お知らせ

Kさん(女生徒)私立開智高等学校出身

段々と日照時間が長くなり、イギリスでは先日サマータイムに切り替わりました。まだまだ肌寒い日が続いていますが、街中では花々が徐々に咲き始め、新しい季節の訪れを感じつつあります。

最初の学期は著しい環境の変化や勉強についていくことに必死で、友人との何気ない日常を楽しむ時間があまり取れなかったように感じていました。そのことが私の心に深い違和感を残していました。私の留学の主な目的は多様な人々との関係を築き、自らの視野を広げることでした。しかし、自分の心の中では理解していても、忙しさに追われる日々には、それらを両立することが難しかったのです。

しかし、今学期に入ってからは徐々に学業が安定してきたこともあり、自然と友人との時間が増えてきました。焦らずとも、人との関係というのは徐々に深くなっていくものです。最初のうちは誰かに助けられてばかりでいた私ですが、今では友人とお互いに支え合い、共に成長し合う、そんな関係を築けています。

学業面については安定してきたとはいえ、まだまだ課題は残っています。特に現在は経済で悪戦苦闘しており、四科目のバランスを思うように取れないのが現実です。来年のこの時期は本番のA levelに向けて準備している、つまりもうすでにA levelの半分ほどは終わっているのだと思うとどこか不安で焦りも感じてしまいますが、物事に優先順位をつけながら少しずつ解決していこうと思います。

また、このイースターホリデーは休暇明けの試験に向けて勉強に勤しんでいます。勉強に集中できる環境を作ってくれているホストファミリーには頭が上がりません。そして、時折休憩も大事だと外に連れ出してくれたりと、バランスの取れた生活を送っています。私のホストファミリーには社会人と大学生の2人のお姉さんがいます。2人ともAレベルを修了し、現在はそれぞれ異なる分野で活躍されています。試験の不安などで悩んでいても、常に寄り添い、相談にも親身にのってくれるとても心強い存在であり、私のモチベーションにも大いにつながっています。こちらに来てから早くも八か月が経とうとしていますが、振り返ると多くの新しい出会いがあり、留学生活が成り立つのは多くの方々の支えがあってのことだと痛感します。

話は変わりますが、CHでは頻繁にトークが開催され、様々な分野からの専門家や活動家の方が登壇してくださいます。これまで触れる機会のなかった分野や他者の活動に触れることは、私にとって非常に興味深く、視野を広げる素晴らしい機会となっています。毎回のトーク を通じて、世界中には多彩な活動を行う方々が存在することを改めて実感しています。自分があまり関心を寄せてこなかった問題や分野について話を聞くたびに、世界にはまだまだ自分の知らない世界が広がっていて、誰かがその問題に対して積極的に取り組んでいることに気づかされます。

最近では、セクシズム(性差別)に取り組む方がトークに登壇しました。これは世界的に重要な課題ですが、私自身はあまり深く考えたことがありませんでした。それでも新たな問題に目を向ける機会として、このトークは非常に有意義なものでした。毎回こういったトークでは小さなことでも私たち一人一人ができることはあるのだと気づかされ、これからそれらを意識しながら生きていこうと思えます。しかし、影響を受けたからといって、必ずしもその方の道を追随しようと思うわけではありません。世界には無数の問題が存在し、様々な人がそれぞれの分野で解決を試みています。私はその多様性こそが、世界を豊かにし、現在の社会を成り立たせているのだと思います。そのため、自分の興味関心を追求することこそが理想的な世界に近づく第一歩であり、また一番の近道であるとも考えます。私も自らの関心や情熱が向いている分野で積極的に行動し、社会に貢献していきたいと思う今日この頃です。

現在、うまく言語化できませんが、自分を見つめ直す必要性を感じています。次のタームでは本格的に大学受験への準備も始まってくるため、今一度原点に戻って自分をもっと知ることに焦点を当てていこうと思います。最後になりますが、財団の皆様、いつも手厚いご支援をいただきありがとうございます。これからも精進してまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。