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Mさん(男生徒)国立筑波大学附属高等学校出身

渡英後から季節が一巡し、Sixth formの最高学年としての新たな一年が始まろうとしている。今回のレポートではSummer Termと夏休みの生活を通して感じたことを中心に書こうと思う。

Summer termでは大学に提出する成績(Predicted Grade)を決める大きな試験があった。このテストで最高評価であるA*を取るためには各教科おおよそ8割5分を取らなければいけないため、試験3週間前から過去問を解いたりノートに自分なりのまとめをしたりと対策を重ねてきた。テスト直前はとても緊張していたが、対策の甲斐あってほとんどの教科でA*を獲得することができた。渡英後一番最初に受けた1月のテストは、過去問の演習不足と英語の未熟さが相まってあまり点数が振るわなかった。テスト返却後はそのことで少し気を落としていたが、このテストでの高得点獲得は自分の勉強に対する自信を取り戻すきっかけになった。

夏休みはイベントに参加する機会に恵まれた。特に印象に残っているものは7月後半にケンブリッジで受講したサマースクールだ。このサマースクールはイギリス人がほとんどおらず、フランスやブラジル、ギリシャといったインターナショナルな生徒が集まることが特徴だ。Kingswood School は生徒の多くがイギリス人と香港からの留学生のため、このように多種多様なナショナリティーを持った学生と交流する機会はあまり多くはなかった。始まって数日はアクセントの違いや自分の英語の拙さのせいでうまくコミュニケーションをとることができず、渡英後すぐの時と同じようなもどかしさを抱いたが、プログラムが進むにつれて良好な関係を築くことができた。さらに多くの人がEngineerを志していることもあり、普段学校では出来ないような専門的な会話もでき、会話がとても面白かった。この経験を通して、興味のある学部に進んだ後の大学生活のビジョンがより鮮明になったような気がする。

また、この夏は4つの異なるホストファミリーの家に滞在して様々な経験を積むことができた。立地や食事などの生活環境はもちろんのこと、時間の使い方やお金の使い道、人生観などそれぞれの家庭が独自の価値観を持っていてとても興味深かった。例えばある家庭は、自宅の庭で様々な植物を栽培し、調理することを趣味としているが、違う家庭では庭は手入れのみして旅行にお金や時間を投じている。こうした価値観の違いはいくつかの家庭に滞在し一緒に暮らさなければ感じることは出来なかったものだろう。この夏休みの経験を通して、普通とは何か、また自分の将来像について、改めて考えさせられた。

1か月後には18歳になり、日本とイギリス、両方の法律上で成人を迎える。自己が確立していると判断されひとりの大人としての権利が認められるが、それと同時に責任を持つ義務が生じる。大学進学前最後の1年は人生の中で大きな転換点となる。自分に自信をもってこの1年を有意義に使いたいと思う。