この2年間で私に起きた変化は、自信がついたことと自分の中の常識を問い直す習慣がついたことだと思う。
自信がついたことの要因は、英語力の向上と学習姿勢が能動的になったことだと思う。英語力については、留学1日目にはホストファミリーの英語が殆ど聞き取れず、その先2年間のパブリックスクール生活に大きな不安を感じた。しかし、留学最終日にはそのホストファミリーと冗談を交わし合ってディナーを楽しめるほど英語力が身についた。英語力の向上によって、故郷から遠く離れた地でもやっていけるという自信がついた。
また、学習面では、専門を深めるために必要なことを自分なりに考え、取り組むようになった。具体的には、私が専攻する予定の物理学についての大学の教科書を読んだり、物理学の研究に不可欠なプログラミングについて学んだりした。能動的に学習することで、自分の目標の実現に向けて確かに前進していると感じることができた。
2年間の留学でもうひとつ身についたことは、自分の中の常識を問い直す習慣だ。パブリックスクールやホストファミリーの家庭では、日本にいた頃よりも年齢も国籍も多様な人々と交流した。その中で、自分にとって当たり前だったことが他の人には当たり前ではないと気付くことが多かった。それはたとえば料理を残さず食べることだったり、あらゆることをそつなくこなすのを重視する風潮だったりした。そこで、私の常識の由来を知るため、私が16年間育った日本の社会や文化に渡英前よりも高い関心を抱くようになった。
大学生活では、学問の追究、そして自分の所属するコミュニティへの貢献に力を入れたい。学問については、パブリックスクールでそうしたように能動的に自分の専門を追究したい。コミュニティへの貢献については、Tazaki財団の後輩や大学の友人、地域社会など、周囲の人に対してできることを自分なりに考えて実行していきたい。
最後に、私が大きなトラブルなく2年間の英国滞在を終えることができたのは、Tazaki財団の方々や6期生の仲間たち、ホストファミリー、家族など、周りの人々が支えてくれたお陰だ。この場を借りて感謝の意を表する。