関してはかなりの不安を感じていたのですが、数学・物理・科学を習ううえで基本的に図や実例を上げながら説明してくれることもありどうしても理解に苦しむ点などはなく、また先生の指定してくださる自習用教材などもとても便利なので、出題や採点の形式などに慣れれば学習面で苦戦することは少ないと思います。またこの学校ではデバイスの所持が義務となっており、連絡事項の共有や課題の提出、教科書などもそれらを用いて行うことが多いため、習った内容を記録として残しやすく非常に助かっています。現状学校指定のデバイスなどはないため、8期生以降の方々は大きめの画面のタブレットなどを購入しておくと課題をする際やノートをとる際に便利だと思います。
放課後に関しては、Christ’s Hospitalには曜日によって選択可能な多種多様のアクティブがあり、自分のお気に入りはDofEとミュージックレッスンです。DofEはブロンズ/シルバー/ゴールドの3種類からなる資格の一種で、ボランティア、フィジカル、スキルの3つのセクションを決められた期間継続し、エクスペディションと呼ばれる校外でのキャンプを行うことで達成できます。学校のアクティブではそれぞれを達成するため、キャンプやそのための練習、アウトドアに関する座学などを行ってくれ、またその他のセクションも学校のその他のアクティブがカウントされるため、楽しみながら目標をクリアしていくことができます。またミュージックレッスンに関しては、生徒なら好きな楽器を一つ無料で受講することができ、私はギターを選択しました。専門の音楽教師による1対1でのレッスンはとても面白く、また時間があればいつでも音楽室に行って練習することができるため、良い勉強の息抜きになっています。
学校の敷地は想像していたよりもさらに広大で、普段の移動に自転車が必要となるほどなので、始まって2,3週間ほどはどこへ行くにも地図を持ち運び、それでも迷ってしまっていました。また寮や選択している授業が異なると話す機会がなく、いまだに初めて見る生徒が多いなど、少しもったいないと感じることもあります。しかし、統一感のあるレンガ造りの校舎は時折息をのむほど奇麗な景色を見せてくれ、少し疲れたら寮や校舎のエリアを離れ、広大なグラウンドや自然を楽しむこともできます。私もまだ訪れたことのない場所がかなり残っているので、敷地内を探索しつつ、お気に入りスポットを探しているところです。
現在も1カ月の休暇中ですが、やはり日本に比べて休みが多く、心身を休めつつ自習を行ったり大学について調べたりする時間に当てることができます。自己管理さえ適切に行えれば自分のペースを保ちつつ勉強することができるため、気に入っている点の一つです。さまざまな学部やそれらの行っている研究などについて調べる作業は将来に対する解像度と期待感を高め、また気合を入れなおしてもくれます。ホストマザーなど周りの人を頼りつつ情報を集め、パーソナルステートメントやA-levelの勉強など、大学受験に向けて計画的に備えていこうと思います。
クリスマスから年末にかけては少し忙しさも感じましたが、ホストファミリーと料理をしたり、ホームパーティーに連れて行ってもらったりと、とても楽しくにぎやかな体験をさせていただきました。また友人とWinter Wonderlandに遊びに行ったときはロンドンのさまざまな場所を見歩き、豪華絢爛なイルミネーションに息を飲むなど、この休暇ではイギリスらしいクリスマスを十分に味わうことができたのではないかなと満足しています。
まだ留学生活も序盤、慣れてきたとはいえこれからもわからないことや思うようにいかないことも多々あるかと思います。親元や日本の友達、慣れ親しんだ環境を離れ刺激的な毎日を過ごすことで、今まで自分がいかに漠然と毎日を過ごしていたのかを実感する日々ですが、クリスマスを始めとしたイギリスのさまざまなイベントや文化を肌で体感し、未知を恐れず、積極的な姿勢を忘れずに経験を重ね成長していこうと思います。
最後に財団の皆様、私をイギリスに送り出してくださったこと、また日頃からのご協力に感謝を申し上げます。ご迷惑をおかけすることもありましたが、これからも応援していただけると幸いです。よろしくお願いします。