先⽇、2年間通ったChrists Hospital を卒業して⽇本に帰ってきました。
怒涛の2年間を終えた今、⼀⾔では表せないさまざまな感情が交錯し重なり合っていますが、その⼤
部分を占めているのは、⼦供染みているかもしれませんが、“寂しい”というシンプルな思いです。あ
の場所に、あのメンバーであの時のように過ごすことはもう2度とないと思うと、どこか⼼にポッカ
リと⽳が開いているような感情に襲われます。それだけ、充実した素敵な2年間をCH で過ごしきる
ことができました。⼤学進学前最後のレポートでは、勉強、アクティビティ、そして交友関係と3つ
のトピックに分けてお話ししたいと思います。
1つ⽬の勉強について
やはり、この2年間のメインは勉強でした。1年⽬と2年⽬を⽐べると、1年⽬は授業に必死につい
ていっていたイメージでしたが、2年⽬からは1年⽬に培った知識を⼟台としてもう少し楽に授業に
取り組んでいくことができた気がします。2年⽬のメインはA level の試験、そして⼤学の
application でした。特にbiology は膨⼤な量の暗記、essay、それだけでなく複雑に作られたmark
scheme にとても苦しみ、最後の最後まで格闘していた科⽬でした。とにかくpast paper とmark
scheme の分析を徹底して⾏い、抑えるポイントを確実に網羅し、点数を取ることを意識して取り組
みました。Chemistry 、math、f math はとにかく演習の繰り返しでpast paper を全て解き終わった後
はmock paper とshadow paper などのonline resources に⽚端から取り組みました。
実際の⼤学のapplication は全てがうまくいったわけではありませんでした。私が⾏きたいと思って
いた⼤学からのo;er をいただくことができず、結果を待っている間はなかなかストレスのある苦し
い期間でした。不安定になることもあったけれど、そのような時はいつも同じフロアの友達とお互い
⽀え合い、そして何より⼀番お世話になったchemistry の先⽣に何度も励まされて乗り越えることが
できました。最終的に決まった⼤学は、A level の勉強を通して明確にすることができた、私の研究し
たい神経や遺伝⼦の分野に強い学校で、現在は早く⾃分の興味分野の勉強を始めることを待ち遠しく
思っています。
2つ⽬のアクティビティについて
私はイギリスに来てから勉強以外で⼀番⼒を⼊れて取り組んだのがサックスでした。特にCH ではマ
ーチングが週に4回あり、私はそのmarching band に所属していたので毎⽇のように顔を合わせるメ
ンバーと演奏することが何よりも⽣きがいでした。2年間の集⼤成として、最終⽇に⾏われる
beating retreat と呼ばれる1時間のパフォーマンスの練習は3、4時間毎週⽇曜⽇に⾏われるため、
勉強との両⽴を⼼配していました。しかし、このband の存在がとても良いスイッチのオンオフの切
り替えとなり、時間を有効に使うことができました。またバンドのメンバーとお互い時間を管理しあ
って勉強と⾳楽どちらも疎かにすることなくやり遂げました。学校を卒業した翌⽇には、band のメ
ンバーでHampton court で開催されたLondon marching week へ遠征し、最後の最後に演奏で素敵な
思い出をみんなで作ることができました。もう⼀つ、sax 関連で参加していたのがbig band です。
Jazz やswing の曲の演奏をメインとした夜に⾏われるbig band concert にも加わり、marching とは少
し違うテイストの⾳楽を楽しみました。最後のconcert にはhost family を招待し、聞きに来ていただ
き最⾼の思い出になりました。ラストの2ヶ⽉は、A level の勉強にmarching のリハーサルにbig
band concert のリハーサルと⽬まぐるしい⽇々でしたがどれも⼼の底から楽しむことができ、みんな
と演奏することが本当に幸せだったので、毎⽇の忙しささえもどこか楽しみ充実感を感じながら全て
やり切ることができました。
3つ⽬の友達との関係について
1年⽬と2年⽬では、友達との関わり⽅が⼤きく変わりました。⾔語の壁に苦しんだ1年⽬は、友達
や周りの⼦について⾏くことに必死で会話に参加することに⼀杯⼀杯になっていました。でも、この
時に挫けずに、ついていこうとし続けたことが良かったのだと今振り返ると思います。その時に必死
に築いた交友関係は2年⽬にはもっともっと深いものとなり、最終的に今では⼀番そばで私のことを
⽀えてくれる仲間となりました。それだけでなく、2年⽬からはband のおかげもあり⾃分が所属す
るコミュニティの輪が格段と増え、繋がりが何倍にも広がりました。どこにいても誰かがいるという
安⼼感は、学校での⽣活を⼀層充実させ、中でも受験勉強を乗り越える際にとても⽀えとなりまし
た。5⽉頭には正式な授業が全て終わり、study leave と呼ばれるテストに向けた勉強を個々で⾏う
期間に突⼊しました。毎朝8時に友達と勉強スペースに集まり、⾨限の夜10時15分まで共に⼀⽇
中勉強し続け、時にはみんな苦しみながら、泣いて勉強したり、質問しあってお互いに⿎舞しあった
りして勉強して、この2年間のCH での⽣活の中では⼀番充実していた3ヶ⽉だったと思います。⽇
本に帰ってきた今、⼀番⼼寂しく思うのはあの広⼤なCH の敷地で友達とお散歩しながら笑い合った
り、⼀⽇中勉強した後に芝に寝転んでテストまでのプレッシャーから逃避しようとしたり、寮に帰る
ギリギリまで勉強してみんなで⾛って戻ったりした、あのかけがえのない時間です。素敵な場所で、
素敵な⼈に囲まれて過ごした2年間はとても濃い有意義な⽇々でした。
この2年間は、とにかく刺激にあふれた新鮮な毎⽇でした。この2年間で、何より⾃分の成⻑を⾊々
なところで感じることができました。⾃分の意⾒を持つこと、周りと同じではなくても堂々とするこ
とを学んだのはもちろんですが、特に、1年⽬にはとにかく恐れずに何事もチャレンジすることを学
び、2年⽬には私がチャレンジできるハードルの⾼さには限度があって、時にはチャレンジすること
だけが正しいとは限らないということを学びました。そのハードルの⾼さは数値でわかりやすく記さ
れているわけではないけれど、⾃⾝が挑戦できる範囲内のことに挑んだら、たとえ失敗したとしても
その経験は次への糧となり勇気となり挑んだことを後悔することはありません。でも、仮にそのハー
ドルが⾃⾝の許容範囲を超えてしまった場合には結果的に⾃分を苦しめてしまうだけで終わってしま
います。この2年間を通して、自分自身の大まかなハードルの⾼さの範囲を把握することができた気
がします。
この2年間、多くの⼈からのサポートを受けることで現在私がいるところまで辿り着くことができま
した。初めは、右も左もわからなかった私にはこれらのサポートなしにはここまで来ることはできな
かったと思います。⽥崎財団の皆様、本当にありがとうございました。9⽉からはまた新たな環境で
の⽣活が始まります。Boarding school に⽐べたら周りからのサポートが少なくなりより⾃⽴すること
が必要となります。新しい環境に⾶び込むことはいつになっても不安で緊張しますが、このCH での
2年間という⼼強い経験と共に、また少しずつ進んでいきたいと思います。