お知らせ

Aさん(女生徒)都立西高等学校出身

渡英から4ヶ月が過ぎました。長かったようで、あっという間に時が経っているようにも感じます。
私にとってこの4ヶ月は、イギリスで自分のグラウンドを再構築する期間であったと考えています。日本では、友達や家族に囲まれ自分の好きなことを自由に取り組んでいましたが、イギリスに来てから、人間関係をはじめ生活環境や学校など、全てにおいて一から築き上げないといけない状況に最初は精神的にも不安定でしたが、今はやっと自分の居場所を確立してきていることに心から安堵しています。

渡英から2週間はホストファミリーの家で過ごしました。最初は緊張と不安でいっぱいでしたが、ホストファミリーや同じホストファミリーだった先輩のあたたかさに包まれ、楽しい日々を過ごすことができました。Half Termからは、近隣の別のホストファミリーと過ごしています。8歳の女の子と小型犬のダックスがいる家庭で、とてもあたたかく迎え入れていただいています。自分の家族と似た雰囲気を感じるとともに、家族の一員として私がいることを日常と考えてくれている家族のおかげで、今ではイギリスで一番安心できる場所となっています。食後に家族でのんびりテレビや映画を観たり、一緒に買い物や遊びに行ったりといつもリラックスして楽しく過ごしながら、私の悩みや愚痴なども聞いてくれ色々と相談にも乗ってくれる、私の大きな支えとなっています。

KWの寮では、女子は一年目ルームシェアをします。私のルームメイトはネパールルーツを持つイギリス在住の女の子で、出会った時からとても優しく親切で、学校や寮について色々教えてくれたり、友達に紹介してくれたり、彼女のおかげで初めての寮生活もスムーズにスタートすることができました。性格と生活リズムが似ていることもあり、すぐに仲良くなれ、今では深夜までたわいもない話をするほど打ち解けることができたことがとてもうれしいです。寮でも一緒に街へ行ったり遊んだりするようなとてもいい友達ができ、学校でも一緒にランチへ行ったり自習部屋で談笑したりする仲の良い友達ができ、毎日楽しく過ごしています。

私はA-levelの科目で、Math、Further Math、Economics、Politicsを選択しています。 Mathは、日本で数学があまり得意でなかった私でもついていけるので安心しているところですが、Further Mathで後れをとらないように気を引き締めて頑張ろうと思います。
Economicsでは、市場での経済活動に着目するミクロ経済と、一国・地域全体の経済活動を捉えるマクロ経済に分かれて授業をしています。グラフや選択問題、エッセイなど様々なタイプの質問や課題があり、授業ではグループで取り組むプレゼンなどもあります。英語での授業に少し不安があったものの、毎回集中して授業に取り組み続けた結果、先生に評価されることが増えたのでとてもうれしく思います。最初は、挙手制ではなく生徒が自ら発言する授業スタイルに圧倒されてあまり積極性をみせることができなかったのですが、今ではそのスタイルにも慣れてきて自分から発言できるようになりました。今後は、引き続き積極性を出すことを意識しながら、課題やテストでもしっかりと好成績を取れるように尽力します。
Politicsは、一番楽しいと感じると共に一番苦労している教科です。留学前レポートでChemistryをとると書いていましたが、イギリスに来て実際に授業を受けたりPoliticsをとっている先輩の話を聞いたり、自分が本当に目指したいものは何なのかを考え直した結果、3週目からPoliticsに教科を変更しました。何人もの先生と話し合いを重ね、やっとの思いで始められた教科なので私にとって重要な教科です。もともとニュースを見たり政治を学んだりするのが大好きな私にとって、Politicsの授業はとても楽しく興味深いのですが、エッセイの割合が高く、何人かの先生の心配や疑念を押し切ってとった教科でもあるので、必死に食らいついています。最初は授業で圧倒されていたものの、日本で学んでいた公共や公共を教えていた西高の先生の話がとても役に立っていて、最近は楽しむ余裕が生まれたことに安堵しています。しかし、エッセイ重視の教科なので苦労は多く、成績の見当もつかないので、しっかりと集中しながら精一杯頑張ろうと思います。
そのほかにも、EALという海外からの生徒のための英語の授業も受けています。その一環で、Bath市内の他学校の留学生が参加する英語のスピーチコンテストに参加しました。私は、人々が意識していないところで存在する偏見「unconscious bias」について話しました。実体験を交えながら、偏見は必ずしも否定的な意識からきているわけではないこと、完全に偏見をなくすことは難しいことについて説明しました。そして、私が重要なことと考えている、偏見を持っていることを認め、それを踏まえて相手の人を理解しようと努力することの大切さについて述べました。スピーチの準備期間が短く全く想定していなかったのですが、2位という結果を取ることができて、非常に驚きながらも自信につながりました。

Activityでは、KJO(Kingswood Jazz Orchestra)という吹奏楽クラブやクラリネットアンサンブルの一員としてコンサートに出たり、模擬国連クラブの一環でOxfordにて開催された模擬国連に参加したりと、忙しくも充実した活動に取り組んでいます。またピアノでは、毎週レッスンを受けながら地域のコンサートに参加したり、コンクールやグレード取得のために練習をしたりしています。

この怒涛の4ヶ月間は、自分のグラウンドを再構築することに必死な期間でした。何事にも挑戦した方が物事は良い方にはたらく、という家族のアドバイスや西高で学んだ精神を実感する日々でした。今後も勉学に励みながら、自分の進路に向けて色々な活動に積極的に取り組んでいこうと思います。後からやっておけばよかったと後悔のないように、自分を信じて、自分をより高めていけるように努めていきたいです。そして、周りの人を大切にし、支えてくださっている全ての方々へ感謝しながら、これからも精進していきたいと思います。