お知らせ

Mさん(女生徒)都立三鷹中等教育学校

夏学期は一年で最も忙しい学期でした。今回はtrial試験、UCAS、Fettes bubble、ボランティア活動などにいて書きたいと思います。

まずは大きなtrial試験についてです。急に試験のプレッシャーが増して、どうしてこれまで復習してこなかったんだと後悔しました。この試験でpredicted grades がほぼ決まります。ルームメイトと必死で勉強する日々が続きました。ルームメイトがストレスで泣き出して懸命に慰めたり、不機嫌が続いたり、友達と一緒に復習ポスターを作って浴室に張ったりとしていたらあっという間に試験が来ました。生物の試験中に飛ばす質問があまりに多すぎてすすり泣いていたらたぶん監督の先生に気づかれたと思います。

学期がもうすぐ終わるある金曜日にUCAS dayがありました。UCASは大学出願をするサイトです。希望の大学をいきなり5個決定しなければいけなくなり、頭が破裂しそうになって友達と早めに昼食に行きました。外のテーブルに腰掛けようとしたらベンチに躓きました。自分が落下していると自覚したその一瞬が不思議と長く、テーブルより草に落ちた方がきっと痛くないだろうなと考えて草の上に倒れました。友達とそのまま寝っ転がって笑っていると大学選択の重荷が空に溶けて消えていくようでした。学校中を探検して不思議な石の輪を見つけたり、古いゲートの錠を枝で作ったりとして何時間か過ごした後、しぶしぶ教室に戻り、けれど先ほどよりは軽い心で5個大学を選びました。私はbiochemistryのコースの中でも3年目に植物学に進める大学を探しました。一年しか住んだことのない国で大学選びをするのには圧倒されるかもしれませんが、積極的にオープンデーに行ったり先生方や友達の兄姉に聞きまわったりして選ぶことをおすすめします。私も実際にケンブリッジ大学を今年卒業した友達の兄にカレッジの雰囲気などを聞いてどこを受けるか決めました。

さて、今回のメインのFettes bubbleについて話したいと思います。フェティスにいると、寄宿生活に没頭して周りの人と密な関係を築けると同時に、外界との接触が減り、まるでエディンバラの空に浮かんだしゃぼん玉の中にいる気がします。そのため外出して知らない人を見るとちょっと感動してしまうことがあります。またテレビがないためニュースを受動的に聞くことがあまりありません。イギリス中で教師のストライキが勃発していた時や、イギリスの新しい首相が選ばれた時でさえ、大きな時差を隔てて友達から知りました。フェティスの生活は確かに充実していてどんな願いでもかなえてくれるけれど、だからこそ世界で起こっていることに正対することが求められていると思います。フェティスという素晴らしい環境にいて、自分がしたいことに最大限のサポートを得られる環境にいるからこそ、世界で困っている人に自分は何ができるかを考えて実行に移す義務があると思います。Fettes bubbleの中でふわふわ浮いているのは簡単だけれど、積極的にニュースや取りざたされている話題に耳を傾けて自分はどう関わるのか、何ができるかを考えるという責任があると思います。学校では一年を通して、house charity のためにbake saleをしたりown clothes day で社会問題のawarenessを上げたり、チャペルで世界で今何が起こっているのかを聞いたりできます。その気になればFettes bubbleの外が見えることに気づきました。

私はopportutoring という難民の子どもたちに英語を教えるボランティア活動を一年間続けました。最初にこの活動のことをチャペルで聞いたとき、恥ずかしながらあまり生徒のことをは考えず、DofEにいいなという俗っぽい理由で応募しました。しかし、面接のために難民についてのニュースを調べたとき、言語の壁のせいで就職が困難になってしまうということを知りました。少し考えてみれば自然なことですね。ですが私は、難民や戦争なんて、フェティスに来る前から遠い話だと思っていました。しかし自分に被害がなくても、もし何か助けることができたらそれはたぶん自分の問題になるのだと思います。私の生徒は最初の授業に、英語を学んでいい仕事について家族と一緒に母国に帰りたいと明るく言いました。その健気な姿に思わず泣きそうになりました。週に一時間レッスンをするのですが、日本食や車種などにについておしゃべりしてよく一時間をオーバーしました。一年たって彼の英語力が上達し、自信がついてくるのを見ると心から誇りに思います。