お知らせ

Aさん(女生徒)都立西高等学校出身

イギリスでの一年目の最後のタームは、目まぐるしくも充実したものでした。
春休みが終わって間もなく、ピアノのGrade8の試験を受けました。Kingswoodに来て初めてのピアノレッスンの日に、先生からGrade試験を受けることを勧められ、週1回1時間のレッスンを受けていました。イギリスでは、音楽のグレードシステムが普及しており、一定以上のレベルになると色々な場面で高く評価されます。私が受けたTrinityのGrade試験は、ABRSMと比べ演奏できる曲が幅広く、私は合計3曲を選曲して演奏しました。またスケール課題、初見演奏、オーラルテストにも取り組みました。試験はBath市内の教会で行われ、少し緊張もしましたが素敵な場所で演奏できる機会に心が躍りました。試験結果は、Distinction、Merit、Pass、Below Passという段階別評価で、無事にDistinctionで合格することができました。イギリスに来てから、勉強と共にピアノの練習にも励んでいたので、大満足の結果でした。次はDiplomaの取得を目指して頑張っていこうと考えています。

ハーフターム後の6月には、大学出願に必要なPredicted Gradeを決めるテストがありました。一年間のまとめのテストということで、大きな緊張とストレスがありましたが、ホストファミリーや友達の支えもあり、しっかりと試験に臨み満足する結果を得ることができました。Economicsでは、普段からエッセイの定型などを意識していたのが功を奏しました。
Politicsでは、様々な具体例とエッセイでの活用を学ぶ必要があります。まだ完璧には身についていないので、今後もしっかりと力を入れて取り組んでいきたいと思います。
これらのテストに加え、日本語のA-levelの試験も受けました。Kingswoodでは日本語の先生がいないことに加え、他の科目の勉強などで時間が限られていたため独学で試験に臨みました。複数の本を学習する必要がありましたが、しっかりと結果を出すことができ安心しました。

試験が終わった直後には、約1週間のWork Experienceの機会がありました。体験したい職場を自分自身で探し、受け入れてもらえるように企業に連絡を取ります。悪戦苦闘しながらも、ロンドンにあるテレビ局に行くことが決まり、とても楽しみにしていました。打ち合わせを重ねた末、自分でニュースの企画・構成を考え、レポートや街頭インタビューを撮り、編集するというニュース動画の一連の流れを体験することになりました。私は、自分の学んでいる政治や経済に関連し、また7月のイギリスの総選挙前のタイミングという点から、選挙に関するニュース動画を作成しました。イギリスは、2010年から14年間保守党が政権を握っていましたが、今回の選挙で最大野党の労働党への政権交代が予想されていました。そして近年広がりつつあるTactical Voting(戦術的投票)に焦点をあて、この投票をイギリスの人々が実際にどう考えているのか取材し、この投票方法の問題点と影響力をニュースにまとめました。また、実際に街頭インタビューをしたり、FPA(Foreign Press Association)主催のメディア向けの説明会にも参加したり、とても貴重な経験をさせていただきました。報道している方々の熱意や、多岐にわたる分野の色々な話を聞きながら、とても楽しく充実した1週間を過ごすことができました。

Work Experienceが終わったと同時に、多くの大学でオープンデーが開催されました。私は、学校の友達や同期とともに、興味のある大学を訪問しました。同じコースでも、大学によって中心となっている分野に違いがあったり、そのコースの先の目標が違ったりと、自分が本当に何を求めているのかを考え直す良い機会となりました。またコースに加えて、大学の雰囲気やシステム、教授たちの様子など、実際に大学を訪れ様々な視点から感じることができた貴重な体験でした。

タームの終わりごろは比較的授業も落ち着いたので、Essay Competitionなどに参加することができました。Economicsの授業の一環で、エッセイや動画など自由な形で指定のトピックについて書くYoung Economists Competitionに参加しました。興味のあるトピックについて調べ、自分の意見をわかりやすく他の人に納得してもらえる形で書くことは容易なことではないですが、とても楽しみながら書くことができ、また自分の知識を増やす充実した取り組みができたと思います。また、自分自身でJohn Locke InstituteのEssay Competitionにも挑戦した結果、Finalistに選出され大きな自信へと繋がりました。

夏休みには、John Locke Instituteのサマースクールに参加しました。Politics、Economics、History、Philosophyなどに関する様々なレクチャーやセミナーを通して、物事についての幅広い理解や考え方を身につけることができました。世界各国から参加している同世代の人々との議論を通して、自分の考えを見つめ直す機会にもなりました。そして、そこでまた新しい友達を作ることができ、イギリスや日本の友達とは違う新たな視点や考えに刺激を受け楽しく充実した日々を過ごすことができました。

サマースクール以外の夏休みは、ホストファミリーと過ごしました。ホストファミリーや友達と一緒に遊びに出掛けたり、家でのんびりしたり、慌ただしい学校生活から離れリラックスした2ヶ月間を過ごすことができました。家族のように安心し寛ぐことのできるホストファミリーや、信頼し楽しい時を分かち合える友達が、一年前にはまだ出会ってもいなかったことが信じられないくらい長い年月が過ぎているような不思議な感覚がしています。このような素敵な出会いに感謝し、これからも自分らしく努力し続けていきたいと思います。