日本で久しぶりに再会した友人たちと過ごす夏はキラキラしていて毎日が楽しくて仕方ありません。気が遠くなりそうになりながら迎えたresult dayでは無事大学入学条件を満たすことができ、九月から始まる新生活に胸が躍っています。
前回のレポートで大学への出願が終わり、ほっと一息していたのも束の間、13年生のラストスパートは駆け足のようにすぎていきました。
一月に全ての大学からの受験結果が出揃い、そこからは一気にA levelに向けて緊張感が高まりました。三月中旬ごろのイースター休暇ごろにはほぼほぼどの教科も試験範囲が終了し、休暇中は最初に試験がある経済の勉強に特に力を入れました。また、オファーをいただいていたグラスゴー大学のoffer holders dayに参加したり、ホストファミリーといつものように料理をしたりして息抜きも欠かしませんでした。休暇明けには、とにかく各教科の先生に取り組んだエッセイの採点をお願いしました。政治に至っては毎授業3つほど提出していた週もありました。12年生の時は自主的に取り組んだ課題が返って来ることはほぼありませんでしたが、試験直前ともなるとしっかり添削していただいて、とてもありがたかったです。さらに大学訪問のための欠席は認められており、学期中ではありましたが、エディンバラ大学のoffer holders dayに参加したことは、絶対に九月からこの大学に通いたいと私の決意を一層強めてくれ、とても良い経験となりました。
全ての授業が終わり本格的に試験期間となると、好きな時間に起きられ(常識的な時間に起きることは推奨されていましたが)、朝ごはんにいくのも任意となり、一気に自由に時間を使えたことは本当にありがたく勉強がとても捗りました。そこから試験が終わるまでのおよそ一ヶ月は友人たちと二人三脚でなんとか走り抜けたという感覚が強いです。
政治の試験は二時間の試験にエッセイが三つ(paper3のみ4つ)という構成でした。とにかく様々な問題に触れるためにひたすらエッセイプランを作り、どんな問題を見ても瞬時にエッセイの方針を思いつくことができるように練習しました。
経済は最初の試験が始まる一週間前に試験範囲を先生が教えきれていなかったことが判明し、とても焦りました。一日中経済の授業があり、他の科目の対策の時間を取るのが難しいというハプニングがありましたが、結果直前に集中的に叩き込んだおかげか、良い成績をおさめることができ、お忙しい中熱心に教えてくださった先生に感謝でいっぱいです。
政治、数学では正直に申し上げると少し後悔が残る結果となりましたが、この悔しさをバネに大学ではさらに己を律して努力していこうと思います。
2年前、先生にあてられても黙り込んでしまったり、プレゼンではなるべく喋らなくていいような役割を自ら買って出たり、恥ずかしいほど何もできなかった中、なんとか第一志望であった大学に進学が決定したのはひとえに先生方と友人たちのおかげです。
寮生活の中でできた友人はかけがえのない存在となりました。year12の時に仲良くしてくださった一学年上の友人は、互いにここまで似ている人と出会ったことがないと大盛り上がりしました。国境、年齢を超えて彼女と出会えたことは私の大切な思い出です。また、同学年の仲間達にも感謝しきれません。だれかのA levelの試験が終わるとその子の寮の部屋の前で待ち構えて結果はどうだったか聞き、上手く行ったら自分のことのように喜び、実力を発揮しきれなかったと言われたらみんなでgrade boundaryをみながら慰めたりしました。試験前夜には一緒にパニックになりながらも最終確認をしたりもしました。
本格的な試験期間が始まる5月の第三週の前に全ての授業終了をお祝いする'muck up dayは私の2年間のハイライトとなりました。私の寮の伝統で前日の夜から寮長の先生の協力のもと寮の13年生で洗面やシャワーを洗剤でぐちゃぐちゃにしたり、キッチンに食べたままの食器やフライパンを放置したり、コモンルーム(リビングのような部屋)のクッションを投げ捨て、本当に寮を燦々たる有様に仕上げました。そしてmuck up day 当日の朝6時に水鉄砲で下級生を起こして後片付けをしてもらいました。正直、心が痛むかと思いましたが、去年私も叩き起こされていたこともあり、なんの迷いもなく楽しむことができました。その後も一日中13年生で水鉄砲合戦をし、2年間のなかで初めて思い切りはしゃげた1日でした。
普段から夜な夜な誰かの部屋に集まってお話ししたり、時に寝ている先生を起こしてしまうほどの鬼ごっこをひらいて大騒ぎしたり、日本の高校では経験し得ない、一味違う青春を満喫できました。
私は要領が良い方ではなく、英語が不自由なく使えるわけでもありません。楽しかった日本の高校生活が恋しくて、うまく行かないことが重なると逃げ出したくなることも多々ありました。そんな中、歯を食いしばってでも2年間食らいついてきたことは根拠のない自信だけを持って2年前日本を飛び出した私の根拠となりました。不平等に感じたらすぐに自己主張をすること、自己主張とわがままを履き違えないことは、当たり前のことのようですが、kingswoodでの2年間で初めて身についた力のように感じます。
Alevel終了後、高等部・中等部でお世話になった先生方にお会いした際、「頑張ったんだね、将来が楽しみだね」と嬉しそうに言っていただけました。支えてくださる皆様にさらに良いご報告ができるよう、大学生活もとにかく全力で楽しみ、kingswoodで培った良い部分を取り入れる吸収力、精神力を生かしていきたいです。
最後に、無事大学進学に辿り着けたのは素晴らしいご縁に恵まれたからこそだと思っています。素敵な推薦文を書いてくださった高等部の先生、朝6時に空港まで来てくれた友人たち、どんな時も励ましてくださったホストファミリー、kingswoodで出会った方々、同期のみんな、家族、そして何よりもいつも暖かく見守りご支援してくださるtazaki財団の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。2年前の奨学生レポートでも掲げた通り、自分はなぜここにいるのかを念頭に置き邁進して参ります。